Voicyそなえるらじお #294 地球温暖化で増える「ドカ雪」減る「うっすら雪」
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、2月8日(火)、本日も備えて参りましょう!
温暖化による功罪
本日のテーマは「地球温暖化と大雪」です。
- 2022年に入り大雪被害が相次いでおります。
- 先週末も、強い冬型の気圧配置の影響を受け、全国の日本海側で大雪となりましたが、特に滋賀・岐阜・北海道の札幌周辺などでは記録的な大雪となり、交通網などにも大きな影響を与えました。
- さらに、明後日・今週2月10日(木)頃には、最近よく聞くようになりました「南岸低気圧」が太平洋側を通過する見込で、東京都心などでも木曜日から金曜日にかけて大雪が降る可能性もあるということで、警戒が強められています。
- 突発的な大雪により、屋外に出られなくなったり、停電や断水が発生したり、という被害はもう少し続きそうですので、晴れた日には自宅の食料品などの補充、日常備蓄の確認など、ぜひ行ってくださいませ。
温暖化…ですよね
- ところで、近年は地球温暖化が叫ばれておりますが、実際平均気温は上がり続け、夏の雨の量なども増えていますので、温暖化は事実です。
- ところが、冬の雪についてはどうでしょうか。
- なんとなく、温暖化が進むと、暖かくなり、雪は減りそうなイメージがありますが、近年はよく大雪に関するニュースを耳にします。
- 気象庁の統計を見ますと、例えば気温、日中の最低気温が零度以下になる冬日の年間日数は、ここ100年で明らかに減少し、100年前の8割程度の日数になっています。
- また、これに関連して、年間の降雪量、1年に降る雪の量も減っています。確かに地球温暖化により雪は減っているのです。
- 一方、逆に増えたものもあります。それがいわゆる「ドカ雪」と呼ばれる、一晩で数十センチから一メートルも雪が積もるような、短時間での大雪の頻度です。
- 温暖化の影響で、1年間を通じての積雪は減ったものの、代わりに日本海の温度が上がり、冬場に蒸発する海水の量が増えたことで、極端な大雪が一気に押し寄せる頻度は増えてしまっているのです。
- これは夏場も同様で、雨が降る日の数は減っているのですが、逆に極端な大雨が降る日は増えているということで、夏も冬も、気候が極端になりつつある、というのは統計上も事実なのです。
北海道や北陸の山沿いでは大雪が増える
- 雨が雪になるには、気温が低いことが条件となりますが、この時の気温はようするにゼロ度以下でよく、氷点下マイナス10度でも、氷点下0度でも、同じように雪は降ります。
- つまり、北海道や北陸の山沿いなどは、温暖化により気温が1度2度上昇したとしても、もともと気温が低いため、日中の気温はかわらず0度以下を維持します。この場合、単純に日本海から供給される水蒸気の量だけが、温暖化により増えることになりますので、
- 日本全体としては雪の総量が減ったとしても、北海道や北陸の山間などでは、逆に今後さらにドカ雪が増える可能性がある、という研究結果もあります。
- 一方、雪が降るか降らないか、ギリギリ判定な気温がおおい太平洋側では、温暖化により雪が降らない日が増加し、日本全体では雪の量は減るだろうと想定されています。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「地球温暖化と大雪」のお話でございました。
- ドカ雪による災害が生じる地域が今後増加する。また普段雪が降らない地域に、たまに大雪が降ると大混乱となりますが、そうした地域も今後増えていく、ということで、冬場の防災対策、大雪対策については、今後も重要な課題として考えて行く必要がありそうです。
それでは皆さま、本日も引き続き、どうぞご安全に!