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Voicyそなえるらじお #488 日本史を変えた激動の「慶長」時代は自然災害も激動だった

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #488 日本史を変えた激動の「慶長」時代は自然災害も激動だった

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、12月2日(金)、本日も備えて参りましょう!

時代の変わり目は大規模な自然災害と共に

  • 本日のテーマは「慶長の大地震」に関するお話です。

慶長三陸地震

  • 今から411年前の本日、1611年12月2日(慶長16年10月28日)、現在の三陸沿岸を中心に大きな津波被害をもたらした巨大地震が発生しました。慶長三陸地震の発生です。
  • ただこの地震、この日に地震が生じて巨大な津波に襲われたことは分かっているのですが、地震の具体的な震源地や規模などについては諸説あり、はっきりしていません。
  • ところで慶長時代には、他にも大きな地震が多数発生しています。例えば慶長三陸地震の6年前、1605年2月3日(慶長9年12月16日)には、南海トラフ地震と見られる津波を伴う大きな地震が発生したことが記録に残されています。
  • しかし、こちらも慶長三陸地震同様に、大きな津波を伴う地震が生じたことは分かっているのですが、その震源や規模については諸説あります。南海トラフの連動型の巨大地震だったと言う説、あるいは伊豆諸島や小笠原諸島近海での地震だったという説。さらに日本ではなく海外の大地震による津波被害だったという説もあります。
  • 巨大な津波を伴う地震は、必ずしも陸地の近くで生じるとは限らない。なんなら地震ではなく巨大噴火や隕石の衝突による遠隔津波もあり得ますので、津波の原因を探るのはなかなか難しい様です。
  • 現代であれば、津波警報が出ますので、地震の揺れを感じていなくても速やかに避難することが重要と言えますね。

江戸幕府と慶長年間

  • ところで「慶長」時代といえば、日本においても最大規模の政治的変革があった時代のひとつです。具体的には1596年から1615年までの20年間が慶長時代ですが、ちょうど安土桃山時代と江戸時代にまたがるのがこの時期です。
  • 特に、慶長5年の関ヶ原の戦い、慶長8年の徳川家康による江戸幕府の開始、慶長19年から20年にかけて豊臣家が滅亡した大坂冬の陣・夏の陣など、日本史が大きく動いたのが慶長の20年間です。
  • また、政治的な変革と同時にこの16世紀末から17世紀初頭は、自然災害の相次ぐ時期でもありました。

慶長年間の自然災害

  • まず1596年(慶長元年)に、現在の愛媛県…伊予国で生じた慶長伊予地震、現在の大分県…豊後国で生じた慶長豊後自身、そして現在の京都周辺…伏見で生じた慶長伏見地震と、3つの大きな地震が生じて大きな被害をもたらしています。
  • この年には浅間山も噴火を生じさせ、噴石による大きな被害が生じているということです。
  • 慶長のひとつ前の年号は「文禄」ですが、文禄時代の末に生じたこの3つの地震が、慶長に改元するきっかけとなっています。
  • さらに1605年の南海トラフ地震とみられる慶長地震、1611年に現在の福島県…会津地方で生じた会津地震と、慶長三陸地震、さらに同年には八丈島でも噴火による被害が生じています。
  • 1614年にも現在の新潟から京都あたりが震源と想定される大地震の記録が残っています。
  • ということで、この激動の慶長時代には、政治的な変革と大規模な自然災害が相次いだわけですが、それで日本が滅亡するとか大きな被害で再起不能になるということは全く無く、ご存じの通り日本史に残る大繁栄時代、江戸時代につながっていく訳でございます。
  • 自然災害は恐ろしい脅威ですが、私たち日本人はこうした困難を常に乗り越えてきたという歴史を持っています。災害で即死しなければなんとかなる。ぜひ「沈んだり崩れたりしない場所にある、大地震で倒壊しない家」に済んで、災害直後を生き伸びる準備をなさってください。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「慶長の大地震」でございました。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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