Voicyそなえるらじお #477 防災用ヘルメットは必要か?大地震・風水害…の状況を考える
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執筆者:高荷智也

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災!そなえるらじお」、11月16日(水)、本日も備えて参りましょう!
過去に戻れるならかぶりたい
本日のテーマは「防災用ヘルメット」のお話です。
- 防災対策における象徴的なアイテム「防災用ヘルメット」ですが、ヘルメットは重要、いやヘルメットはいらない、両方の意見が存在します。ということで本日はこのお話。
大地震においてヘルメットは必要か
- 地震対策としてヘルメットが最も必要になるのは、まさに揺れている最中です。頭上からの落下物や転倒物から頭を守るためには、ヘルメットが大変役立ちます。しかし、大地震は必ず不意打ちで発生しますので、揺れてからヘルメットをかぶるのは間に合いません。
- ヘルメットをかぶることができる程度の揺れであれば、そもそもヘルメットは不要である可能性が高いですし、ヘルメットがなければ生死を分けるような揺れに見舞われた場合は、揺れに翻弄してヘルメットをかぶることなどできません。
- 強いて言えば、緊急地震速報が鳴ったらヘルメットを即かぶる…という訓練を日頃から繰り返すことですが、常にヘルメットを持ち歩くわけにもいきませんので、結局は机上の空論です。
- では地震対策にヘルメットは不要かと言えば、そういうことではありません。
- 大地震の予知はできませんが、大地震が生じやすい時期を特定することはできます。それは、大地震が発生した直後です。つまり余震対策としては、ヘルメットが有効になります。
- 室内にいるとき、屋外を避難する時、大地震発生から数日間程度、ヘルメットをかぶる生活をするのは有効です。もちろん安全な室内におり、頭上から落下物や転倒物がなければ、ヘルメットは不要ですので、そうした環境を整備することがまずは必要ですが。
- また地震後に足下にモノが散乱しており不安定になっていると、転倒して転んで頭を打って死ぬ可能性もあります。こうした対策としてもヘルメットは有効と言えますね。
- なお、噴火対策においてはヘルメットは必須です。火山の近距離影響では、軽石などの影響が生じる可能性が高いためです。登山をする場合も落石などの恐れがあるためヘルメットは重要ですね。
風水害対策でヘルメットは必要か
- では、風水害対策としてヘルメットは必要でしょうか。風水害においてヘルメットが命を守るシチュエーションとしては、強風・暴風による飛来物や落下物から頭を守ったり、風に煽られて転んだ際に頭をぶつけないようにすることが目的になります。
- そのため、自宅や建物の中で在宅避難をする際にはヘルメットは不要で、基本的には屋外の避難場所へ移動する際にかぶることになります。
- もちろん本質的には、ヘルメットをかぶらないと死ぬような飛来物などが飛び交う屋外を、そもそも徒歩で移動するのはやめようと言うことが重要ですので、自宅に留まる対策、あるいは雨風が強くなる前に避難を完了させるなどの立ち回りが重要となります。
- 暴風の中を徒歩避難する場合には、ぜひヘルメットをかぶっていただきたいと思います。なお、水害時に水の中に入ることは自殺行為ですが、どうしても流れのある水に入らなければならないシチュエーションになる場合、通常のヘルメットは外してください。
- 流れている水の中で、普通のヘルメットをかぶると、水の流れでヘルメットが持っていかれて首がしまり死ぬ可能性があるからです。水遊びレジャー用のヘルメットには穴が開いていますが、これは水を通す穴です。こうしたヘルメットをかぶってください。そうしたシチュエーションもまずないとは思いますが。
ヘルメットか防災頭巾か
- なお、防災頭巾ではダメなのかと思われるかもしれませんが、どちらかを選べるならばヘルメットがおすすめです。まずヘルメットの方が頑丈で、頭を守る能力が高いです。雨に降られた場合も、ヘルメットであれば問題はありません。
- 小中学校では子ども用にヘルメットではなく防災頭巾が用意される場合もありますが、これは防災頭巾であれば普段はいすの座布団や背中あてにしておけるため、場所を取らないためです。場所問題が解決できるならば、子ども用でも防災頭巾よりヘルメットがよいです。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「防災用ヘルメット」のお話でした。
それでは皆さま、本日も引き続き、どうぞご安全に!