Voicyそなえるらじお #509 防災を忘れなければ自然現象は災害にならない…天災は忘れた頃にやって来る
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、12月30日(金)、本日も備えて参りましょう!
今年もありがとうございました!
本日のテーマは「天災は忘れた頃にやってくる」です。
- さて、2022年も明日で終わりとなりますが、皆様にとってどのような1年となりましたでしょうか。
- 私の2022年ですが、個人的には40歳となり、色々な意味で折り返し地点を迎えたこと。プライベートとしては、長男が高校へ、三男が小学校へ入学したこと。仕事的には、書籍『今日から始める本気の食料備蓄』の出版や、事務所のアパートを一部屋追加したことなどが、今年のトピックとなりますが、総じてまぁまぁ、よい1年だったのではないかと思っております。
今年の災害
- さて、本年は幸いにして、死者が100名を超えるような大規模自然災害の発生はありませんでしたが、2022年の「今年の漢字」に「戦」という文字が選ばれた通り、今年は大規模な自然災害よりも、事故・人災が目立った1年だったような気がします。
- 最大の人災としてはロシアによるウクライナへの侵略が挙げられるわけですが、4月に生じた知床遊覧船沈没事故、9月に生じた幼稚園バスでの閉じ込めによる死亡事故などは防がなくてはならない人災ですし、
- BCP・事業継続計画的には7月に生じたKDDIの大規模通信障害などは起こりうる事態として認識しておくことが必要な事故でした。
- また、いよいよ4年目に突入する新型コロナウイルス感染症・COVID-19は社会的な終息がまだ見えず、中国からは新たな変異株発生の嫌な報道などがされていたりします。
- ということで、日本に対する影響という意味合いで、致命的な災害・人災は生じなかった2022年ですが、戦争や疫病と言った恐ろしい予兆を残したまま2023年に突入しそうで、悲観する必要はないが楽観できる状態ともいえない、という状況で本年を終えそうです。
天災は忘れた頃にやってくる
- さて、明日12月31日は大晦日となりますが、12月31日と言えば、防災の世界において重要な日付があります。それは、物理学者「寺田寅彦(てらだ とらひこ)」博士の命日が年末だと言うことです。
- 寺田寅彦博士は、87年前、1935年に57歳の若さでお亡くなりになっておりますが、この方をご存じでしょうか。
- 名前は知らなくても、「天災は忘れた頃にやってくる」という言葉は、聞いたことがあるかもしれません。この言葉を残したのが、寺田寅彦博士だと言われています。
- 日本は世界有数の自然災害大国です。日頃は、温泉や豊富な水資源という形で自然の恵みを得ている訳ですが、災害としての大地震、噴火、台風、大雨、大雪など、災害につながる可能性の高い自然現象が集中しています。
- 自然現象としての大地震はいつでもどこにでも発生しますが、準備が万全であれば大地震の被害は限りなく小さくできます。地面が揺れるという自然現象で人は死にません、そこに崩れる建物や転倒する家具があることで被害が発生します。
- 台風や大雨は毎年必ず発生しますが、沈んだり崩れたりしない場所にすんでいれば、これは豊富な水を提供してくれるイベントに過ぎません。ハザードマップ上で危険が記されている場所に住むことで、台風や大雨は災害となります。
- 日本において、災害につながる可能性がある自然現象は頻繁に発生します。そして防災対策を忘れると、この自然現象は「災害」となります。
- 天災は忘れた頃にやってくる、防災を忘れなければ、天災の多くは災害にならないのです。2023年も引き続き防災を忘れず、防げるはずであった被害を出さないような1年にすることを願います。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「天災は忘れた頃にやってくる」のお話でございました。
- というわけで、本年もありがとうございました。「死なない防災!そなえるらじお」の2022年の放送は、本日が最終回となります。次回の放送は、年明け1月5日(木曜日)の予定です。
それでは皆さま、年末年始も引き続き、ご安全に!