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Voicyそなえるらじお #334 東西の主要街道を埋めて新設させた、富士山延暦噴火

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #334 東西の主要街道を埋めて新設させた、富士山延暦噴火

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災!そなえるらじお」、4月11日(月)、本日も備えて参りましょう!

噴火する前にあと何回登れるか

本日のテーマは「富士山延暦噴火」です。

  • 今日は災害の歴史に関するお話。
  • 諸説ありますが、本日4月11日は、1222年前に富士山で大規模な噴火が発生した日です。
  • 西暦800年の4月11日、旧暦では延暦19年の3月14日、富士山が大規模な噴火を起こしました。この噴火では、現在の山梨県側に大量の溶岩流が流れ、現在の静岡県側には大量の火山灰が降るなどし、近隣に大きな被害をもたらしたと記録が残されています。
  • この記録は、作者不明とされる歴史書、日本紀略に記載されている内容ですが、それにしても1200年前の出来事が文章で残っているのはすごいですし、自然災害研究においては重要な資料と言えますね。
  • この富士山延暦噴火は、西暦800年から802年頃まで断続的に続き、大量の火山灰が箱根側に降り続けました。
  • この影響で、当時西と東をつないでいた街道、足柄路が埋まってしまい、そのため現在の主要道のひとつ、箱根山の真ん中を貫く、箱根路が新たに開かれたということです。
  • 最も、現代において箱根山を越えるルートとしては、富士山延暦噴火で埋まってしまった足柄路に近い、東名高速・新東名高速ルートの方がメインになっていますので、主要な道路というものは時代と共に移り変わるということですね。

富士山の三大噴火

  • ところで、いつ大規模噴火が起きてもおかしくないとされる富士山ですが、歴史に残っている大規模噴火としては、3つの噴火が記録されています。
  • 最も古い噴火が、いまご紹介した、富士山延暦噴火。この噴火では、溶岩流と火山灰の両方が大量に噴出しました。
  • 次に生じた大規模噴火が、延暦噴火の約60年後、864年から866年にかけて発生した、富士山貞観(じょうがん)噴火です。貞観噴火では、とにかく大量の溶岩流が発生しました。現在富士山の北側、山梨県側には、富士五湖と呼ばれる湖が広がっていますが、実は貞観噴火が起こるまで、富士五湖は4個しかない、富士四湖でした。
  • この貞観噴火で流れ出した溶岩流が、当時存在したせのうみ、という大きな湖を分断し、現在の精進湖と西湖を作り、富士五湖になったということです。またこの時流れ出した大量の溶岩流の上には、長い時間をかけて土が生まれ、森林が発達しましたが、これが現在の青木ヶ原樹海です。
  • 富士山の大規模噴火、最も新しい噴火は、1707年に発生した、富士山宝永噴火です。この噴火では、溶岩流はあまり発生せず、代わりに大量の火山灰が噴出しました。
  • 12月は風向きが特に西から東に強く流れる時期ですので、この大量の火山灰は、噴火の当日中に、当時の江戸の街にも大量に降り注ぎ、現在の川崎市辺りでも厚さ五センチになったということです。
  • 現在、首都圏における富士山噴火の防災が検討されていますが、このモデルになっているのが、江戸に大量の火山灰を降らせた、富士山宝永噴火と言うことになっています。
  • 次の噴火がいつ起きてもおかしくない富士山、今にうちにできる対策を進める必要がありますね。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「富士山延暦噴火」のお話でした。

  • ところで…西暦800年と言えば、794うぐいす平安京、平安時代の最初期にあたりますが、富士山延暦噴火の由来となっている元号、延暦時代というのは、実は日本の元号では五番目に長い間続いた、長寿元号なのだそうです。
  • 天皇で言えば桓武天皇の時代ですが、桓武天皇は平城京から長岡京および平安京へ都を移した天皇として有名ですね。実は富士山の大規模噴火も生じていたということです。

それでは皆さま、本日も引き続き、どうぞご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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