Voicyそなえるらじお #284 VRによる「死ぬ体験」を通じて防災意識を爆上げする
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、1月26日(水)、本日も備えて参りましょう!
防災にも訪れるVRの波
本日のテーマは「死ぬ体験」です。
- 防災対策において最も重要な準備とは何でしょうか。
- 避難生活を少しでも快適にするための準備を行う、非常時に少しでもよい生活をするための対策を行う、もちろんこれらの準備も重要ですが、まず行わなければならないのは、命を守る準備です。
- 命を守るためには、命を奪いに来る対象のことをよく知る必要がありますが、この時に有効な手段のひとつが、体験をすることです。
- 地震の揺れを体験する、大雨の振り方を体験する、火災の煙を体験する、実際に体を使って体験することで、災害の脅威を感じることができ、防災対策に生かすことができます。
立川防災館
- 災害の体験をする際には、防災施設・防災館を利用するのがお勧めです。
- 例えば、東京都立川市にある、東京消防庁が運営する「立川防災館」には、様々な災害体験施設があります。
- 体で学べる施設としては、地震の揺れを体験する地震体験室、火災の状況を体験する煙体験室などがありますが、他の施設にはあまりない珍しい設備として、VR・バーチャルリアリティを活用した防災体験コーナーがあります。
- このVRコーナーでは、遊園地の乗り物のようなイスに座り、VRゴーグルをかけて体験するのですが、イスが動き、風が吹き付けてくるなどの仕掛けがされており、かなりリアルな災害体験をすることができます。
VRで臨死体験
- VR防災体験、先日機会があり、私も実際に体験をしてきました。
- コースとしては、地震編・火災編・風水害編の3つがあり、それぞれ5分程度の時間で、災害を経験することができるのですが、特に素晴らしいなと思ったのが、死ぬ体験をすることができることです。
- 起震車で揺れを感じたり、スモークハウスで煙を体験することはできますが、基本的に生身の体での体験では、それほど危険なことはできません。
- 一方VRであれば、なんでもありとなりますので、立川防災館のVR防災体験では、最終的に死亡するシチュエーションを体験することができるのです。
- 例えば家屋倒壊に巻き込まれて死ぬときの風景であったり、火災に巻き込まれて一酸化炭素中毒で死ぬ状況であったり、洪水に巻きこまれて流されて溺れると言った体験であったり、生身の体ではできない恐怖体験を、VRを通じて行うことができますので、防災対策に関する本気度が上がります。
銀河英雄伝説より…
- 私の好きな小説に、銀河英雄伝説という作品があり、そのなかでこのようなやり取りがあります。
- 「人は誰しも自分の死に予感を覚えるものだって本当でしょうか。」
- この質問に対し、
- 「一度も死んだことのないやつがそれについて偉そうに語るのを信用するのかい」
- と答えるのですが、これは防災についても同じことが言えますね。
- 死なないための対策を講じるためには、一度死んでみるとその大切さがよく分かる、VR防災体験で死ぬ経験を積むことは、防災対策においても極めて有効です。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「死ぬ体験」のお話でございました。
- 東京都については、池袋防災館、墨田区にある本所防災館、そして立川にある立川防災館で、VR防災体験を行うことができますので、お近くに立ち寄った際にはぜひ体験頂きたいと思います。
- ただ、直近の新型コロナウイルス感染症、まん延防止等重点措置の影響で、これらの施設は現在閉館されております。お出かけの際には営業状況を確認してからご訪問ください。
それでは皆さま、本日も引き続き、どうぞご安全に!