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Voicyそなえるらじお #337 余震…という表現の見直しに繋がった2016年熊本地震

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #337 余震…という表現の見直しに繋がった2016年熊本地震

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災!そなえるらじお」、4月14日(木)、本日も備えて参りましょう!

2016年熊本地震

本日は「2016年熊本地震」のお話です。

6年前の本日、2016年4月14日、夜21時26分、熊本県熊本地方を震源とする、最大震度7、マグニチュード6.5・深さ11kmの大地震が発生しました。

  • 平成28年(2016年)熊本地震」の発生です。
  • 熊本地震は、276名の死者が発生する震災となりましたが、亡くなられた方の8割は、地震そのものの被害ではなく、その後の被災生活で命を落とす、震災関連死によるものです。あらためて、長引く避難生活などにどう対応するのか、個々人においても対策が求められています。

熊本地震

  • 熊本地震の特徴は、1回目の大地震の28時間後、4月16日の深夜、1時25分に、最大震度7・マグニチュード7.3の2回目の大地震が発生したことです。
  • マグニチュード6から7クラスの大地震が連続することは、2011年の東日本大震災でも経験していましたし、近年ではその他の地震でも観測されることがあります。しかし、一連の地震活動の中で、同一の市町村が2回連続で震度7の揺れに襲われたことは、観測史上初めてとなりました。
  • 熊本地震では、この2回の大地震以外にも余震が活発に発生し、わずか2日の間に、震度5強が2回、6弱が3回、6強が2回、そして震度7が2回発生するなど、とにかく強い揺れが発生し続け、1回目の揺れに耐えた建物が相次ぐ地震の揺れで倒壊するなど、被害が拡大しました。
  • その後、地震から約半年後、2016年の10月末までの期間に、4,000回を超える震度1以上の地震が発生するなど、長期間にわたり余震活動が続いたことも熊本地震の特徴です。

余震がなくなった

  • 熊本地震は、地震に関する報道発表に対しても、ひとつの変更を生じさせるきっかけとなりました。
  • それは、気象庁などが防災上の呼びかけをする際に、余震という言葉を使わなくなったというものです。
  • 2016年に熊本地震が発生するまで、大きな地震が発生すると、気象庁から「一週間程度、最初の地震より一回り小さな余震に警戒、余震が生じる可能性はこのくらい」、という発表がなされていました。
  • しかし、熊本地震の2連続・震度7という従来無かった大地震を受け、「まず本震が起き、その後余震が生じる」という流れが絶対的なものでなくなりました。そのため、「余震」という言葉を使うと、より強い揺れは起こらないのだと捉えられる恐れがあるため、「余震」という言葉を使わずに、
  • 「最初の大地震と同程度の強い揺れに警戒」というような表現に改められています。
  • 地震の報道に関する表現は絶対的なものでなく、新しい想定外が発生するたびに、少しずつ見直されているのですね。

前震・本震・余震

  • ところで、大地震が発生すると「余震」以外にも、「前震」とか「本震」といった言葉が使われます。
  • 例えば「前震」は、最大の被害をもたらす本震、この直前から数日前に発生することのある地震です。3.11東日本大震災においても、2日前の3月9日に、強い「前震」が発生していました。
  • また「余震」は「本震」の後に続く、一回り小さな地震ですが、本震がM8~M9と大きな場合は、余震すらM6~M7と、通常であれば大震災クラスの地震がバンバン生じますので、強い警戒が必要になります。
  • しかし、これら、前震・本震・余震ということばは、全て後付けです。
  • 全ての地震活動が沈静化してから、今思えばあれが前震だった、本震はこの揺れで、その後は全て余震であると、あとから決めるコトになります。
  • 大きな地震が発生した直後は、それがより大きな地震の前震なのか、それとも本震なのか、あるいはその後に本震がまた来るのか、そうしたことは分かりません。ひとつだけはっきりしているのは、大きな地震が発生した直後は、同等クラスまたは一回り小さいが、十分に被害をもたらす可能性のある地震が、バンバン起きる可能性がある、ということだけです。
  • 大地震直後に飛び交う、前震・本震・余震と言う言葉は一端無視して、同じような揺れが来ても死なないか、という点検をするようにしてください。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「2016年熊本地震」のお話でした。

  • あれから6年、本当に早い物です。犠牲となられた方々のご冥福を、改めてお祈りいたします。
  • ところで余談ですが、私九州は、博多にしか行ったことがありません。火山を初めて色々なジオスポットをぜひ見学したいなと思っているのですが、再来週4月25日に、はじめて鹿児島へ講演会で伺う予定で、かなり楽しみです。
  • ちなみに5月にも再度鹿児島で、6月には博多と久留米で講演会のお声がけをいただいており、コロナによる緊急事態宣言が出されないことを祈る日々となっております…。

それでは皆さま、本日も引き続き、どうぞご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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