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Voicyそなえるらじお #190 停電対策[松コース]住宅設備や発電機の活用はどうなのか?

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #190 停電対策[松コース]住宅設備や発電機の活用はどうなのか?

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、9月7日(火)、本日も備えて参りましょう!

停電に備える

本日のテーマは「停電対策」です。

  • 昨日の放送では、北海道全域が停電となったブラックアウト、これを生じさせた2018年の北海道胆振東部地震のお話をいたしました。
  • 本日はこうした突発的な停電への対処方法を考えたいと思います。

停電対策

  • 停電対策の方向性は、大きく分けると二つあります。
  • ひとつは、他の方法で代替することができない電気製品を使うために、電気そのものを備蓄する方法。もうひとつは、電気を使わない代替手段を備蓄する方法です。このふたつの方法は、基本的に併用しながら準備を行うことになります。
  • 例えば、停電対策で最も重要な項目は、命にかかわる項目。在宅用の医療器具などを使っている場合は、停電がそのまま生命の危機に直結します。
  • このような場合への備えとしては、まず素早く代替電力を確保できる大容量のポータブル電源をすぐ使える場所に常備、さらに充電するための発電機などを用意しておくなどが、電気そのものを準備する備え。一方、手動で動かすための器具や、酸素ボンベなど電気を使わない準備が、代替項目となります。

住宅設備による停電対策

  • 電気そのものを準備する停電対策は、予算に合わせた松竹梅ごとに、いろいろな選択肢があります。
  • 豪華な方法としては、住宅設備による停電対策です。例えば住宅用のソーラーパネルと蓄電池を併用した場合、出力を大きな物にすれば、かなり長期間、普段と同じように電気を使うことができます。
  • ソーラーパネルだけでは、非常用のコンセントから最大1,500Wまでの電気を取り出すことしかできませんが、住宅用の蓄電池を併用することで、屋根で発電した電気を室内に流すことができるようになるため、晴れている日中はほぼ普段通りの生活が、雨や夜間など太陽が出ていない時間帯は、冷蔵庫などを生かしつつ、その他は節約しながら電気を使うことになります。
  • また、住宅用のソーラーと蓄電池に、V2Hという器具を追加することで、PHEV・ガソリンと電気で走るプラグインハイブリッド自動車を接続することができるようになるため、晴れていれば屋根で作った電気を使い、夜間などはPHEV自動車で発電した電気を使うことで、停電時にも普段通りに電気が使える様になります。
  • もちろんこうした住宅設備による停電対策はお金がかかりますし、戸建てでなければできませんので、人と環境を選びますが、選択できれば非常に災害に強い家となりますので、ぜひご検討頂きたい方法です。

発電機の準備について

  • 住宅設備やPHEV・プラグインハイブリッド自動車による停電対策は、理想ではありますが、お金的になかなか難しいものがあります。
  • その他の発電手段としては、自動車にインバーターを指す方法、ガソリンやカセットガスの発電機を準備する方法、小型のソーラーパネルを準備する方法などがあります。
  • 自家用車がある場合、ハイブリッド自動車などはコンセントがついている場合もありますが、そうした設備がない場合は、カーインバーターを準備するとよいでしょう。
  • カーインバーターは、自動車の運転席近くにあるシガーソケットに指して使う器具で、100Vの電力を取り出すことができます。
  • ただ、あまり大きな電力は取り出せませんので、冷蔵庫や電子レンジなどを使うことはできません。スマートフォンやモバイルバッテリーの充電などに使う程度と考えてください。またエンジンをかけておかないとバッテリーが上がってしまいますので、ガソリンも普段から満タン近くを維持するようにするのがよいでしょう。
  • またいわゆる発電機は、個人で準備するのはなかなかハードルの高い設備です。種類豊富なのはガソリンを使った発電機で、最近はコロナ禍の影響でほとんどみられなくなりましたが、夏祭りや花火大会などの出店の脇に置かれている、あのドドドドドという大きな音がする発電機のことです。
  • 燃料にガソリンを使うタイプの物は、出力が大きく、運転時間も長い製品が多くて使い勝手がよいのですが、ガソリンの備蓄が個人ではなかなか難しいこと、定期的に運転させたりオイル交換をしたりといったメンテナンスが大変なこと、そして音が大きいため住宅地やマンションでは使いづらいことがデメリットです。
  • 防災専用にガソリン発電機を購入するのは、かなりハードルが高いため、どうしても発電機が欲しい場合は、燃料備蓄やメンテナンスが多少楽になる、カセットガスタイプの発電機を選ぶか、ソーラーパネルとポータブル電源の組み合わせがよいでしょう。

ソーラーパネルとポータブル電源

  • 住宅設備としてのソーラーパネルと蓄電池、これを思い切り小型化して安くしたものが、小型のソーラパネルとポータブル電源の組み合わせです。
  • 一昔前は、特にバッテリーの性能に限界があったため、この組み合わせによる停電対策は難しかったのですが、近年、この辺りの性能が上がり、一方価格は下がり、かなり実用的な機器になってきました。
  • 具体的には、出力100W以上の、そこそこ大きなモバイルソーラーパネルと、定格出力1,500W以上の大容量ポータブル電源があれば、動作時間はともかく、自宅にある家電は全て使える様になります。
  • ただ、定格出力1,500wのポータブル電源はまだ価格が高いため、もう少し小さな、500Wから1,000W程度のポータブル電源であれば、価格もそれなりに安く、またそこそこ実用的に各種の家電が使えるようになるため、防災専用に購入をするならこのくらいの大きさのものが現状ではおすすめです。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「停電対策」のお話でございました。

停電対策、色々な選択肢や方法があるため、全てをお話しようとすると大長編になってしまいます。本日は松竹梅で言うと松コースのお話となりましたので、また改めて、他の停電対策のお話もしたいなと思います。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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