Voicyそなえるらじお #423 日本海側最悪…北海道渡島大島の山体崩壊による大津波
最終更新日:
執筆者:高荷智也

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、8月29日(月)、本日も備えて参りましょう!
山体崩壊が怖すぎる
本日のテーマは「寛保津波(かんぽうつなみ)」のお話です。
- ちょうど281年前の本日、1741年8月29日(寛保元年7月19日)に、北海道の奥尻島の南に位置する渡島大島(おしまおおしま)で大規模な噴火が発生しました。
- この噴火では山そのものが崩れる最悪の災害、山体崩壊が発生し、この山体崩壊により海になだれ込んだ土砂が大津波を引き起こし、北海道から日本海沿岸、また朝鮮半島にも津波が到達し、特に距離の近かった北海道松前藩では2000名を超える死者が発生する大災害となりました。
- 人口の少ない当時での死者2千名ですから、想像を絶する大規模災害であったと想定されていますが、実際日本海側で発生した津波としては歴史的にも最大級のものと考えられています。
- 渡島大島は火山島ですが、この時の噴火から50年ほど活発な火山活動を繰り返し、それ以来200年以上は目立った噴火は生じていません。全体的に険しい地形をしていることから人の居住には向いておらず、現在は日本で一番大きな無人島となっています
山体崩壊による津波
- 山そのものが崩壊するという、噴火災害の中でも最悪の被害をもたらす山体崩壊による津波は、過去にも生じています。
- 日本で最も有名と言いますか、最悪の被害をもたらしたのは、1792年に現在の長崎県・雲仙岳で発生した眉山の山体崩壊による津波です。通称「島原大変肥後迷惑」と呼ばれる災害ですが、1万5千名もの死者を出した日本の歴史上最悪の火山災害です。
- また最近でも、2018年の12月22日、インドネシアのジャワ島とスマトラ島が地震などが生じていないにもかかわらず、突然大津波に襲われ、400名以上の死者が発生する災害が生じましたが、これも火山の噴火による山体崩壊で生じた津波です。
- 山体崩壊による津波は、地震などが観測されない可能性も高く、ある種不意打ちでやって来ます。
- 過去の放送でもお話をしたことがありましたが、津波は地震以外でも生じるということを知っておき、地震に伴わない津波警報などが発生された場合にも、誤報かと思わずすばやく逃げることが重要なのです。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「寛保津波(かんぽうつなみ)」のお話でございました。
- 8月30日(火)11時~
- ショップチャンネル生放送で「クッション型多機能寝袋」の販売を行います。
- 同・8月30日(火)の夜23時~
- 『GReeeeN HIDEの ミドリの2重スリット』で防災のお話をします。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!