備える.jp
サイトメニュー仕事依頼・お問合せ

Voicyそなえるらじお #470 大規模な「太陽フレア」対策…2つの方向性とは

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #470 大規模な「太陽フレア」対策…2つの方向性とは

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災!そなえるらじお」、11月4日(金)、本日も備えて参りましょう!

電子機器とあわせて紙と食料を

本日のテーマは「太陽フレア対策」のお話です。

  • 19年前の本日、2003年11月4日に、1976年に観測が開始されて以来、最大規模の「太陽フレア」が発生し、人工衛星などに影響が出るという事態が生じました。
  • 太陽フレアというのは、太陽の表面で発生する爆発現象のことで、太陽系で生じる最大規模の自然現象のひとつでもあります。規模が小さなものは毎日、大規模なものは十数年程度の間隔で発生しています。
  • ちなみに「太陽フレア」と言う名前がつけられていますが、恒星であればどの星でも発生する現象で、太陽以外の天体でも太陽フレアが観測されています。
  • この太陽フレアですが、特に大規模なものが発生すると、太陽嵐と呼ばれる宇宙を舞台にしたダイナミックな自然現象に発展し、地球にも大きな影響をもたらすことがあります。
  • 太陽嵐が発生すると、電磁波・高エネルギー粒子・プラズマなどの物質が大量にばらまかれます。これが地球を直撃すると、人工衛星が故障したり、大規模なオーロラ現象が発生したり、また最悪の場合は地上の送電網や電子機器を破壊する恐れがあります。

過去に発生した太陽嵐による災害

  • 大規模な太陽フレアによる太陽嵐は、過去に実際に災害をもたらしたことがあします。例えば1859年(安政5年)の夏に発生した太陽嵐では、日本だけでなく、中国、ハワイ、キューバなどの国々でもオーロラが観測されています。
  • 1859年当時はまだ送電網がそれほど発達していない時代でしたが、欧米に普及しつつあった電報用の電線網が火災を起こすなどの影響が生じています。日本は江戸時代で、まだ電気機器や送電網は普及していませんでしたので、影響はほとんどなかったと想定されます。
  • また、1989年(平成元年)に発生した大規模な太陽嵐では、太陽フレアの影響を受けやすい高緯度にある、カナダのケベック州で大規模な停電が発生したり、旧ソ連やヨーロッパのラジオ放送などが停止するなどの影響も生じました。
  • さらに、地球上で過去に何度か生じている、大量絶滅の原因のひとつが、この太陽嵐であるという説もあるなど、大規模な太陽フレアが生じた場合には、大きな影響をもたらす可能性があるということになります。

太陽フレア対策

  • では、大規模な太陽フレアによる太陽嵐に対して、どのような対策を講じるべきでしょうか。方向性は二つあり、ひとつは強烈な電磁波から電子機器を守ること、もうひとつはインフラの破壊に備えて食料備蓄などを行うことです。
  • 太陽嵐、あるいは核兵器の爆発によって生じる電磁パルスでは、強い電磁波の影響で様々な電気機器が破壊される可能性があります。こうした自体を回避するためには、電子機器をファラデーゲージと呼ばれる、電波を遮断できる箱に入れて保護する必要があります。
  • ファラデーゲージとは金属でできたカゴや箱のことです。身近なもので言えば、クッキーやおせんべいの金属缶、電子レンジや冷蔵庫、蓋がついている金属製のゴミ箱などが該当します。こうしたモノを地面にアースしておくことで、中に収納した電子機器を、太陽嵐や核攻撃による電磁波から保護することができます。
  • ただ、それぞれの箱や家電が、実際どの程度電波を遮断できるかはなんとも言えないところがありますので、単純に電子レンジにスマホを入れておけば、電磁波から守れるのかといえばそういうことではありません。
  • この辺りについては改めて検証して、お話したいなと思います。

食料備蓄

  • 太陽嵐に対するもうひとつの対策は、インフラの停止に伴う食料危機への備え、すなわち平時からの食料備蓄です。
  • これは、書籍「今日から始める本気の食料備蓄」でも取り上げている内容なのですが、太陽嵐の影響で大規模な停電や電子機器の破壊が生じると、食料の輸入や生産・流通に影響が生じ、短期的または大規模な食料危機が生じる恐れもあります。
  • こうした状況に対しては、日頃からの備蓄が重要になるのです。
  • 電気を使わない道具、例えばカセットコンロ、薪と七輪、情報源としては紙の本なども必要と言えます。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は太陽フレア対策」のお話でした。

それでは皆さま、本日も引き続き、どうぞご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

新着のブログ記事

ブログカテゴリ

ブログアーカイブ

備える.jp 新着記事