Voicyそなえるらじお#142『水害避難で長靴はNG、は本当?海で走ってみました』
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執筆者:高荷智也

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、6月24日(木)、本日も備えて参りましょう!
大雨に警戒を
本日のテーマは「水害の避難」です。
- 昨年2020年は、12年ぶりに台風の上陸がゼロ回でした。
- 今年はどうなるか、まだ分かりませんが、現在台風5号が発生し、本州に近づきつつあります。
- 進路予測の中には、伊豆半島から首都圏へ直撃するコースがあったり、
- また梅雨前線の活動を活発化させて、間接的に大雨をもたらす恐れもあるということで、今週末にかけて注意が必要になります。
水害避難時の靴について
- さて、今日は水害の避難のお話をしたいと思うのですが、
- 冠水して水没した道路を歩いて避難する際のアドバイスとして、
- 「浸水避難時に長靴はやめましょう」ということを、聴いたことはないでしょうか。
- 理由としては、長靴を履いて避難した際、深く沈んでいる場所があると長靴が水没して、水が中に入り、すると長靴が重くなり、脱げてしまったり、転倒しやすくなったりして、危険だから、というのが理由、だそうです。
- さて、「水害避難で長靴はNG」これは本当なのでしょうか。ということで、実は昨年、YouTubeそなえるTVで実験をしてみました。
長靴実験
- 実験を行ったのは、海です
- 近所の海岸に出かけまして、「普通の長靴」「ヒモで縛れるぴったりとした長靴(レインブーツ)」「スニーカー」の3つを履いて、膝が水没するような深さの場所を、ザブザブザブザブ走り回って見て、どの靴が脱げやすいのかを検証しました。
- 水害避難を想定した検証ですので、上下にレインコートを着て、背中には荷物を詰めたリュックを背負い、そして水害時に不可欠な杖を両手に持って、足下を確認しながら、ザブザブザブザブ走り回りました。
- ちなみに、海辺で遊んだり実験を行う際には、必ず津波発生時の避難場所を確認してから行動するようにしましょう。
長靴はいいぞ
- さて、結論から言いますと、水害避難時の長靴はNGではありませんでした。
- ただし、もう少し細かく言うと、どんな場所を歩くのかによって、適した靴が変わるということになります。
- そこでまず、浅い場所、スニーカーは水没するが、長靴であれば大丈夫程度の浅瀬を走り回ってみました。
- この場合、長靴は水没しませんので、快適に歩けます。一方スニーカーは、グッショグショになりますので、かなり歩きづらいです。長靴が水没しない場所であれば、やはり長靴を履いて歩くのがよいです。
- 当然、水没しなければ濡れない(特に冬!!)
- ガレキや危険物から足を保護してくれる
- 足を濡らさなければ感染症対策にもなる
- 濡れてもすぐ乾くので、避難先でも履ける
- と言うことで、自宅から避難場所まで、水没していないことが分かっている場合には、やはり長靴が良いです。
- では、長靴が水没するような場所ではどうなるのかですが、
深い場所は…
- 水が膝くらいまでくるような、長靴が沈む場所をを歩いてみましたが、
- 水中を移動するだけであれば、普通の長靴でも、特に脱げるようなことはありませんでした。ただ、深い場所と浅い場所を出たり入ったりするような、長靴が水中と空中をジャバジャバと行き来するような場所を激しく歩くと、脱げそうになりました。
- 一方、ヒモで縛れる、足にぴったりとしたレインブーツの場合は、どのような場所をどう走り回っても脱げるようなことはありませんでした。
- またスニーカーの場合も、ヒモをガッチリ締めれば、脱げるようなことはありませんでしたが、周りにガレキなどが浮いているような場所を歩くとしたら、足が向き出しになるのが怖かったです。
ぴったり長靴を履こう
- 水害避難時に履くべき靴、まとめると次の様になります。
- まず、水深がひざ丈より浅く、長靴が沈まない場所だけを移動するのであれば、長靴が脱げることはありませんので、タダの長靴でも、ぴったりとしたレインブーツでも構いませんので、長靴を履くべきです。
- 一方、水深がひざ丈より深い場所を歩く場合、もしくは自宅から避難場所まで、どのような状況になっているか分からない場合、普通の長靴は脱げる可能性があるため、ぴったりとした長靴があればそれをはき、なければスニーカーなどを履くのが良さそうでした。
- なお、スニーカーを履いて避難する場合も、可能ならば、ハイカットの靴を選ぶと、少しでもガレキなどから足を守れますし、脱げづらくなるのでオススメです。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「水害時に適したクツ」のお話でした。
水害避難で長靴はNG、というのは、一部正解ですが、場合によっては長靴の方がよいシーンもあります。避難が必要な場所にお住まいの場合は、どのような状況でも最適なぴったりとしたレインブーツを準備されるのがよいかと思います。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!