Voicyそなえるらじお #401 地下街・地下鉄の浸水対策…はないので、異変を感じたら早く逃げる!
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執筆者:高荷智也

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、7月22日(金)、本日も備えて参りましょう!
梅雨明け後の梅雨
本日のテーマは「地下における浸水対策」のお話です。
- 本日は質問回答です、『#397 水没した車からの脱出方法、沈みきるまで落ち着いて待つ!』の放送に対しまして、「青紅葉」さんから質問コメントを頂きました。
- 『万が一、地下鉄の駅や地下街で水没の危機があったら、高荷さんならどうされるか、いつかお話いただけたら嬉しいです』ということで、ご質問をありがとうございます。
多い浸水事例
- 大雨による地下浸水での事故は、度々報道されています。
- つい先日、7月19日にも、滋賀県近江八幡市の地下道で、60代から70代の女性が死亡したと報道がありましたが、大雨で冠水した歩行者用の地下道で溺れたためと見られています。
- また同じ日に同じ滋賀県の草津市では、線路の下を通る道路が冠水し、ここを通ろうとした乗用車が動けなくなり、35歳の母親と7歳の女の子が救助されたという報道もなされています。
- 突発的なゲリラ豪雨などが生じると、あっという間に地下街やアンダーパスなどが浸水するため、うっかり水に入ってしまって溺れるという事故は、毎年の様に発生しています。
ではどうすべきか
- では地下鉄や地下街を利用する際に、水没の危機があったらどうすべきでしょうか。まず大前提として、沈み行く地下街から安全に脱出できる裏技はありませんので、そもそも沈んでしまう前に地上へ出ていなければいけない、というのが原則となります。
- 理想論を言えば、大雨が降っている状況では、地下鉄や地下街は利用しないということになりますが、現実問題として、大雨が降っている時こそ、地下鉄や地下街を利用したくなりますよね。私自身も、大雨が降っている状況では、傘をささなくてよい地下街があれば大喜びで潜っていくでしょう。
- こうした状況を回避するためには、まず大雨が降っている状況で地下に降りる、車でアンダーパスなどを通ろうとする場合には、普段以上に注意力を発揮することが重要になります。車の運転中であれば、もしかしたら冠水しているかもしれないと考えて前方に注目し、いつでも車を止められるようにする。
- 徒歩で地下に降りる階段を歩く際には、地上から地下に水が流れ込んでいるような状況であれば、地下に降りるのをやめる。降りている階段は問題無かった、地下に降りるにつれて水がたまっている様子が見えた場合は、即座に引き返す。
- など、まず沈んでいる場所に行かない、引き返すという意識を持つことが重要です。大丈夫だろうと思って突入し、冠水した場所に突っ込んでしまったら、もう引き返せないかもしれないからです。
地下にいるときに水が来たら
- 一方、すでに地下にいるタイミングで大雨が降り、逃げる間もなく浸水が始まってしまった場合はどうすればよいでしょうか。これも確実な答えはなく、とにかく浸水が始まった段階で素早く地上へ逃げるだけです。
- 地下の水没で怖いのは、まずドアが空かなくなることです。外開きになっているドアは、外に水がたまると水圧で空かなくなってしまいます。玄関や部屋などのドアは内開きになっていますが、避難経路上にあるドアは基本的に外開きです。素早く逃げなければ脱出経路を失ってしまう可能性があります。
- また、冠水した水面に漏電対策がされていない電線などが触れると、感電の恐れがあります。漏電対策がされている場合は、浸水時に電気が落ちるということになりますので、照明をうしなって行動ができなくなってしまいます。
- 照明の配線と、コンセントなどの配線が別系統になっていれば、照明は確保される可能性もありますが、浸水の影響で建物自体が停電してしまう可能性もあり、やはり照明問題が重要になります。
- など、とにかく、地下で浸水に巻きこまれた場合、こうすれば助かるという裏技はありませんので、異変に気づいた瞬間逃げ出すことが重要になります。足下に水がきた場合、地下で停電した場合、避難を呼びかける放送などが流れた場合などは、
- 誤報かもしれないとか、まだ大丈夫だろうとか考えず、とにかく素早く地上を目指す、それしかできることはありません。これは地下で火災に巻き込まれた場合も同様です。ぜひ、自分自身が率先避難者になれるよう、意識を持ってください。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「地下における浸水対策」のお話でございました。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!