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Voicyそなえるらじお #143『どうしても浸水した街中を歩いて避難する際の装備と注意点』

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #143『どうしても浸水した街中を歩いて避難する際の装備と注意点』

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、6月25日(金)、本日も備えて参りましょう!

大雨に警戒を

本日のテーマも昨日に続いて「水害の避難」です。

  • 昨日 #142 の放送では、水害避難時にはくべき靴についてのお話をいたしましたが、本日は水害避難に関してよく聞かれるご質問などをご紹介したいと思います。

長靴しかない場合

  • 昨日の放送では、水害避難時にはくべき靴として、紐で縛れるぴったりとした長靴が一番よいです、というお話をしました。
  • もし、自宅に「普通の長靴」しかなかったらどうしたらよいのか、
  • 例えばガムテープなどを使って、長靴をズボンをグルグル巻きにすれば、長靴が浸水したり、脱げたりすることが避けられるのでしょうか?
  • これも、海で実際にやってみました。
  • レインウェアのズボンを履いて、普通の長靴を履いて、ズボンと長靴をガムテープでぴっちり巻いて、長靴が水没する深さの場所を歩いてみたのですが…
  • 長靴は脱げなくなりましたが、完全に水没しました。
  • レインウェアのズボンですので、普通のズボンと違って防水です、表面もツルツルしています。また長靴も表面はツルツルしていますので、ガムテープでぴったり貼れば、水没を免れるかと思いましたが、最終的にはグッショグショに水没しました。
  • ただし、普通の長靴をそのまま履くと、水中と空中を行き来する際に脱げそうになりましたが、ガムテープでグルグルに巻くと脱げそうになることはなくなりましたので、水中でガレキから足を守りつつ、安全に移動する手段としては良さそうでした。
  • ただ、あまりにガチガチに巻くと、足が動かなくなりますので、一度練習しておくのが良さそうです。

踏み抜き防止インソール

  • また、どのような靴を履いて移動する場合においても、靴の中に「踏み抜き防止インソール」を入れておくことをオススメします。
  • 足下が冠水して見えない場合、水中にガレキや、割れたガラスや、釘などの危険物が落ちていても気づくことができず、踏み抜いてしまうと大ケガを負ったり、感染症のリスクを負うことになります。
  • 踏み抜き防止インソールを入れておけば、こうした踏み抜きから足を守ることができますので、鉄製ではなく、軽くて歩きやすいインソールを入れておくのがおすすめです。

水平避難は最後の手段

  • 水害避難で必要なものは、靴だけではありません。
  • 各種の安全装備として、ヘルメットや、ライフジャケットや、夜間用のLEDライトなどがあった方がよいか、などの疑問も出て来ます。
  • まず共通して言える大前提としては、ヘルメットや、ライフジャケットや、LEDライトがなければ安全が確保できない状況では、極力、屋外への避難は避けるべきということです。
  • 暴風が吹き荒れ、大雨が続き、足下は冠水し、さらに夜中ともなれば、屋外を歩くのはほとんど自殺行為です。
  • 足下が水没して見えなくなっている時点で、基本的に避難場所への移動は手遅れとなっていますので、まずは自宅の高い場所で被害をやり過ごすことができないかを検討、その場に留まると生命に関わるという場合にのみ、浸水した道路を歩いて避難ということになります。

どうしても浸水した道路を歩くなら

  • どうしても浸水した道路を歩かざるを得ない場合は、
  • まず棒などを持って、足下に危険物や穴がないかを確認しながら進んで下さい。
  • 浸水した街中で、うっかり、蓋の開いたマンホールや側溝に転落したり、ガードレールのない用水路などに落下するようなことがあれば、即死する恐れがあるためです。
  • 登山やスキー用のストック、カメラの一脚、なければ傘でも構いません、足下が見えない場合は少しずつ探りながら移動することが重要です。
  • また、レジャー用のライフジャケットなどがあれば、もちろんないよりマシですので着用をおすすめします。
  • ヘルメットについては、こちらも強風による飛来物や、転倒時の頭の保護には有効ですので、あれば着用した方が良いです。
  • 水の流れがある場所を移動する際は、水が抜ける穴が開いている水遊び用のヘルメットがよいです。穴の開いていないヘルメットをかぶって、水の流れがある場所に沈むと、頭が水流で持って行かれるためです。
  • ただ、そもそも、水の流れがある場所を徒歩で移動するのは危険過ぎますので、そうした場所を通過するケースがマレになります。穴あきヘルメットがあれば着用すべきですが、わざわざ避難用に準備するくらいであれば、最初から屋外に出なくて済ませるような準備に力を入れるべきです。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「水害避難の注意点」のお話でした。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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