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Voicyそなえるらじお #310 意思では無く能力に、高確率ではなく想定最大規模に備える

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #310 意思では無く能力に、高確率ではなく想定最大規模に備える

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災!そなえるらじお」、3月7日(月)、本日も備えて参りましょう!

秋田犬のゆめちゃんはどうなった…

本日のテーマは「ロシア・ウクライナ戦争と核戦争」のお話です。

  • ロシア・ウクライナ侵攻が混迷化しております。
  • 防災的な要素としては、ロシアによるウクライナの原子力発電所への攻撃が、全地球規模で影響を与える行為として注目されるところですが、もうひとつ気にしなくてはならない要素があります。それは、ロシアが核保有国、それも世界で最大の核保有国であるという点です。
  • 1年前、2021年初頭の時点で、公開されている核兵器の数は全世界で約13,080発、そのうち5,550発がアメリカに、6,255発がロシアにあると公開されています。数の上では、ロシアはアメリカを凌ぐ核兵器保有超大国なのです。
  • ちなみにその他の核保有国は、イギリス、フランス、中国、インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮となっております。
  • 今回のロシア・ウクライナの戦争で、核兵器が投入されるかは分かりません。いわゆる第三次世界大戦へ発展することを恐れて、NATO・北大西洋条約機構はウクライナへの直接的な軍事介入を行っていませんが、経済的な制裁は次第に激しさを増し、今後の道筋がどうなるか全く予測のつかない状況になっています。

起こりうる災害ではなく、想定最大規模に備える

  • さて、自然災害においても、戦争においても、備えを行うためには、何に対して備えるか、被害の想定が必要です。そしてこの時の想定は、「おそらくこうなるだろう」という予測ではなく、起こりうる最大規模のものを対象にすることが重要です。
  • 例えば津波や水害への備えをするためには、ハザードマップの確認が不可欠です。従来は、生じる可能性が高い大雨を想定してハザードマップが作成されていましたが、近年想定外が相次いでいることから、法律が改正され、生じる可能性は低いが、あり得る最大規模の水害を基準に、ハザードマップが作り直されるようになっています。
  • また大地震などによる被害想定を行う場合も、そこそこ起こりそうな規模の地震に対する想定と合わせて、可能性は低いが最大規模の大地震が起きた場合にどのような被害が生じるか、そうした想定も行われています。
  • そして、この想定最大規模の災害を基準に、防災を行うのです。

プーチン大統領の意思ではなく、核を保有しているという事実に備える

  • 戦争という人災に対する備えを考える場合も同じです。最悪の人災のひとつである「戦争」ですが、その中でも最悪のものは核兵器が用いられる核戦争です。
  • 例えば今、最も最悪な事態は、ロシアが核兵器を用いることですが、この状況への備えを考える場合、プーチン大統領が核兵器を使用するかどうか、という点は誰にも分かりません。
  • 常識的に考えれば、現実的に考えれば、セオリー通りならば、そうした常識が通用しないのが戦争という状況です。プーチン大統領はきっとこう判断する、だからこのような備えが必要だ。ではなく、
  • ロシアはこのような兵器を保有している、仮に使用されたらこのような被害が生じる、だからこういう備えが必要だ。自然災害とおなじく、生じる可能性が高い事態ではなく、起こしうる最悪の状況に備えることが必要になります。

とはいえ答えはない

  • …とはいえ、ではロシアが起こしうる、最悪の事態とは何かといえば、それは核兵器の使用であり、世界的な核の応酬へ繋がることが考えられる最悪の状況です。
  • そして、全面核戦争という事態に陥った場合、これに対する有効な備えはありません。以前のお話で、火山の噴火により地球の平均気温が低下して食糧危機が生じる、火山の冬という現象をご紹介したことがありますが、
  • この○○の冬現象は、核戦争でも生じると想定されています。つまり、核爆発による被害を免れた地域も、核爆発により巻き上げられたチリなどが、太陽光を遮ることで地球全体の気温が低下し、食料生産に打撃を与える。
  • またこれだけの規模の現象が生じる場合、おそらく死の灰・放射性降下物による放射能汚染も深刻な状況となっておりますので、直接攻撃を免れた地域も無事では済まない。
  • 戦争当事国だけでなく、地球全体が巻きこまれてしまうのが核戦争なのです。正直、これに対して有効な防災対策というものはありません。核兵器が使われない状況を維持することだけが、唯一できる核戦争対策と言えます。
  • つまり、反戦・戦争に反対する声を上げ、行動することが核戦争対策として必要だと言うことなのです。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「ロシア・ウクライナ戦争と核戦争」のお話でございました。

  • 巨大隕石の衝突や、最大規模の超巨大噴火と並んで、全面核戦争は個人の防災ではどうにもならない状況であり、そもそも起こさないことに全力を注がなければならない対象です。
  • ロシア・ウクライナ戦争は遠い国の話ではなく、状況によっては私達の生活にも大きな、あるは破局的な影響を与える可能性があります。
  • 具体的に取るべき行動というものはありませんせんが、他人事と捉えず、関心を持って情報などに接することが重要です。

それでは皆さま、本日も引き続き、どうぞご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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