Voicyそなえるらじお #283 大きな地震が生じやすい時期にある日向灘の現状と今後
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、1月25日(火)、本日も備えて参りましょう!
日向灘
本日のテーマは「日向灘の固有地震」です。
- 昨日の放送では、先週末1月22日に発生した大分県沖・日向灘で発生したマグニチュード6.6の地震に関連し、南海トラフ地震臨時情報について解説をいたしました。
- 本日は、日向灘における地震活動そのものについて、少しお話をしたいと思います。
日向灘について
- 日向灘は、宮崎県の東の海域で、大地震的な言い方をすると、南海トラフの西の端となります。
- このエリアは、九州が乗っているユーラシアプレートの下に、フィリピン海プレートがズズズと潜り込み続けている場所で、定期的にこのプレートの境界で大きな地震が発生している地域となります。
- 具体的には、数百年間隔で、マグニチュード7.5前後の大地震が、数十年間家訓で、マグニチュード7前後の大きな地震が発生し続けています。
- 先日発生したマグニチュード6.6の地震も、同じような場所で発生した地震となりますが、想定されている大地震と比較すれば一回り小さな地震となりますので、今後も引き続きより大きな地震への警戒が必要となります。
日向灘の固有地震
- 気象庁の震度DBを使って、1919年以降に日向灘で発生した地震をリストにして並べますと、マグニチュード6から7程度の大きな地震が連続する時期と、こうした大きめの地震が起こらない時期が、数十年おきに繰り返されています。
- ここ100年では、まず1930年代後半から1940年代前半までの時期、1960年代前半から1970年代前半の時期、そして1980年代の中頃から1990年代の中頃が、それぞれ地震活動の活発だった時期で、
- いずれもマグニチュード7以上の大きな地震が発生している時期となります。
- そして2000年代以降は、大きめの地震が起こらない時期が続いていましたが、2014年に、18年ぶりとなるマグニチュード6以上の少し大きめの地震が発生し、2019年にもマグニチュード6.3の地震が、そして先日2022年1月22日にはマグニチュード6.6の地震が発生するなど、
- 過去の事例で言えば、いままさに、日向灘で大きめの地震が発生しやすい時期のど真ん中にあると言えます。
- 私は地震学者ではないため、あくまでも過去の地震発生リストを並べて眺めただけの感想にすぎませんが、過去のパターンで言えば、今後10年以内程度の期間に、マグニチュード7を超える大地震が発生してもおかしくなく、この場合は津波を伴う被害が生じる恐れもありますので、
- 日向灘周辺、宮崎・大分・愛媛・高知辺りでは、南海トラフ地震の発生とあわせて、日向灘での少し大きめの地震についても、警戒を続ける必要があります。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「日向灘の固有地震」のお話でございました。
- 今日のお話は、地震予知ではなく、過去の地震発生パターンを眺めての感想です。ただ、周期的に同じようなパターンで地震が生じ続けている地域ですので、恐らく確実性は高いと思われますし、
- 実際政府も、日向灘におけるマグニチュード7前後の地震発生の可能性は、今後30年以内に70~80%と高い数字を上げています。
- こうした話を聞いて怖がるというよりも、いつでもどこにでも最大規模の地震が発生する国が日本ということになりますので、建物の耐震化、家具の固定、荷物の落下防止、ガラスの飛散防止、火災の初期消火対策、津波の避難準備などを日頃から整え、そして冷静にその日を待つ、というスタイルを継続することをライフスタイルにする必要があります。
- ちなみに日向灘の地震は、震源地から陸地までの距離が離れている、緊急地震速報に最適な地形です。今回の地震もそうでしたが、強い揺れの数秒から十数秒前に警報をキャッチできる可能性の高い地域ですので、
- せめてそうしたメリットを最大限に受けられるように、緊急地震速報を受信するアプリなどは、ぜひスマホなどに入れておいて頂きたいと思います。
それでは皆さま、本日も引き続き、どうぞご安全に!