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Voicyそなえるらじお #282 南海トラフ地震臨時情報の種類と発表時の対応は?

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #282 南海トラフ地震臨時情報の種類と発表時の対応は?

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、1月24日(月)、本日も備えて参りましょう!

南海トラフ地震はいつおきてもおかしくない…が

本日のテーマは「南海トラフ地震臨時情報」です。

  • 先週末、1月22日・土曜日の深夜1時8分、大分県沖の日向灘で、マグニチュード6.6、最大震度5強を観測する大きな地震が発生しました。
  • 大分県による被害の発表を見ますと、翌日日曜日までの間に死亡者はなし、負傷者6名、住宅の一部損壊が2件生じた他、一部の地域で断水や停電が発生したということです。
  • 幸い大きな被害には到りませんでしたが、この地震ではある言葉が注目を集めました。「南海トラフ地震臨時情報」です。

南海トラフ地震臨時情報(調査中)の発表条件

  • 南海トラフ地震臨時情報とは、気象庁が発表する情報のことで、南海トラフ全域を対象とした、地震発生の可能性の高まりについて知らせるもので、いくつかの条件に基づいて発表される仕組みになっています。
  • 南海トラフ地震臨時情報が発表される条件は、簡単に言えば、南海トラフ地震の発生する可能性が高まる現象が確認されることで、具体的には3つのパターンがあります。
  • ひとつ目は、「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」という名称の情報で、今回の日向灘の地震がもう少し大きかった場合は、この情報が発表されることになっていました。
  • 南海トラフ地震臨時情報(調査中)」は、南海トラフ地震の発生想定域内で、マグニチュード6.8以上の地震が発生した場合に発表されます。
  • 明らかに南海トラフ地震とは関係無い、ものすごく震源が深い地震は除きますが、今回の日向灘の地震は、マグニチュード6.6、震源の深さ45kmと、もしかすると南海トラフ地震に関連するかも、の基準にかなり近い地震であったため、気象庁の会見などでも、「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」発表の可能性について触れられていたと言うことになります。
  • もうひとつのパターンは、同じく南海トラフ地震の発生想定域の中で、複数の「ひずみ計」と呼ばれる観測器が、なにやら怪しい動き、スロースリップ・ゆっくりすべりが発生している可能性がある場合に、「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」が発表されます。
  • スロースリップという言葉は、先日まで放送されていたTBSのドラマ、日本沈没でも盛んに使われていましたが、これは創作の架空用語ではなく、実際の現象のことで、スロースリップが南海トラフ地震の前兆現象の可能性があるということで、わざわざ気象庁も特別にチェックする体制になっています。
  • 「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」が発表された場合は、念のために津波避難場所の確認や、緊急時に持ち出す荷物のチェック、家具固定の再確認などをしておくと良いでしょう。

南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)の発表条件

  • 南海トラフ臨時情報のもうひとつのパターンは、もう少し大きな地震、具体的には南海トラフ地震の想定域の中で、マグニチュード7以上の地震が発生した場合か、スロースリップ・ゆっくりすべきが発生したと想定される場合に発表されます。
  • この場合は、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」ということで、調査中ではなく、具体的な注意が呼びかけられます。
  • この情報が発表された場合、きっかけがマグニチュード7以上の地震だった場合、すでにどこかの地域では大きな被害が発生している可能性もあるため、すでに起きた地震への対処と、今後のより大きな地震、具体的は「南海トラフ巨大地震の本番」への備えや検討を同時に進める必要がある状態となります。
  • 一般家庭においては、「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」が発表された場合と同じく、津波避難場所の確認、リュックのチェックなどとあわせて、万が一本番の巨大地震が発生した場合に備えた対応、
  • 寝るときには枕元にライトや着替えなどを置いておく、玄関にすぐ持ち出せるよう非常持出袋や避難所生活用品をまとめておく、在宅避難に備えて防災備蓄員の補充をしておく、などの対応を取ることをお進めいたします。

南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)の発表条件

  • 南海トラフ臨時情報、3つめのパターンは、すでに「南海トラフ地震」が発生した場合に発表される情報です。
  • 具体的には、南海トラフ地震の想定域の中で、マグニチュード8以上の巨大地震が発生した場合、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)」という情報が発表されることになっています。
  • これは、東海地震・東南海地震・南海地震など、いずれかの巨大地震が発生した際に、まだ揺れていない地域に対して、連続する巨大地震の発生および、津波の発生に関する危険を呼びかけるものです。
  • 歴史的に見て、南海トラフ地震というものは、東海・東南海・南海地震がまとめて発生する最悪のパターンと、いずれかが時間差で発生するパターンがあり、時間差発生の可能性がある場合に、まだ揺れていない地域へ警戒を呼びかけるものが、この「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)」になります。
  • 言うまでもなく、すでにどこかの地域では巨大地震が発生した後ですので、甚大な被害が生じている恐れがあります。例えば先に東海・東南海地震が発生していた場合は、静岡・愛知・三重辺りまでは壊滅状態になっている恐れがありますが、
  • この状態で、和歌山・四国・九州をはじめとする、まだ揺れていない地域への警戒を呼びかけるものが、この情報と言うことになります。
  • 「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)」が発表された場合は、まだ揺れていない地域の、津波浸水想定地域に対して、1週間程度、事前避難を呼びかける避難指示が出される可能性があるため、
  • 南海トラフ地震で津波被害を受ける場所に住んでいる、会社がある場合は、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)」が発表された場合、どこに逃げるのか、1週間どう生活するのか、会社の業務は止めるのか、などを考えておく必要があります。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「南海トラフ地震臨時情報」のお話でございました。

  • もちろん、南海トラフ地震は、こうした臨時情報の発表がなく、突発的に最大級のものが発生する恐れもありますので、
  • 南海トラフ地震臨時情報は、出たらラッキー程度に捉えて、日頃からの地震対策に努めることが重要です。
  • また日向灘周辺では、今週いっぱい程度、普段よりも大きな地震が生じやすい状態が続きますので、家具の固定の確認、寝るときにはライトや着替えを枕元に置いておく、避難が必要な地域にいる場合は避難場所やリュックの確認、などを行っておくようにしてください。

それでは皆さま、本日も引き続き、どうぞご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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