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Voicyそなえるらじお #335 防災裏技や代用品をアテにせず、最初から防災用品の準備を!

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #335 防災裏技や代用品をアテにせず、最初から防災用品の準備を!

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災!そなえるらじお」、4月12日(火)、本日も備えて参りましょう!

サバイバルと防災は違う

本日のテーマは「防災用品と代替品」のお話です。

  • いつも私は、防災講演会やYouTube、このVoicyなどで防災のお話をさせていただくのですが、テレビやラジオなどのメディアに出演して防災のお話をする際に、いつも悩むことがあります。
  • テレビをはじめとするメディアは、本質的には娯楽です。学びを得るような番組であっても、映像的に映えること、テレビ映えする…などと言いますが、基本的には面白いことが求められます。
  • そのため、防災に関するテーマで企画をする時にも、今トレンドの最新非常食、驚きの防災アイテム、知っておくと役立つ防災の裏技、簡単に作れる手作り防災グッズ、などのテーマが喜ばれます。
  • これらの話は、防災対策に興味を感を持ってもらうための、入口コンテンツとしては優れていますので、必ずしも良い悪いという話にはなりません。
  • 一方、私も頭を悩ませることの多いテーマが、非常時の代用品・代替品という考え方なのです。

100円ショップに行こう

  • 例えば停電対策のネタとして定番となった裏技、
  • 懐中電灯にペットボトルを乗せると、ランタンになる。さらに言えば、水のペットボトルそのままではなく、スポーツドリンクの粉を入れたり、牛乳やサラダ油を少量入れると、光が乱反射してより明るくなる。また白いレジ袋や、丸めたコピー用紙を被せても同じようにランタン代わりになる。という裏技。
  • ツナ缶によじってヒモ状にしたティッシュを差し込んで火を付けると、ランプになるという裏技。断水した時に、ちぎった新聞紙や、ペット用のトイレシートや猫砂があれば、非常用のトイレの代わりになるという裏技。
  • 定番のネタとして、このような停電・断水対策の話はよく登場します。実際私もすることがあります。ただ、これはあくまでも裏技であり、それしかないときには役立つ可能性があるのですが、事前にわざわざ準備するものではない、ということが重要なのです。
  • 懐中電灯をランタンにできる、シーチキンがランプになる、知っておくと役立つ可能性があります。ただ、事前にこの情報を知って、じゃあ停電対策として、懐中電灯に乗せるペットボトルを用意しようとか、非常食を兼ねてツナ缶を買おうとか、そういうのはやめた方がよいのです。
  • 事前に準備をするならば、100円ショップに行けばランタンが手に入ります。それを買えばよいのです。予備の電池を入れても220円でそろいます。
  • ちぎった新聞紙や猫砂を、非常時のトイレに使う。何もなければそういう状況もあるでしょう。ただ、事前に準備できるならば、人間用の非常用トイレを買っておけば済みますし、100倍役に立ちます。
  • 実際私も、ちぎった新聞紙を使って非常用トイレ体験をしたことがあります。それも3日間にわたって、3回使いました。結果何が起きたか、汚物にまみれた、見るも耐えない新聞紙が生まれただけで、これは絶対に役に立たない、非常用トイレを準備しようと、強く認識するきっかけとなりました。
  • 代用品は、代用品であり、事前に準備するものではないということです。

素材でなく完成品を

  • また防災裏技と同じようなネタとして、非常時に役立つマルチアイテムという物があります。ゴミ袋、新聞紙、ダンボールなどの素材は、加工の仕方によって、色々な物になるから、ぜひ準備をしましょうというネタです。
  • これも私自身も紹介することがあります。ゴミ袋に穴を空けて防寒着、雨具に、中に新聞を入れればクッションや布団に、トイレに被せて新聞を入れれば非常用トイレ、ダンボールやリュックに被せれば水のタンクに、大変便利です。
  • しかし、防寒着がほしければ、最初から防寒着とカイロを用意すればよいですし、雨具は重要な防災アイテムですので、ぜひしっかりとしたものを準備いただきたいです。クッションにしたいなら、最初から安いエアマットを買って置いた方が快適ですし、トイレは先ほどお話したように、新聞紙を使うことはオススメできませんので、非常用トイレを準備すべきです。ただ、リュックサックにゴミ袋を入れて水のタンクにするのは、結構使いやすかったりしますので、こういう技はオススメです。
  • マルチに使える素材は、それしかない場合には役立ちます。ただ、事前に準備する時間があるのであれば、最初から完成品を用意した方が役立ちます。高級品ばかりを揃えることはありません、ゴミ袋・新聞紙・ダンボールなどで自作できるアイテムのほとんどは、100円ショップで手に入ります。そっちの方が圧倒的に使いやすいです。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「防災用品と代替品」のお話でした。

  • 防災対策と、サバイバルは、別の技術であり、考え方です。
  • 裏技や代用品を使ったアイテムのクラフトは、どちらかと言えばサバイバルに近いシーンで役立つ知識であり、それはそれで役立ちますが、最初から当てにしてはいけません。
  • 事前に防災対策をする時間があるならば、ぜひ100円ショップに出かけて、裏技で何とかしようと思っていたアイテムを、買っておいていただきたいと思います。そんな、よくあるお悩みのお話でございました。

それでは皆さま、本日も引き続き、どうぞご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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