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Voicyそなえるらじお #182 長い吊り橋の上で被災!どう行動する?まずは情報収集を。

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #182 長い吊り橋の上で被災!どう行動する?まずは情報収集を。

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、8月26日(木)、本日も備えて参りましょう!

吊り橋は頑丈です

本日は「吊り橋の上で被災した場合の行動」に関するお話です。

レインボーブリッジ

  • 本日8月26日は、28年前にレインボーブリッジが開通した日です。
  • 1993年(平成5年)の8月26日、東京都心とお台場方面をつなぐ橋、東京港連絡橋・通称レインボーブリッジが開通しました。
  • レインボーブリッジは吊り橋で、全長は798m、橋を支える主塔の高さは126mあります。

レインボーブリッジと災害

  • ところでこのレインボーブリッジ、日本の首都東京の、イイ感じの場所にある、イイ感じのランドマークということで、東京タワーなどと合わせて、よく災害パニック映画やアニメなどにも登場します。
  • 東京タワーは破壊されたりすることが多い、どちらかと言えばかわいそうな存在ですが、レインボーブリッジは物語の転換シーンに登場する象徴的な存在になることが多いなぁ、などと思っています。

レインボーブリッジが登場する災害・防災作品

  • ところで、このレインボーブリッジが登場する災害・防災メディアにはどのようなものがあるのか、いくつかオススメ作品をご紹介したいと思います。
  • 例えば最近では、2019年に公開された新海誠監督のアニメ映画、「天気の子」にレインボーブリッジが登場しています。天気の子が災害作品なのかと言えば、災害作品です、あれはガチンコの水害パニック映画だと思っています。とても面白い映画ですので、ぜひご覧ください。
  • おなじアニメ作品としましては、2009年にフジテレビの深夜アニメとして公開された、「東京マグニチュード8.0」(とうきょうマグニチュードハチテンゼロ)という作品があります。こちらはタイトルの通りガチガチの防災アニメです。お台場で大地震の直撃を受けた中学生の姉と小学生の弟が、自宅のある都心まで徒歩帰宅をするストーリーですが、その中でレインボーブリッジが登場します。
  • この作品、端的にいえば良い方向にヤバイ作品です、私は号泣しながら見ておりました。30分×全11話のアニメですが、危険です。機会があればぜひ最終話までご覧頂きたいと思います。
  • それからもうひとつ、「彼女を守る51の方法」という漫画作品にもレインボーブリッジが登場しています。こちらは、2006年から7年まで週刊コミックバンチで連載され、全5巻の単行本として発売されている漫画で、防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実さんが全面監修されている漫画作品です。
  • こちらもお台場で被災した若い主人公達が、都心へ脱出する過程を描いたストーリーですが、首都直下地震で想定されている様々な二次災害全部入りで、漫画としても純粋に楽しめますし、詳細な防災マニュアル漫画としてもかなり作りこまれている作品です。

ところで、橋で被災したらどうするか

  • ということで、レインボーブリッジが登場する三つの印象的な作品をご紹介しましたが、ところレインボーブリッジのような巨大な吊り橋にいるタイミングで、実際に大地震に巻きこまれたら、どう行動すべきなのでしょうか。
  • といっても、これはなかなか答えが出せません。その地震が発生した時に、自分がどこにいたのか、だれといたのか、どの程度の車が橋の上にいて、二次災害が生じているのか、天気はどうなのか、周辺の状況はどうなっているのか、など、様々な状況から、最適な行動を導く必要があるためです。
  • 吊り橋は、支柱を立てられないような場所に多く作られますので、多くの吊り橋は巨大な河川や、海をまたぐ形で建てられます。
  • ちなみに日本で一番長い吊り橋は、兵庫県の明石海峡を横断している、明石海峡大橋です。全長は3,911m、支柱の間の長さは1,991mで、明石海峡大橋は、日本一長い吊り橋であると同時に、実は世界で一番長い吊り橋でもあります。すごいですね。
  • このような吊り橋の上で大地震に巻きこまれた場合、地上に降りるのは容易ではありません。なんとなく下の海に飛び込めば助かるような気になりますが、橋の上で車両が爆発して火災が発生し、飛び込まないと100%死ぬという状況でなければ、飛び込みは推奨できません。極めて高い確率で、海面にたたきつけられて死亡するか、溺れて死にます。
  • 吊り橋は地震の直撃を受けると、なんだか揺れて落ちそうな感じがしますが、実際にはそうとう頑丈に作られていますので、橋の上でタンクローリーが大爆発を起こすとかそういうことが生じなければ、巨大地震の直撃を受けても耐えられる頑丈さは持っています。
  • 以前、 #88の放送でお話をしたことがありましたが、実際、明石海峡大橋は建設途中の1995年に、阪神・淡路大震災の直撃を受けました。震源直上にあったのがこの吊り橋でしたので、全長が1mのびるという影響が生じたものの、橋の構造物自体は無傷で、その後無事開通にこぎ着けています。
  • そのため、橋の上で大規模な自動車火災などが発生していなければ、まずは情報収集を行い、どこへ逃げるかを決めることが重要です。
  • 橋の安全そうな側にゆっくり移動するため、スマホやカーラジオで情報収集を行い、地震の震源地と逆方面に移動する、というのが基本になります。自動車に乗っていた場合、車両を放棄して徒歩で逃げる場合もありますので、車載の防災セットなどを普段から積んでおくなどは、行いたい事前対策です。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「吊り橋の上で被災した場合の行動」に関するお話でした。

  • ちなみにレインボーブリッジといえば、新型コロナウイルス感染症の初めての緊急事態宣言が解除された2020年の6月頃、東京アラートという取り組みで、真っ赤にライトアップされた恐ろしい姿になっていましたが、なんといいますか、ちょっと違うだろという気持ちで見ていた思い出があります。
  • 現在は東京アラートそのものが廃止されて、あの恐ろしいライトアップもなくなりましたが、フィクション作品でも、現実でも、ランドマークにされる吊り橋なのだなということを認識した出来事でした。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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