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Voicyそなえるらじお #286 分かりづらい防災気象情報の見直が開始!当面はキキクルの活用を

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #286 分かりづらい防災気象情報の見直が開始!当面はキキクルの活用を

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、1月28日(金)、本日も備えて参りましょう!

たくさんあるよ防災気象警報

本日のテーマは「防災気象情報」です。

  • 先日、1月24日、気象庁で面白そう…というと怒られそうですが、興味深い会議が行われました。
  • 防災気象情報に関する検討会(第1回)」ということで、
  • 「防災気象情報を、住民の主体的な避難等に役立つ、わかりやすく受け手側の立場に立ったものに再構築するため、防災気象情報全体の体系整理や個々の防災気象情報の名称・基準等の抜本的な見直しを検討」する会議ということです。

色々ある防災気象情報

  • ところで、気象庁が発表する防災気象情報には、色々な種類のものがありますが、大きく分けると、「これから災害の恐れがありそう」な時に発表されるものと、「すでに災害級の何かが発生」している時に発表されるもの、危険予測と災害速報に分けられます。
  • 危険予測に類する物は、いわゆる注意報・警報・特別警報の全般です。今後災害の発生が想定されるような場合に、大雨警報であったり、暴風特別警報であったり、各種の情報が発表されます。また大雪への警戒を呼びかける際には、「顕著な大雪に関する気象情報」が発表されるなど、注意報・警報以外の情報も整備されています。
  • 一方、災害速報については、数年に一度しか発生しない短時間の大雨に観測した際に発表される、記録的短時間大雨情報や、昨年2021年に運用が始まった、線状降水帯の発生を知らせる「顕著な大雨に関する情報」などがあります。
  • さらに気象庁が国土交通省や都道府県と共同して発表する情報には、指定河川洪水予報というものもあり、こちらは川の水位が危険な状態まで上昇した場合に、氾濫発生情報や氾濫危険情報という形で発表されます。
  • そして、これらの防災気象情報を元に、市町村が危険度を判断し、最終的には「高齢者等避難」「避難指示」「緊急安全確保」といった避難情報が発表されることになります。

警戒レベルを活用する

  • 正直、どの情報が発表された際に、どのような行動を取ればよいのか、数が多すぎてよく分かりませんね。
  • そのため、これらの情報は、内閣府が定めている1~5までの警戒レベルと一緒に発表されるようになっています。
  • 例えば大雨警報やはん濫警戒情報などは、徒歩避難が難しい方々への避難開始を呼びかける、「高齢者等避難」とあわせて、警戒レベル3に括られています。
  • 土砂災害警戒情報や高潮警報などは、危険な場所にいる人全員に避難開始を呼びかける、「避難指示」とあわせて、警戒レベル4に括られています。
  • そして大雨特別警報や、氾濫発生情報は、その場での命の安全確保を呼びかける、「緊急安全確保」とあわせて、警戒レベル5に括られています。
  • そのため、基本的には、防災気象警報ひとつひとつを吟味するのではなく、警戒レベルと、市町村から発表される避難情報を参考に、行動開始の判断をするのが精一杯でしょう。

現状はどうすべきか

  • こうした状況を受けて、気象庁としても、各種の情報を分かりやすく配信するようにしないと、ダメだよね、ということで、抜本的な見直しに着手して行くということです。
  • 昨年2021年には、災害対策基本法が改正され、避難勧告が廃止されるなど、災害時のコミュニケーションのあり方については、神聖不可侵なる聖域ではなく、時代と共に見直しが必要な対象として、国も見ています。
  • ぜひ気象庁の検討会では、一般人が自主的に判断するための情報として、分かりやすい防災気象情報の整理がされることを期待いたします。
  • ただ、これもすぐにという訳にはいかないと思いますので、しばらくは現状の体制が続くことになります。
  • 私個人としては、自治体から発表される、高齢者等避難・避難指示・緊急安全確保の3つを基本として、気象庁のWEBサービス、危険度分布・キキクルを使って、リアルタイムかつ自分がいる場所の危険度をチェック、自治体から避難指示などが出た状態で、キキクルでも現在地の危険度が高まっている場合は、避難行動を取る、というのが良いかなと思っています。
  • そしてキキクルのような、地図上にリアルタイムの危険度を表示する対象を、既存の洪水・浸水・土砂災害だけではなく、大雪・落雷・高潮・津波・噴火・原発事故による放射能漏れなど、色々な災害に適応して欲しいなと思っています。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「防災気象情報」のお話でございました。

  • 避難のタイミングをはかるために重要な防災気象情報ですが、大前提としては、そもそも水害などが発生した際に、逃げなくて良い、沈んだり崩れたりしない場所に住むことがなによりも重要だ、ということは重視してください。
  • 市内全域に避難指示が出ても、危険のない場所にすんでいれば、自宅に留まればよいわけで、それが何よりも有効な避難と言うことになります。

それでは皆さま、本日も引き続き、どうぞご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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