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Voicyそなえるらじお #448 史上2番目の大きさでも人的被害ゼロだった「北海道東方沖地震」

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #448 史上2番目の大きさでも人的被害ゼロだった「北海道東方沖地震」

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、10月4日(火)、本日も備えて参りましょう!

日本への被害でありながら、日本ではないというこの現実

本日のテーマは「北海道東方沖地震」のお話です。

  • 本日10月4日は、北海道東方沖地震が発生した日です。
  • 1994年(平成6年)10月4日の深夜22時22分、北海道・根室の沖合約200キロの海域、より近い陸地で言えば北方領土・色丹島の近海で、マグニチュード8.2・最大震度6を観測する巨大地震が発生しました。
  • この地震では根室市の花咲港で最大173センチの津波を観測した他、釧路市で住宅の全壊61棟・半壊348棟、負傷者437名の被害が発生しましたが、日本に在住する日本人に対する死者はゼロ名でした。
  • 日本に在住する日本人に対する死者ゼロ名、ことさらな言い方をしているのには理由がありまして、この地震全体では死者・行方不明者あわせて11名の被害が生じているのですが、このなくなられた方々は全員、日本の領土である択捉島に在住していたロシア人だったため、少し面倒な表現をしたと言うことです。

千島海溝・日本海溝沖の巨大地震

  • ところで、大地震ネタに詳しい方ですと、この北海道東方沖地震は、先日内閣府から発表された、最大死者19万9千人・凍死者4万2千人が想定されている、千島海溝・日本海溝沖の巨大地震と関係あるのか、あるいはこの巨大地震が北海道東方沖地震なのか、と疑問に思われるかもしれません。
  • 結論から言えばこれは別の地震です…

この地震、かなり巨大な地震でした

  • ナンバーワンはよく知られるが、第二位・第三位は知られない物が多いとはよく聞く話です。
  • 例えば山の高さ、日本で一番高い山は標高3776メートルの富士山ですが、二番目と三番目はどうでしょうか。二番目は標高3193メートルの南アルプス・北岳、そして三番目は標高3190メートルの、北アルプス奥穂高岳(おくほたかだけ)と南アルプス間ノ岳(あいのだけ)です。これは防災のテストには出ませんので覚える必要はありません。
  • 一方で防災のお話、死者・行方不明者が多かった震災はどうでしょうか。明治以降の地震に絞りますと、最悪だったものは来年2023年で100年目を迎える、死者10万5千名を出した1923年の関東大震災。2番目は死者18,423名を出した、2011年の東日本大震災。そして3番目は死者7,273名を出した1891年の濃尾地震です。
  • では、地震の大きさに関して、これが本題です。
  • 気象庁震度DBに登録されている、1919年以降に生じたマグニチュード7以上の大地震はこれまでに198回ですが、このうち最大だったものは、2011年の東日本大震災を引き越した、東北地方太平洋沖地震によるM9の超巨大地震です。
  • では2番目はどの地震なのかなのですが、海で発生する大地震は、どこまでを日本近海とするかが難しい所があります。そこで、被害が生じていない地震は単なる自然現象であると考えて、国内で最大震度6以上を観測した地震に限ると条件をつけると、これが1994年の「北海道東方沖地震」なのです。
  • 最大震度6、マグニチュード8.2の巨大地震、北海道東方沖地震が国内で発生した「強い揺れを伴う、2番目に大きな地震」という言い方になります。
  • そして、この定義で3番目の地震は、2003年に北海道十勝沖で発生した、マグニチュード8・最大震度6弱を観測した十勝沖地震となります。
  • もう少し震度が小さな地震を含めると、オホーツク海や小笠原諸島の地震も入ってくるのですが、大きな揺れをもたらした地震という表現にすると、少し考え方が変わってくるのです。
  • ちなみにこの定義で4番目は、1944年の昭和東南海地震、5番目は1923年の関東大震災となります。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「北海道東方沖地震」のお話でございました。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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