おはようございます！備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、1月31日（月）、本日も備えて参りましょう！

地震国なかま

本日のテーマは「エクアドルの地震」です。

• 116年前の本日、1906年1月31日の朝、午前10時頃、南米エクアドルとコロンビア国境の沖合でマグニチュード8.6から8.8程度と想定される巨大地震が発生致しました。エクアドル・コロンビア地震です。
• この地震では、大きな津波が発生し、エクアドル・コロンビア両国で2,000の死者を生じさせるなど、大きな被害をもたらしています。
• またこの時に発生した津波は、ハワイでも2メートルほどの高さを観測、日本でも50センチ程の津波を観測するなど、太平洋全域に影響をもたらしています。

エクアドル

• エクアドルは、南米大陸の太平洋側にある、赤道直下の国です。
• 北側にはコロンビアがあり、東と南にはペルーがあります。
• また、エクアドルの西1,000キロほど離れた太平洋上には、エクアドル領土のガラパゴス諸島が広がっています。
• エクアドルは、日本と同じく地震国であり、火山も多い国です。
• 理由としては、日本と同じく、海岸沿いにプレートが沈み込む場所があり、これが定期的に巨大地震を発生させたり、火山にマグマを供給したりしているためです。ちょうど日本と東西を反転させたような位置づけとなります。
• エクアドルで最も高い山は、チンボラソ火山ですが、実はこの火山、地球の中心から見た際の高さが世界一で、エベレストよりも高い山となります。
• チンボラソ火山の標高は6,268mですが、実は地球はまん丸の球体ではなく、赤道方向にすこしつぶれたおデブちゃんな形をしておりまして、南北方向よりも東西方向の方が直径が長くなっています。
• そのため、標高の世界意図はエベレストですが、高緯度にあるエベレストよりも、赤道直下にあるエクアドルのチンボラソ火山の方が、地球の中心からの距離という意味では離れており、世界一の高さとなります。
• チンボラソ火山は、日本の富士山と同じ成層火山、同じ場所で長年噴火が繰り返されて、少しずつ高くなっている山ですが、こうした巨大な成層火山ができるためには、地下からマグマが豊富に供給される必要があり、
• そのためには近くにプレートが沈み込む海溝が必要で、しかし海溝が存在すると大きな地震が定期的に生じる、まさに日本と同じ地震国・火山国が南米エクアドルになります。

エクアドルと熊本

• ところでエクアドルの地震といえば、熊本地震との関連が一瞬話題となったことがあります。
• 2016年4月16日、マグニチュード7の大地震、熊本地震が発生しました。この地震は多くの方がご存じのものですが、実は同じ4月16日、エクアドルでもマグニチュード7.8の大地震が発生していました。エクアドルの地震は、日本時間に直すと4月17日の朝となりますので、およそ熊本地震の30時間後に発生したことになります。
• ほぼ同じタイミングでの大地震、かつ太平洋を挟んだ反対側の地域、さらにいずれも、リング・オブ・ファイア（環太平洋火山帯）に属する地域での地震ということで、なにか関連があるのかと、ゴシップ寄りのメディアなどで注目されましたが、
• 関連性はあるのかもしれませんし、無いのかもしれません、よく分かっていません。
• ただ、熊本地震は南海トラフ地震や3.11東北地方太平洋沖地震などのような、海溝型の地震ではなく、いわゆる直下型の地震であるのに対し、エクアドルの地震は海溝型の地震であり、メカニズムが違います。
• さらに、日本とエクアドルはおなじリング・オブ・ファイア（環太平洋火山帯）に属してはいますが、熊本はフィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界にあり、エクアドルはナスカプレートと南アメリカプレートの境界にあるなど、そもそも同じプレート上に存在していません。
• ということで、恐らくは全くの無関係であり、偶然だろうと想定されていることになります。
• ただし、日本とエクアドル、津波に関しては双方で注意が必要です。
• 太平洋の裏側からやってくる津波と言えば、南米チリで生じる地震による物が目立ちますが、エクアドル辺りでも同じ理屈で大地震と大津波が発生します。
• 1906年のエクアドル・コロンビア地震で発生した津波は日本に到達していますし、逆に2011年の3.11東日本大震災の際に発生した津波は、エクアドルに被害をもたらしています。
• そのため、エクアドル辺りで大地震のニュースを見聞きした際には、ぜひ津波の発生についても注目するようにしてください。

本日も、ご安全に！

ということで、本日は「エクアドルの地震」のお話でございました。

• ところで、先週末の1月28日、当チャンネル、voicy「死なない防災！そなえるらじお」のフォロワー様の数が、1,000名を突破致しました！
• いつも、放送をお聞きくださり、またイイネボタンやコメントをくださる皆様に、お礼を申し上げます。

それでは皆さま、本日も引き続き、どうぞご安全に！