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Voicyそなえるらじお #189 北海道胆振東部地震、幸運だった真夜中のブラックアウト

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #189 北海道胆振東部地震、幸運だった真夜中のブラックアウト

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、9月6日(月)、本日も備えて参りましょう!

広域停電

本日のテーマは「北海道胆振東部地震とブラックアウト」です。

北海道胆振東部地震

  • 本日は9月6日は、3年前に「北海道胆振東部地震」が発生した日です。
  • 2018年(平成30年)9月6日、早朝3時7分、北海道の胆振(いぶり)地方を震源とする、マグニチュード6.7の大地震が発生しました。
  • この地震で、北海道厚真町(あつまちょう)で震度7の揺れ、安平町(あびらちょう)、むかわ町で震度6強の強い揺れを観測しました。
  • この強い揺れに襲われた結果、多くの土砂災害などが発生し、死者41名、負傷者749名、建物の全壊が409棟、半壊が1,262棟などの被害が発生しております。
  • 犠牲となった方々のご冥福をお祈りいたします。

2018年は災害の当たり年

  • 2018年は、4月には鳥取県西部で最大震度5強を観測する大きな地震が、6月にも大阪で、大阪府北部地震が発生して被害が出ていました。
  • さらに、平成最後の年に平成最悪の被害を生じさせた西日本豪雨や、全国の広い地域に被害をもたらした台風21号・台風24号など、多くの災害に見舞われた1年となり、2018年の今年の漢字にも「災」が選ばれるなど、自然災害に見舞われた1年となりました。
  • 北海道胆振東部地震は、そんな中で発生した大地震だった訳ですが、死者の多くは土砂災害により生じた被害であり、他の地震で多い建物倒壊による被害は地震の規模の割には限定的でした。
  • これは、北海道の住宅が雪や寒さ対策のため、もともと頑丈に作られているという特徴があるためで、同じ年の大阪府北部地震と比較しても、建物の被害率は低い値となっています。
  • 頑丈な建物に住むことで大地震の被害を減らせる、という基本を、ある意味では証明した大地震となりました。

想定外だったブラックアウト

  • 北海道胆振東部地震で特徴的だった被害は、なんといっても全道停電、ブラックアウトです。
  • 過去の大地震などでも、被災地が停電に見舞われるということはよく生じていましたし、首都直下地震や南海トラフ地震においても、地震による停電対策が重要であるとされています。
  • しかし北海道胆振東部地震の場合は、被災地だけでなく、地震による直接的な被害がなかった地域を含む、広域停電となったことが特徴であり、また想定外でした。
  • 災害による停電は、電柱や変電所などの送電設備が物理的に破壊されるパターンと、発電所が停止することで生じるパターンの二つがあります。
  • 3.11東日本大震災の際は、被災地では送電施設が津波で破壊されたために停電が生じ、一方原子力発電所の多くが停止したことから、直接的な被災地ではなかった首都圏でも電力不足となり、計画停電などが行われたことは、記憶に残っていると思います。
  • 北海道胆振東部地震では、この両方のパターンが発生したことになりますが、これだけの範囲を巻きこむ広域停電が、地震をきっかけに発生したことは始めてであり、今後に向けて多くの教訓を残すことになりました。

幸いだったのは夏場かつ深夜だったこと

  • この地震によるブラックアウトで幸いだったことが、地震の発生した季節が北海道において季候のよい9月だったこと、そして深夜だったことです。
  • まず地震の発生が冬場であった場合、停電により暖房器具が使えなくなると、北海道では凍死者が大量に発生していた恐れがあります。冬場の最高気温が氷点下になる地域の場合は、停電対策として灯油など、電気をつかわず火力の強いストーブの準備が必要になります。
  • さらに、地震の発生が早朝3時と真夜中だったため、ほとんどの方が眠っていたことも幸運でした。強い揺れに見舞われた被災地の場合は、時間に関係無く大きな被害が生じますが、停電のみに巻きこまれた地域の場合、地震の発生が日中であったら、より多くの被害が発生していたと想定されます。
  • 例えば信号機やトンネルの照明がダウンすることによる交通事故の発生、エスカレーターの突然停止による群衆雪崩の発生、エレベーターの停止による閉じ込めの発生などが、直接的な被害として発生します。
  • 真夜中の停電であったため、朝起きて、停電を認識し、電気がないことを前提に1日を始めることができたため、物理的な被害は最小限となりましたが、日中の突発停電が生じた場合に、どんな行動を取るべきか、こうしたことはイメージトレーニングを重ねることが重要になります。
  • また私の個人的な防災ライフとしては、できるだけエスカレーターやエレベーターなど、自分の意思以外で動く乗り物については使わないようにしていますが、こうした日々の積み重ねも、突発停電には有効と言えるでしょう。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「北海道胆振東部地震とブラックアウト」のお話でございました。

本日は災害そのものの振り返りがメインとなりましたので、明日は引き続き、停電対策について考えて参りたいと思います。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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