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Voicyそなえるらじお #484 犠牲者は常に幼い子ども…飲んだら乗るな!乗るなら飲むな!

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #484 犠牲者は常に幼い子ども…飲んだら乗るな!乗るなら飲むな!

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災!そなえるらじお」、11月28日(月)、本日も備えて参りましょう!

飲んだら乗るな!乗るなら飲むな!

本日のテーマは「飲酒運転」のお話です。

  • 今週は11月の最終週および12月のスタートとなりますが、忘年会などのシーズンが始まる時期でもあります。かくいう私も今週末は取引先の忘年会に招待いただいておりますが、2019年の年末以来、3年ぶりに忘年会・新年会を実施するという会社さまも多いのでは無いでしょうか。
  • 忘年会シーズンと言えば、飲酒運転に対する注意喚起です。と言うわけで本日はこのお話なのですが…
  • 本日11月28日は、通称「東名高速飲酒運転事故」が発生した日です。

東名高速飲酒運転事故

  • 23年前の本日、1999年(平成11年)11月28日、お昼過ぎの午後15時半頃、東京都世田谷区にある東名高速道路の東京インターチェンジ付近で、親子連れ四人が乗車する普通乗用車に、12トンの大型トラックが追突するという事故…が発生しました。
  • トラックに追突された乗用車は大破して炎上、運転席にいた31歳のお母さんは自力で脱出、助手席にいた49歳のお父さんは窓から救出されるもの、全身の25%を火傷する大火傷を負い生死の狭間をさまよいました。
  • 一方で悲惨なことに、後部座席に乗っていた当時3歳の長女、1歳の次女、幼い姉妹は、追突の衝撃では無事でしたが、炎上する車から脱出することができず、そのまま焼死してしまいました。
  • 車から脱出したお母さん、救助されたお父さんは、それぞれ車から離れる直前に、娘達の泣き叫ぶ声、「あちゅい」と助けを求める声を聞いているという、想像するだけで言葉を失うような、最悪な事態となってしまったのです。

最悪の飲酒運転

  • 一方、乗用車に突っ込んだトラックの運転手は無傷でした。
  • これは、不幸な事故ではなく、飲酒運転による殺人でした。
  • トラックの運転手は飲酒運転の常習者であり、事故を起こした当日も直前までトラックの車内・車外で飲酒を行い、事故直後もふらついてまっすぐ立つことができないほどに酔っ払っていたということです。
  • 実際、事故の直前にも高速道路をふらついて運転しており、危険運転をしている車両がいると、多くの通報がなされています。この殺人は運が悪く生じたものではなく、いつか必ず発生する、極めて悪意の高い事件であったと言えます。
  • しかし、この殺人事件が発生した当時の法律では、飲酒運転による死亡事故に対する最も重い刑事罰は、懲役五年と、状況を鑑みると極めて軽いとしかいえない状態で、刑事訴訟書しては最終的に懲役4年が確定となったのです。
  • こうした状況もあり、飲酒運転や悪質運転による罰が軽すぎると社会的な運動につながり、2001年には危険運転致死傷罪が新設され、令和4年現在では、飲酒運転による死亡事故に対しては、20年以下の懲役という罰則に改められています。

語り継がれる事故

  • 最悪の殺人事件となった、東名高速飲酒運転事故は、この事故の悲惨さを風化させず教訓とすべく、免許証更新を行う際に読む教本、「わかる 身につく 交通教本」の最新版にも記載されています。
  • 私自身、先月に運転免許証の更新を行ったのですが、その際に読んだ教本に、「平成11年11月、東名高速東京インター付近で、飲酒運転トラックが普通乗用車に衝突、炎上させ、幼い姉妹が犠牲となりました。」という記述が、飲酒運転の根絶を訴えるページに掲載されています。
  • そしてもうひとつ、悲惨な飲酒運転事故の事例として、教本の同じページに乗っているのが、「福岡海の中道大橋(うみのなかみちおおはし)飲酒運転事故」に関する記述です。

福岡海の中道大橋飲酒運転事故

  • こちらの事故は、2006年(平成18年)8月25日に、福岡市にかかる「海の中道大橋」で、親子を乗せた乗用車が、飲酒運転をしていた22歳の男性の車に追突され、博多湾に車ごと転落した殺人事件です。
  • この事故もやはり犠牲になったのは幼い子どもで、飲酒運転の車に突っ込まれて橋から海に乗用車が転落したのですが、車に乗車していたお父さん、お母さんはなんとか自力で沈む車から脱出できたものの、当時4歳の長男、3歳の次男、そして1歳の長女は、そのまま沈む車の中で溺死をするという最悪の状況になってしまったのです。
  • さらに、飲酒運転による殺人を犯した男は、救護や通報をすることなく現場から逃走し、事故を隠蔽するために身代わりを頼んだり、飲酒をごまかすために大量の水を飲むなど、殺人を犯した自覚がゼロというひどい状態でした。
  • 刑事訴訟としては、前に述べました、東名高速飲酒運転事故を契機に新設された、危険運転致死傷罪による最高の罰則となる、懲役に20年の判決となりました。

自動車は凶器である

  • 自動車は気軽に扱うことができる凶器です。重さ1トンを超える鉄の塊を時速100キロでぶつけることができる、ガソリンの詰まった爆弾である、ということを常に認識する必要があります。
  • その中でも飲酒運転による事故は最悪です。不幸な事故ではなく、故意の殺人です。酒は飲んでも飲まれるな…ではありません、飲まれるかどうかに関わりなく、飲んだら乗るな、乗るなら飲むな。これが全てです。
  • 年末年始の飲酒シーズン、自分が飲酒運転をしない、周囲の人に飲酒運転をさせない、ぜひご注意ください。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は飲酒運転」のお話でした。

それでは皆さま、本日も引き続き、どうぞご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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