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Voicyそなえるらじお #312 東日本大震災の「前震」3月9日の大地震に学ぶ事前対策

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #312 東日本大震災の「前震」3月9日の大地震に学ぶ事前対策

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災!そなえるらじお」、3月9日(水)、本日も備えて参りましょう!

一週間は余震に警戒…しておけば

本日のテーマは「東日本大震災の前震」のお話です。

  • 2011年3月9日の11時45分、東北地方の三陸沖を震源とする、震源の深さ8キロ、マグニチュード7.3の大地震が発生し、宮城県などで最大震度5弱を観測しました。
  • この大地震では最大55cmの津波を観測し、
  • 負傷者2名、住宅1棟が一部損壊となるなどの被害が生じました。
  • 2011年3月9日の大地震…3月11日の東日本大震災の間違いではないのか?と思われるかもしれませんが、3月9日に発生したM7.3の大地震は、3.11「東北地方太平洋沖地震」の「前震」となります。

3.11の「前震」として生じていた9日の地震

  • 2011年3月11日、14時46分、日本人であれば忘れもしないあの日、マグニチュード9という全地球規模でも最大級の、超巨大地震が発生致しました。
  • 東北地方太平洋沖地震と、これが引き起こした東日本大震災の発生です。
  • 私も含め、多くの方の人生を変えるきっかけとなったこの地震ですが、実は2日前から「前震」となる地震が発生しておりました。
  • この「前震」という言い方は、後付けです。今になって思えばという言い方になりますが、前兆となる地震は多数発生していたのです。
  • 3.11の本番、東北地方太平洋沖地震と同じ地域で発生した前震、最初に発生したのが、3月9日の11時45分に発生した、最大震度5弱・マグニチュード7.3の大きな地震でした。
  • この地震は小規模ながら津波も発生させておりますので、それまでの考え方であれば、この地震こそが三陸沖で定期的に発生している大地震の「本震」だと思われ、実際3.11の本番が来るまでは、そう思われていたわけです。
  • そしてこの地震の後、当初は「余震」だと思われた大きめの地震が立て続けに発生します。
  • 一発目の前震から13分後に生じた、
  • 03/09 11:58 最大震度3 M6
  • さらに2時間後には、
  • 03/09 13:36 最大震度3 M6.1
  • 翌日の深夜に発生した
  • 03/10 03:16 最大震度3 M6.4
  • その地震の28分後に、
  • 03/10 03:44 最大震度3 M6.3
  • さらに3時間後、
  • 03/10 06:24 最大震度4 M6.8
  • その後、M5.9以下の地震が12回発生し、そして…
  • 03/11 14:46 最大震度7 M9
  • 本番を迎えています。
  • 3月9日から11日にかけて、
  • マグニチュード4の地震が19回、
  • マグニチュード5の地震が17回、
  • マグニチュード6の地震が6回、
  • マグニチュード7の地震が1回、
  • 発生したことになりますが、当時これらは、3.11本番の前震ではなく、3月9日に発生した大地震の、余震だと思われた訳です。
  • そして、3月11日の14時46分、マグニチュード9の超巨大地震が発生したことで、一連の大きな地震は、前震だったのだと後付けされたのです。

地震の「前震」は全て後付け

  • 後になって思えば、なぜ3.11・東北地方太平洋沖地震の前震となる活動をみすみす見逃してしまったのか、と悔やまれるところですが、これはあくまでも結果論です。
  • 当時はむしろ、3月9日のM7.3の大地震こそが、三陸沖で発生した大地震の本震だと思われており、その後続いた大きな揺れの連続は余震活動の一環。
  • まさかその2日後、マグニチュード9の大地震が発生するとは思っていなかった訳です。
  • 今でこそ私たちは、この3.11の前震の経験や、
  • 2016年4月14日・4月16日に発生した熊本地震の経験を生かし、
  • 大きな地震の直後は、しばらくの間強い揺れに警戒、場合によってはより大きな地震が発生するかもしれないということを知っていますが、
  • 当時は、まず大きな地震が突然発生し、その後小さな余震がしばらく続き、そして地震活動が終息する、というような、常識にとらわれていました。
  • 3月9日の大地震を受けて、1週間程度はより大きな揺れに警戒しよう、と考え、もし実行した方がいれば、3.11本番でも、素早い避難などが行えていたかもしれません。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「東日本大震災の前震」のお話でございました。

  • 大きな地震が発生したら、一週間程度余震またはより強い地震に警戒。
  • これは、今後日本で生じるあらゆる地震に対して同じことが言えます。
  • 大地震の予知はできませんが、大地震が起こりやすい時期を言い当てることはできます。それが、大きな地震が起きた直後なのです。大地震の後には、必ず余震かより大きな地震が来る、これは過去に発生した多くの地震に当てはまっています。
  • 首都直下地震、南海トラフ地震も同様です。どこかで大きな地震が発生した際には、改ためて自宅の地震対策を確認する、ぜひ、ぜひ行ってください。

それでは皆さま、本日も引き続き、どうぞご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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