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Voicyそなえるらじお #466 史上最大規模の直下型地震「濃尾地震」の特徴と被害の状況

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #466 史上最大規模の直下型地震「濃尾地震」の特徴と被害の状況

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災!そなえるらじお」、10月28日(金)、本日も備えて参りましょう!

緊急地震速報だって間に合わない

本日のテーマは「濃尾地震」のお話です。

  • 本日10月28日は、日本史上最大規模の内陸で生じた直下型地震、濃尾地震が発生した日です。
  • 131年前の本日、1891年(明治24年)10月28日の早朝6時38分、岐阜県の南西、現在の本巣市(もとすし)付近を震源とする、推定マグニチュード8という空前の巨大地震が発生いたしました。
  • 現在の震度に直せば、広い範囲で震度7に相当する強い揺れが発生し、死者7,273人、建物の全壊および火災による焼失142,000棟という大きな被害が発生しました。

濃尾地震について

  • 濃尾地震の最大の特徴は、そのエネルギーの大きさです。マグニチュード8という大きさの地震は、海で発生する海溝型の地震であればめずらしいものではありませんが、内陸で発生する直下型の地震としては極めて稀で、日本だけでなく世界レベルで見ても最大規模の直下型地震であると言えます。
  • 近い将来の発生が想定される南海トラフ地震や、来年で100周年となる関東大震災を引き起こした相模トラフの地震などが、ちょうどマグニチュード8前後と想定されていますが、こうした海溝型の巨大地震は大きな津波を引き起こすなど、甚大な影響をもたらします。
  • これらと同じ大きさの地震が、陸地から離れた海ではなく都市の真下で発生したらどのような被害が生じるのか、想像するだけで恐ろしいですが、濃尾地震の場合は震源に近い都市、人口の集中していた当時の岐阜市や大垣では大きな被害が発生しました。
  • 岐阜市では市内の建物の62パーセントが全半壊し、さらに3割以上が火災で焼失するなど、文字通り何も残らない、空襲を受けたような惨状だったということです。
  • 濃尾地震の3年前、明治21年に東海道線が開通して岐阜駅が設置されました。地震の2年前明治22年に、岐阜は市になりましたが、この時の人口は25,000人ほど。現在は約40万人ですので当時の人口は16分の1。
  • この時代に死者7,273人ということですから、現在同じような規模の地震が発生した場合は、単純に16倍して10万人を超える犠牲者が出てもおかしくないわけです。
  • 実際、ほぼ同じマグニチュードであった関東大震災の死者が10万を超えていますので、マグにチュード8クラスの巨大地震が都市部を直撃した場合、10万を超えるような死者が発生してもおかしくない、そうした地震が濃尾地震だった訳です。

できることは事前対策のみ

  • 地震予知はできませんが、発生した地震を素早く知る方法として緊急地震速報があります。緊急地震速報が間に合うかどうかは、地震の大きさはあまり関係無く、現在地と震源の距離が重要になります。
  • 海溝型地震の場合は、震源地が陸地から離れた海であるため、緊急地震速報が間に合う可能性が高いのですが、濃尾地震のような直下型の地震は、揺れと同時に緊急地震速報の怖い音が鳴り響く可能性が高くなります。
  • マグニチュード8という巨大地震が、前触れもなく突然やってくる。地震が発生してからできることはほとんどありません。事前対策の有無がそのまま生死に直結する、しかし頑丈な建物に住み、家具の固定をしっかり行っておけば、命を守ることはできる、事前対策が重要なのです。 

本日も、ご安全に!

ということで、本日は濃尾地震」のお話でした。

それでは皆さま、本日も引き続き、どうぞご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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