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Voicyそなえるらじお #291 津波地震や巨大噴火…足下が揺れていなくても生じる津波

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #291 津波地震や巨大噴火…足下が揺れていなくても生じる津波

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、2月3日(木)、本日も備えて参りましょう!

揺れない津波に注意する

本日のテーマは「揺れない津波」です。

慶長地震

  • 本日2月3日は、417年前に慶長地震が発生した日です。
  • 1605年2月3日、当時の暦ですと、江戸時代の初期、慶長9年の12月16日、東海沖の太平洋でマグニチュード8クラスの巨大地震が発生しました。
  • この慶長地震には諸説あり…と言いますか、詳細がはっきりしていない箇所が多くあります。
  • 千葉の犬吠埼から九州に到る太平洋沿岸全域に、巨大な津波が押し寄せて大きな被害が発生しているため、巨大な地震が発生したことは確実なのですが、
  • 津波の大きさと比較して、陸地の揺れの被害があまり観測されておらず、具体的にどのくらいの大きさの地震で、震源がどこであったのか、などがはっきりしないのが、この慶長地震なのです。
  • 南海トラフ地震のひとつであるという説もあれば、伊豆諸島や小笠原諸島近海で発生した巨大地震であった説というのものあります。
  • 少し困るのは、慶長地震を南海トラフ地震のひとつとするかどうかで、南海トラフ地震の発生周期、地震の間隔が変わるという点があります。
  • 前回の南海トラフ地震は、1944年と46年の昭和地震、その前は90年前に発生した、1854年の安政地震、さらにその前は、147年前に発生した宝永地震なのですが、
  • この富士山の噴火を伴った宝永の南海トラフ地震、この前の南海トラフ地震が、1605年の慶長地震であれば、102年の間隔となり、一方慶長地震を南海トラフ地震からはずした場合、宝永地震の前の地震は、室町時代の後期・1498年の明応地震となり、宝永地震との間隔は209年となります。
  • 今後、南海トラフ地震の周期をはっきりさせるためにも、慶長地震の詳細が解明されて行くことが、期待されているのです。

揺れを伴わない「津波」

慶長地震の様な、揺れは感じないが大きな津波が襲来する地震のことを、津波地震と呼ぶことがあります。

  • 最近発生した大規模な津波地震としては、1896年の明治三陸地震が挙げられます。
  • 明治三陸地震は、秋田県で観測された震度4の揺れが最大で、大地震が発生したという認識がされていませんでした。
  • しかし、地震発生から約30分後に北海道から宮城県沿岸に津波の第一波が到達し、岩手県では最大となる海抜38.2m地点まで津波が到達し、全体では約2万2千人の死者が発生する大惨事となっております。
  • また現地にとっては津波地震ではありませんが、1960年に発生したチリ地震でも太平洋全域に津波が襲来しました。
  • 最大は青森県むつ市に到達した6.1mの津波で、全国で142名の死亡者がでる大惨事となっています。
  • 震源に近い場所では揺れによる甚大な被害が生じたわけですが、揺れを全く感じなかった地球の裏側においても、津波で大きな被害を受ける可能性があるわけです。
  • 先日の放送でご紹介した、1906年のエクアドル・コロンビア地震でも、日本で津波を観測しておりますし、
  • また先月1月15日に発生した、トンガ諸島における巨大地震でも、全国に津波注意報・警報が発表されたのは記憶に新しい所です。
  • 足下が揺れなくても津波は来る、ぜひ頭においておいてください。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「揺れない津波」でございました。

  • 冬は水害のオフシーズンですが、水害の中でも津波は例外、365日いつでもやってきます。地震を感じていないのに、突発的な津波警報が出されたらどうするか、ぜひ行動を見直ししてください。

それでは皆さま、本日も引き続き、どうぞご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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