Voicyそなえるらじお #350 「津波予報」が発表されたら津波に対する警戒は解除してOK
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執筆者:高荷智也

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災!そなえるらじお」、5月10日(火)、本日も備えて参りましょう!
始め方より終わらせ方が難しい
本日のテーマは「津波予報」のお話です。
- 昨日5月9日の15時23分、沖縄県与那国島の近海で、マグニチュード6.6、最大震度3の地震が発生しました。
- この地震では、緊急地震速報が発表されましたが、この速報の段階では、震源は台湾島の中央部、想定されるマグニチュードが最大で8と表示され、台湾が壊滅する様な大震災が発生したかと、心臓が止まりそうになりました。
- 緊急地震速報のマグニチュードや想定震度は、地震発生からの秒数経過と共に修正され、数字が小さくなることも多いのですが、今回の緊急地震速報では、最後まで想定マグニチュードが8のまま変更されなかったため、これはいよいよ台湾と沖縄で大変なことがおきる、津波もすさまじい物が来るかもしれない、とザワザワしました。
- が、6分後に発表された地震速報で、震源は台湾島の直下ではなく、与那国島の南西、マグニチュードは6.6、最大震度は3という数字に修正され、自然現象としては大地震ですが、災害にはなっておらず、あとは津波のないことが確認できればと思っていたところ、
- さらにその2分後、津波の被害がないことを示す、津波予報が発表され、ようやく心臓が落ち着いたという地震が生じました。
- お仕事などをされており、スマホやニュースに触れる機会のなかった方は、この地震が発生していたことにも気づかなかったかなと思われます。
津波予報について
- ところで今回の地震では、「津波予報」という情報が発表されました。
- 津波予報というのは、津波が来るかもしれないという予報ではなく、分かりづらいですが、津波による災害の心配はないことを伝える、確定情報です。
- 津波予報は大地震が発生した後、二つの使われ方がされます。
- ひとつは、地震の影響で津波注意報が発表された後、津波警報は解除するけれど、しばらくのあいだ海に入る時には注意してね、ということを伝えるための情報。津波警報の弱い版としての「津波予報」です。
- もうひとつは、大地震が発生したあと、20cm以下の海面変動はあるかもしれないが、津波による被害の心配がないので、特に気にしなくても大丈夫ですよ、という、安全ですよという情報を伝えるための「津波予報」です。
- 今回発表された津波予報は後者で、この地震による津波の被害は心配しなくても大丈夫です、という意味の情報が、地震から8分後に発表されました。
- 大地震の後、1発目の情報として津波予報が出た場合は、特に警戒の必要なしと言うことになります。
- また、20cm以下の海面変動すらないと想定される場合は、地震の直後に発表される震源に関する情報と合わせて、「津波の心配がない」という情報が発表されますので、こうした発表があった場合も警戒をする必要はありません。
無限に心配し続ける必要は無い
- 海で地震が発生したとき、不安になるのは津波の発生です。
- そのため、大地震直後、海辺にいる場合は、いつでも避難できる準備を進めることが重要ですが、津波の心配は無いという発表、または津波予報が発表された場合は、もう気にする必要はありません。
- 念のために警戒することも重要ですが、永遠に気にし続けるのでは心が疲れてしまいます。もう大丈夫という発表が出されたら、もう大丈夫だということで、警戒は解いて良いでしょう。
- ただ、強めの地震の後、強い余震、あるいはより大きな本震が生じるおそれはあります。その地震に関する津波の警戒は心の中で解除しつつ、次に大きな地震が起きたらどうするか、というイメージはしておいてもよいですね。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「津波予報」のお話でした。
- ところで昨日は、夕方17時33分にも伊勢湾でマグニチュード5.1の中規模な地震が発生しました。こちらは異常震域を伴う地震で、震源直上にある名古屋周辺は全く揺れず、関東から東北周辺だけが揺れました。
- 異常震域という名前ですが、よくある現象ですので、遠方震源地震とか、この名称を変えて欲しいなといつも思っています。
それでは皆さま、本日も引き続き、どうぞご安全に!