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Voicyそなえるらじお #172 東海地震か…!?と日本がざわついた2009年の駿河湾地震

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #172 東海地震か…!?と日本がざわついた2009年の駿河湾地震

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、8月11日(水)、本日も備えて参りましょう!

静岡県民がヒヤッとしました

本日は「東海地震」に関するお話です。

  • 12年前の本日、静岡県を中心に、日本中がヒヤッとした大地震が発生しました。
  •  2009年(平成21年)8月11日、早朝5時7分静岡県御前崎沖の駿河湾で、マグニチュード6.5の大地震が発生しました。通称2009年駿河湾地震です。
  • この地震で、静岡県内の複数の地域で震度6弱の強い揺れを観測し、静岡県焼津市で最大60cmの津波を観測しています。
  • この地震では、死者1名、重症者18名、住宅の半壊6棟、一部損壊8,666棟の被害が発生しました。
  • マグニチュード6.5、最大震度6弱の地震としては、比較的被害が小さかったことが特徴です。亡くなられた1名の方は、当時43歳の女性の方で、部屋に積まれていた書籍などが地震により落下し、圧死したとの発表がなされています。
  • また住宅被害においては、建物の全壊はゼロ・半壊が6棟と地震の揺れの大きさの割に被害が小さくなっていますが、
  • これは、地震の揺れ方が木造住宅を強く破壊する揺れ方ではなかったことと、静岡県はもともと東海地震などに備えて、建物の耐震化などがかなり進められていたという、2つの要素が重なった結果と想定されています。
  • 建物が破壊されなければ生き埋めになる方も少なくなり、火災も発生しづらくなるため、全体の被害が軽減される、これが形となったのが、2009年の駿河湾地震でした。
  • この駿河湾地震が一時的に注目されたのは、被害の内容ではなく、もうひとつの理由、つまり、東海地震につながるのかという点でした。

東海・東南海・南海地震

  • 2011年の東日本大震災以降、南海トラフ地震の発生が強く警戒されていますが、この駿河湾地震が発生した2009年当時は、まだ「南海トラフ地震」という言葉はあまり使われておらず、同じ地震を指す言葉としては、
  • 東海・東南海・南海 連動地震」などの言葉が使われていました。
  • 地震の想定震源域はおなじ南海トラフ地震ですが、これをひとつの地震として捉えるのではなく、東海地震の想定、および東南海南海地震の想定のふたつにわけて対策などが検討されていたのです。
  • ただ、3.11東日本大震災による、マグニチュード9という想定外の巨大地震の発生を受けて、南海トラフエリアで発生する地震についても、全てが連動する最大級の地震被害を想定すべきということで、東海・東南海・南海地震を全てまとめた、「南海トラフ巨大地震」の被害想定などが、盛んに行われるようになりました。

南海トラフ地震

  • 南海トラフエリアで発生すると想定されている地震は、静岡県の駿河湾を震源とする東海地震と、三重から紀伊半島沖を震源とする東南海地震、四国沖を震源とする南海地震、そして宮崎沖を震源とする日向灘地震に分けられています。
  • ただ、この分け方はあくまでも人間の都合であり、次の大地震で、どのエリアが揺れるか、またバラバラに揺れるか、まとめて揺れるか、それは分かりません。
  • 分かっているのは、南海トラフエリアでは、90年から150年程度の周期で、津波を伴う大地震が繰り返し発生していること、前回の地震は75年前の南海地震と、77年前の東南海地震であることです。この75年前と77年前の地震は、昭和南海地震と昭和東南海地震と呼ばれ、いわゆる前回の「南海トラフ地震」として認識されています。
  • 一方で、駿河湾を震源とする、いわゆる東海地震についても、周期的に発生していますが、ここは前回、昭和の南海トラフ地震では揺れておらず、1854年の安政東海地震までさかのぼることになります。安政東海地震が発生したのはいまから167年前、南海トラフエリアの地震周期で言えば、いつ発生してもおかしくない時期となっていますので、次の南海トラフ地震の発生が恐れられているということになります。

想定東海地震

  • そして、2009年の駿河湾地震の際にも、前回の安政東海地震から155年が経過したタイミングでの大地震でしたので、揺れた瞬間、おそらく多くの方が、
  • 「ついに、あの東海地震が来たか」と覚悟を決めたと思われますし、
  • 揺れが収まった後は、あの東海地震の割には揺れが小さかった様な。これは本番に向けての前兆では、と考えたと想像できます。
  • 実際、2009年の駿河湾地震が発生した直後、当時唯一、国が正式に行っていた地震予知活動の一環として、「東海地震観測情報」が発表され、気象庁に有識者が招集され、この地震が、より大きな想定東海地震につながるのかどうか、検討がなされました。
  • 結論としては、想定されている東海地震とはやや異なる場所で発生した地震であるなどの理由から、たまたま駿河湾で発生した単体の地震と思われる、という結論となり、
  • 実際その12年後の現在まで、想定東海地震は発生せずということになっています。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「2009年駿河湾地震」に関するお話でした。

2009年の駿河湾地震の後、結局現在まで想定東海地震や、南海トラフ地震は発生せず、一方2年後の2011年に、東北地方太平洋沖地震・東日本大震災が発生する結果となりました。

今この瞬間に発生してもおかしくない南海トラフ地震、引き続きの備えが必要と言うことになります。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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