備える.jp
サイトメニュー仕事依頼・お問合せ

Voicyそなえるらじお #304 ロシア・ウクライナ戦争による生活影響と対策は?

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #304 ロシア・ウクライナ戦争による生活影響と対策は?

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災!そなえるらじお」、2月25日(金)、本日も備えて参りましょう!

21世紀になって国家間の開戦を目撃するとは思わなかった

本日のテーマは「ロシア・ウクライナ戦争」です。

  • 昨日2月24日、ロシアがウクライナに軍事的な侵攻を行い、ロシア・ウクライナ間での戦争が始まりました。
  • 内戦・対テロ戦争などではなく、国家間の、それも核兵器を保有する、国連常任理事国が当事者となる戦争が、この21世紀に生じるとは、容易に信じがたい状況ではありますが、紛れもない国家間の戦争が始まってしまいました。
  • この戦争の先行きや、世界経済および、日本へ与える影響がどのように推移するかは、全く分かりませんが、本日はこの、ロシア・ウクライナ戦争に対して、防災的な視点で、何を注意すべきか、お話をしたいと思います。

戦争による物理的な影響

  • 戦争という「最悪の人災」が引き起こす、最も悪い影響は、物理的な破壊力を伴う直接影響です。
  • つまり、ミサイル攻撃、航空機による空爆、地上からの侵攻による攻撃などで、都市が物理的に破壊され、死者・負傷者が発生、インフラが破壊される状況が、戦争による最悪の状況と言えます。
  • 物理的な影響は、使用される兵器の種類や規模により大小変化しますが、最悪な状況としては、ロシアが核兵器を用いることです。
  • さすがに核兵器が投入されることはないと思いたいですが、核兵器を持っている国が戦争を始めたという事実は重く受け止め、最悪の状況もあり得るということは、認識して置く必要があります。
  • 一方、通常兵器による侵攻が継続する場合、日本に対する直接的な影響は生じません。もちろん現地では大変な状況となりますので、日本に無関係だからよしということではまったくなく、戦争が泥沼化し、核兵器が用いられるような状況になることを全地球的に回避するため、戦争をやめるべきだという声を上げることは重要です。

戦争による経済的な影響

  • 戦争による物理的な影響を受けない地域は、主に経済的な影響が生じます。これは、ポジティブな影響と、ネガティブな影響の両方が考えられます。
  • まずポジティブな影響としては、戦争に関連するモノを扱っている企業は、はっきりって儲かります。戦争という行為は、武器・弾薬・食料・その他戦場で消費されるあらゆるものを一方的に消費する市場とも考えられますので、ロシアおよびウクライナに対して、こうしたモノを提供する立場にある人には、お金が入ります。
  • 実際に日本についても、1950年に勃発した朝鮮戦争により、いわゆる「特需」がもたらされ、日本の経済復興に大きな影響をもたらしたことは事実です。
  • ただ、今回のロシア・ウクライナ戦争において、こうしたポジティブな影響を受ける日本人は、かなり限定的ではないかと想定されます。
  • 一方ネガティブな影響としては、経済と物流の混乱です。すでに各国の株式、金相場、ビットコイン価格などに戦争の影響が生じており、長期的な景気には何かしらの影響がでるかもしれません、短期的には、正直なところ、金融相場が上がろうと下がろうと、私たち一般庶民には、あまり関係の無い話だと思います。
  • より強く生活に問題が出るのは、物価に対する影響です。

物がなくなる災害

  • どこかで戦争が発生しますと、その周辺では国際的な航空機や船舶の移動ができなくなるため、物流や輸出入に影響を与えます。
  • また、戦争の影響で原油や天然ガスなどの価格が上昇すると、ガソリンはもちろん、電気料金にも大きな影響をもたらし、それはそのまま製造業を直撃するため、あらゆるモノの値段が上がる恐れがあります。
  • ただでさえ、この4月に向けて、様々な物価が上昇しつつある日本ですが、これがさらに加速する恐れがあるというのは、大きな影響のひとつです。
  • また、より直接的には、デマの影響で、ある日突然、なにかの物資がお店から無くなるという可能性もあります。
  • たとえば原油価格の爆発的な上昇で、トイレットペーパーやティッシュペーパーがなくなるかもしれない。ついでに洗剤なども不足するかもしれない。という噂を元にした買いだめ騒ぎは、過去に何度か生じています。
  • 今回も、原油価格の上昇によるデマはあるでしょうし、またコムギをはじめとする食料品価格の上昇なども、事実・デマは分かりませんがそうした情報が流れるかもしれません。
  • たとえば、ロシアもウクライナも、世界有数の食料輸出国です。特にコムギやトウモロコシなどの穀物の多くを輸出しているため、こうした穀物価格に影響をもたらす可能性があります。ここまでは事実なのですが、ここから先、小麦が入ってこなくなることから、カップ麺の製造が止まる、パスタの製造が止まる、パンが大幅に値上がりする、実際昨日コンビニに行ったら、カップ麺の棚が空っぽになっていた!という噂が流れたらどうなるでしょうか。

デマか事実かは関係無い

  • そのカップ麺の棚は、たまたま入替中で空っぽになっていただだけかもしれませんが、その写真がSNSなどに流れた場合、一時的にパニック的な買いだめが生じるかもしれません。
  • 「ある日突然物がなくなる災害」というものは、その原因がデマか真実かは関係ありません。また自分はだまされない、大丈夫だと思っていても、その他多数の方が買いだめに走ると、結局自分も買いだめをせざるを得なくなる、ということもあるのです。
  • これが一部の食料品だけであれば、まだ代替することができますが、例えばアレルギー対応の特殊な食品、在宅医療に不可欠な薬や器具など、命にかかわるものがデマにより無くなる状態は、避けなければなりません。
  • また、こうした、突然物がなくなる災害は、ある日突然生じるものです。
  • 日頃から、生活に欠かせない医薬品・食品・日用品などは、日常備蓄の形で、多めに在庫を持つことが重要だと言うことになりますね。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「ロシア・ウクライナ戦争」でございました。

  • 今できることとしては、前々回の放送、ネコチャンの防災対策でお話した内容と同じです。いつお店から物がなくなっても大丈夫なように、ある程度の物品は常に自宅へ在庫を持つようにする、それをライフスタイルにすることが重要です。
  • ロシアとウクライナの戦争が起きている地域は、かなり離れた場所のように感じますが、当事者であるロシアは、日本の隣の国です。無関係ではありません、しばらくはこの状況に注目する必要があります。

それでは皆さま、本日も引き続き、どうぞご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

新着のブログ記事

ブログカテゴリ

ブログアーカイブ

備える.jp 新着記事