Voicyそなえるらじお #272 雪という自然現象が災害になるかは、慣れと準備しだい
最終更新日:
執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、1月7日(金)、本日も備えて参りましょう!
物がなくなる災害の一つが大雪
本日のテーマは「雪と災害」です。
- 昨日1月6日から首都圏に降り続いた雪の影響で、東京などの都心部でも4年ぶりに10センチを超える積雪となりました。
- 雪そのものは夜中のうちにやんでいますが、これまでに積もった雪が融けて、足下を悪くしている恐れがありますので、通勤や通学時には足下に注意してください。
- 外出時には両手が空くように手持ちカバンではなくリュックやショルダーバッグ、
- 転倒時に頭を守れるように帽子をかぶり、手にはできれば防水の手袋を着用、靴は溝の深い滑りづらいものを選択、そしてなにより、ゆっくり移動できるように時間に余裕を持って家を出る、などの対応が必要になります。
雪が降りません
- 本日のお話、雪国で聞いていただいている皆様には、当たり前すぎて何を言っているのだと、そんな感じかもしれませんが…
- この放送をしております静岡県三島市は冬でも比較的温暖で、雪が積もることがほとんどありません。昨日も日中は雪がたくさん降りましたが、地面に積もることはなく全て消えてしまいました。
- そのため、雪に対する備えというものが、ほとんどありません。雪ぐつを持っている方はほとんどいないと思われますし、自動車用のチェーンの準備がない世帯も多いはずです。そのため、1センチでも積雪があると、ほとんど身動きが取れなくなり、自宅に閉じ込められることになります。
- という状況もあり、本日の放送はほとんど、私が、私のためにしている内容であったりするのです。雪が積もるなど数年に一度あるかどうか…という地域ですので、子ども達は喜んでいましたが、自転車通勤の私は頭が痛い朝を迎えております。
防災備蓄は重要
- ところで、普段雪が降らない地域で積雪が起こると、雪がなくなるまで交通網、とりわけ道路がマヒ状態となります。
- こうした地域では自動車にチェーンを積んでいませんので、特に降り始めに身動きが取れなくなり、道路をふさいでしまったり、悪くすると交通事故が同時多発的に生じるためです。
- この場合、自分が買い物などに行けなくなる、という問題とあわせて、買い物に行ってもお店に商品が入らなくなる、という問題に発展することもあります。
- 1日程度で雪がなくなれば、そこまで大きな問題にはなりませんが、希に降る大雪で数日から1週間程度積雪が続くと、「物が入手できなくなる」災害という状況にもなり得ます。
- 想定外の大雪、火山の噴火による降灰などは、外出できなくなる災害の原因になりますし、
- また本日1月7日は、1年前の2021年に二回目の緊急事態宣言が発出された日であり、さらに今、再びまん延防止等重点措置が発令されようとしていますが、感染症パンデミックも突発的に物がなくなる災害の要因になります。
- こうした状況に備える為にも、地震対策や水害対策だけでなく、突発的に物が入手できなくなる状況に備えて、日頃からの日常備蓄などをぜひ充実させていただきたいなと思います。
慣れていないと災害になる
- ところでこの、雪国では見慣れた光景だが、東京で雪が降るとパニック状態となるという状況は、大地震を取り巻く諸外国の状況にも似ています。
- 日本はいつでもどこにでも大地震が生じる国ですので、建物の耐震化を始めとする地震対策がかなり進んだ国です。
- 一方、大地震がめったに発生しない国で、そこそこ大きめの地震が発生すると、日本ではニュースにもならない規模の地震であったとしても、甚大な被害が発生することがしばしばあります。
- 地震、噴火、台風、大雪といった自然現象は、あくまでも自然現象であり、これが災害になるかどうかは、そこに住む人、立っている建物などの状況で変わります。
- 自然現象を災害にするかどうかは、自分の心がけひとつ、事前の対策ひとつで、決まるところもありますので、どうせ自分には関係無いと思わず、ぜひ防災の話に多くの方が耳を傾けていただけるとよいなと思います。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「雪と災害」のお話でございました。
- ところで私、最近よく雪の降る寒い場所での実験ロケを多く行ったり、また来週には新潟の糸魚川への出張の機会もあることから、先日雪ぐつなるものを注文して買ってみました。
- なにしろ雪が降らない地域ですので、靴屋に行っても雪ぐつが売っていません。そのため楽天で購入した訳なのですが、こうした靴を履くのは初めてですので、さていったいどんなものが届くのか、楽しみです。
それでは皆さま、本日も引き続き、どうぞご安全に!