Voicyそなえるらじお #319 福島沖M7.4大地震、1週間は余震に警戒…具体的には?
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災!そなえるらじお」、3月18日(金)、本日も備えて参りましょう!
震度6強以上の地震はこの10年で8回
本日のテーマは「大地震直後は余震に警戒」のお話です。
福島沖でM7.4の大地震
- 一昨日3月16日の深夜、福島県沖を震源とする大地震が発生しました。
- この地震、大きな地震がほぼ連続する形で2回発生し、かなり長時間揺れ続けました。
- まず3月16日の23時34分、緊急地震速報を伴う、マグニチュード6.1の地震が発生し、この地震の揺れが収まりかけた2分後、23時36分、今度はマグニチュード7.4、最大震度6強のさらに大きな揺れが発生しました。
- まさに一息つこうとした瞬間に、より大きな揺れが発生し、かなりの恐怖感を抱かれた方も多かったのでは無いかと思います。
- この地震では地震発生翌日時点の情報で、100名以上が負傷し、4名の方が亡くなられたと報道されています。
- また被害はありませんでしたが、数十センチの津波が発生し、
- さらに東北新幹線が脱線するなどの被害や、
- 広い範囲での電気・ガス・水道などの停止などが生じました。
昨年の福島沖地震と規模が同じ
- 福島沖の地震と言えば、昨年2021年2月13日にも、ほぼ同じ場所でマグニチュード7.3の地震が発生し、最大震度6強の揺れを観測しました。
- この地震は、2011年に発生した3.11東日本大震災を引き起こした、東北地方太平洋沖地震の余震でした。
- 一方、今回の地震については、3.11の余震と言う言葉は使われていません。しかしこれは、実際に余震ではなかったのかと言えばそういうことではなく、
- 昨年2021年4月以降、3.11の余震という表現を、気象庁が取りやめることにしたためです。地震から10年が経過し、明確に余震と判断することが難しくなってきたり、またそもそもこの地域では、定期的にM7以上の地震が発生し続けていることなどが理由とされています。
- しかし、M9クラスの、超巨大地震であった東北地方太平洋沖地震の余震は、今後数十年以上は継続すると考えられていますので、とにかくも、大地震への備えは常に必要だということが言えます。
1週間は余震に警戒
- 一昨日の地震でも、今後1週間程度は、余震や、さらに強い地震の発生に警戒という報道がすぐになされました。もはやお約束となっているフレーズですが、事実大きな地震の直後は余震が続いたり、その後に、より大きな本震が発生していますので、やはり警戒は必要です。
- では、しばらくは余震に警戒、具体的に何をすべきでしょうか。
- こちら、私のYouTubeチャンネル「そなえるTV」で詳しい動画解説をしておりますので、そちらもぜひご覧頂ければと思いますが…
- まず、自宅が旧耐震基準で作られている古い建物であり、1回目の地震で被害を受けている場合は、事前避難が必要です。
避難をする、または準備もしておく
- 自宅が、1981年6月1日以前に認可を受けた建てられた、いわゆる旧耐震基準の建物の場合、大地震の直撃を受けると即座に倒壊する恐れがあります。
- また1981年6月1日以降に認可を受けて建てられた、いわゆる新耐震基準の建物の場合であっても、大地震の直撃で即ペシャンコになる可能性は低いですが、2回目の揺れに耐えられず倒壊することがあります。
- 自宅が被害を受けている、または著しく不安だという場合は、自治体等が避難所を開設していれば移動するか、自力で親戚知人宅へ移動、またはホテルなどへ宿泊をしてしまう。
- またすぐに移動するのは難しい、判断ができないという場合は、次の揺れの後に移動出来るように、持ち物などをまとめておくとよいでしょう。
- また、自宅が海に近く津波の恐れがある場合、がけなどがあり土砂災害の恐れがある場合など、次の揺れの後に緊急避難が必要になるような場合は、玄関などに非常持出袋・防災リュックを、できれば常に、難しくとも1週間程度は置いておくことをオススメします。
- また夜中に次の揺れが発生し、停電すると身動きが取れなくなり、避難が遅れて命にかかわる場合があります。ライトやメガネなどを地震の揺れで飛ばされない様に枕元に固定して置き、また着替えや靴などを袋に入れておいておくと良いでしょう。
