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Voicyそなえるらじお #202 戦後最悪の噴火災害、不意打ちが被害を広げた2014年御嶽山噴火

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #202 戦後最悪の噴火災害、不意打ちが被害を広げた2014年御嶽山噴火

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、9月27日(月)、本日も備えて参りましょう!

富士山の未来の姿が御嶽山ぽいのでは

本日のテーマは「2014年の御嶽山噴火」です。

2014年・御嶽山噴火

  • 本日9月27日は、7年前に御嶽山が噴火した日です。
  • 2014年(平成26年)9月27日11時52分、長野県と岐阜県の県境に位置する御嶽山が突然噴火を起こし、63名もの死者・行方不明者が生じる、戦後最悪の噴火災害が発生致しました。
  • この噴火で亡くなられた皆様のご冥福を、お祈り致します。

活火山の標高第2位が御嶽山

  • 日本で一番標高の高い山と言えば、ご存じの富士山、標高3,776メートルです。余談ですが私が住む静岡県三島市周辺は、自動車のナンバーが3つあります。沼津ナンバー、伊豆ナンバー、そして富士山ナンバーなのですが、富士山ナンバーをつけている車の番号が3776だと、ちょっと良いなぁと、思ったりします。
  • では、標高の高い山の2位と3位はご存じでしょうか。
  • 日本で2番目に高い山は、赤石山脈、山梨県南アルプス市の北岳、標高は3,193メートル。
  • そして日本で3番目に高い山は、飛騨山脈、松本市と高山市の境にある穂高岳、標高は3,190メートルです。
  • ちなみに富士山は活火山ですが、北岳と穂高岳は活火山ではありません。活火山の中で、富士山に次ぐ日本で2番目に標高が高い山、それが3,067メートルの御嶽山なのです。
  • 日本で2番目に高い活火山が噴火を起こし、戦後最悪の犠牲者を伴う噴火災害となった、これが2014年の御嶽山噴火となります。

繰り返し噴火を続けて来た御嶽山

  • 御嶽山は、少なくとも78万年前から噴火を続けている古い火山です。
  • 繰り返し噴火を繰り返している山ですが、2014年以前では、1979年にも比較的大きな噴火が発生していました。
  • 1979年の噴火は10月28日、登山シーズンでもあり、噴火が発生した際には50名近い登山者が山頂付近にいたということです。しかし死者・行方不明者はゼロ名でした。
  • 79年の噴火は、最初に小さな噴煙が上がり、次第に噴火が大きくなり、その後徐々に噴火の規模が大きくなるという具合に、避難をする猶予があったのです。
  • しかし2014年の御嶽山噴火の際には、前触れ無くいきなり最大規模の噴火が発生し、避難をするまもなく、気づいた時には噴石や火砕流に巻きこまれるという状況になり、多くの犠牲者を出すことになってしまいました。

2014年の噴火の状況

  • それではこの御嶽山噴火の様子や特徴について、長野県が作成した、「長野県御嶽山噴火災害対応記録集」から引用してご紹介したいと思います。
  • 噴火が始まったのが、お昼直前の11時52分。
  • この噴火開始直後の規模が最も大きく、最初の20分間ほどの時間で、数センチから最大70センチ近い岩を含む、大量の噴石が火口周辺に落下し、さらに同時に火砕流が発生し周辺を飲み込みました。
  • ちょうど行楽シーズンの休日ということで、噴火が発生した山頂付近には少なくとも130名の登山者がいて、この方達が噴火と同時に発生した噴石と火砕流に巻きこまれ、視界を奪われて身動きが取れなくなった所に大量の噴石が落下してきたことで、命を落とされたと想定されています。
  • 後の調査では、山小屋の屋根を貫通した噴石は少数で、小屋に逃げ込むことができた方々は全員無事、しかし身を隠すことができなかった方の多くが犠牲になったということです。
  • また、ヘルメットをかぶっていたとしても、恐らく助からなかった規模での噴石が降り注いだと言うことで、登山においてヘルメットは重要ですが、至近で噴火などが発生した場合はどうにもならないことがある、リスクのあるレジャーであることを認識すべき、という指摘もあります。

前兆などもなかった

  • ところで、日本の活火山には、火山活動の状況に応じて取るべき防災対応を表す、噴火警戒レベルという5段階に区分した指標があります。
  • 普段は、噴火警戒レベル1という数字になっており、なにか異常な現象が観測された場合などは、その状況に応じてレベルが引き上げられることになっています。
  • 2014年の御嶽山噴火の際にはどうだったのかと言えば、噴火警戒レベルは1で、特別な警戒などは呼びかけられていませんでした。
  • 今になって思えば、という振り返りにおいては、噴火が起こる1~2週間前から、火山性の地震が少し増えており、結果的にはこれらが前兆現象だったと想定されますが、噴火前にはこれが異常な現象とは判断されず、警戒レベルは引き上げられなかったのです。
  • 火山の噴火予知はまだまだ発展途上の科学です。
  • 例えば2000年の北海道・有珠山(うすざん)噴火の際には、事前に噴火の前兆が捉えられ、住民の事前避難が行われたことから、物理的には大きな被害が生じる噴火となりましたが、人的避難はゼロとなりました。
  • 一方2014年の御嶽山噴火の様に、噴火の規模でいえばかなり小規模な噴火でしたが、突発的かつ、登山者の多いエリアを直撃したことで多くの犠牲者を出す噴火もあります。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「2014年の御嶽山噴火」のお話でした。

火山大国日本、最寄りに火山がある場合、または登山やレジャーで山へ出かけた際には、突然噴火に巻きこまれることもあるのだ、ということを是非認識して下さい。 

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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