家具や家電の片付けに注意
- 建物が大丈夫という場合は、室内の安全対策が必要です。
- 1回目の揺れで、家具が転倒したり、家電がズレたり、荷物やインテリアが床に落下したりしている場合は、片付けに注意して下さい。
- 家具の転倒防止器具の緩みなどをチェックし、固く締め直すなどはぜひ行っていただきたいのですが、転倒しているような場合は、あえて不安定な元の姿に戻さず、1週間ほどは安定した横倒しのままにしたり、倒れても安全な場所に移動させておくなども手段となります。
- 荷物や食器などが落下している場合も、そのまま戻した場合、次の強い揺れでまた落下する恐れがあります。しばらくは箱の中などに入れてしまっておくなど、揺れても大丈夫なようにしておいてください。
- 地震の直後に、台所のアツアツのお鍋ややかんをどうにかしたい場合は、取り急ぎシンクの中においておくことで、次の揺れでひっくり返ってしまった場合の被害を防ぐことができます。
- なお、こうした片付け、荷物の移動をする場合は、突発的な揺れに襲われる危険があります。できれば2名以上で作業、1名で作業する場合は、もし今この瞬間に揺れたらどうするか、をイメージしながら慎重に作業するようにしてください。
- また、地震で、家具・家電・その他家財が、壊れたり傷ついたりなどしている場合は、片付けをする場合に、そのままの状態をスマホなどで写真に撮っておいてください。
- 火災保険や地震保険などの請求、罹災証明・被災証明などの取得に役立つ場合があります。色々な角度から、被害の全容と、個別の状態が分かる様に撮影しておくことがポイントです。
ライフライン対応も
- 次の地震で、突発的な停電などが発生する恐れもありますので、
- スマートフォンの充電は、しばらく満タン付近を維持する。
- モバイルバッテリーやポータブル電源があれば充電しておく。
- 夜寝るときには、枕元にライト・手袋・スリッパか靴・着替えなどを常備しておく。
- 冷凍庫に空きがあれば、8割ほど水を入れたペットボトルなどをぎっしり詰めて凍らせておく。
- といった対応も必要になります。
- 水・食料・乾電池・その他防災グッズを追加するのも有効ですが、大地震直後は入手が難しくなることもあるため、できるだけ日常備蓄で普段から用意するようにしてください。
「次」の本番、強い揺れに警戒
- また、余震警戒期間中には、次の揺れを察知する準備、実際に揺れた際の行動を定めておくことも重要です。
- スマホなどの緊急地震速報の受信設定をオンにし、
- Yahoo!防災アプリなどの緊急地震速報アプリをインストールし、
- そして、緊急地震速報の音を聞いた瞬間、あるいはカタカタと揺れを感じた瞬間、パッと安全な場所へ身を隠す、という準備が必要になります。
- 自宅であれば、家具や家電が倒れてこない、物が落ちてこない、ガラスが割れてこない、安全ゾーンをどこかにつくっておき、
- 緊急地震速報の音を聞いた瞬間、カタカタと揺れを感じた瞬間、そこへ飛び込んで身を守る、子どもやペットを抱きかかえる、そうした準備がまず必要です。
- また外出中であれば、「いま、この瞬間緊急地震速報が鳴ったら、または揺れたら、どこを掴むか、どこへかがみ込むか」というセルフイメージトレーニングを行ってみることも有効です。
- 通勤・通学・買い物などでお出かけの際には、ぜひ「今揺れたらどうするか」を、あちこちで考えてみてください。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「大地震直後は余震に警戒」のお話です。
- さて、ここで告知のリマインドです。
- 私が運営しているもうひとつのメディア、YouTubeそなえるTVで、ライブ放送を行います。今週土曜日、3月19日の14時・午後2時から開始いたします。
- 背景としては、YouTubeそなえるTVの登録者さまが5万人を突破、また今お聞き頂いている、しなない防災!そなえるらじおの登録者さまも1000人を超えたことの記念ライブです。
- テーマは防災質問回答ということで、チャットにいただく各種の防災質問に対して、その場で全てアドバイス回答をさせていただくという内容です。ぜひご覧ください!
それでは皆さま、本日も引き続き、どうぞご安全に!