備える.jp
サイトメニュー仕事依頼・お問合せ

Voicyそなえるらじお #429 冬の日中に氷点下となる地域の「停電×暖房」対策

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #429 冬の日中に氷点下となる地域の「停電×暖房」対策

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、9月6日(火)、本日も備えて参りましょう!

あと2ヵ月遅かったら

本日のテーマは「冬の暖房対策」のお話です。

  • 本日9月6日は、4年前に北海道胆振東部地震が発生した日です。
  • 2018年(平成30年)9月6日の深夜3時7分、北海道胆振地方を震源に、マグニチュード6.7・最大震度7を観測する大地震が発生しました。
  • 北海道では初めての震度「7」が観測され、特に土砂災害により43名の方が命を落とされる震災となりました。
  • この北海道胆振東部地震では、大地震そのものによる被害に加え、地震の揺れで北海道最大の火力発電所が停止したことで、電力需給のバランスが崩れ、北海道全域が停電する「ブラックアウト」が発生したことが、大きな特徴となっています。
  • 幸いにして季節は9月、冬の訪れが早い北海道もまだ寒さに震える季節ではないことが幸いしましたが、もしこの大地震が冬だったら、北海道全域で停電が生じて暖房が停止したら、一体どのような被害に発展したのか、大きな課題を残す地震となりました。

冬の暖房対策

  • 北海道、東北、また標高の高い山の上など、冬場に日中の気温が氷点下となる地域では、暖房の確保はそのまま命に直結します。
  • 熊やリスのように冬眠できる特異体質をお持ちでない場合は、必ず停電時にも使える暖房器具を確保することが、死なないための防災対策として必要になります。
  • 私が住んでいる静岡県三島市は、冬でも日中であれば氷点下となる日はほとんどなく、雪がぱらついただけで子どもと犬が庭に飛び出す、温暖な地域であるため、予備の暖房器具は「カセットガスストーブ」程度しかありません。
  • ここからのお話は体験談ではなく、調べてまとめた内容であることをお断りいたします。

FF式ストーブ

  • 冬暖房がないと死ぬ地域では、灯油やガスなどを用いたセントラルヒーティング、寒気が不要なFF式ストーブ、あるいはエアコンなどが使われます。
  • 共通するのは、いずれも電気が止まると動かなくなることです。
  • そのため、停電時に備えた電源を確保するか、電気を使わないスポット暖房を予備で準備する必要があります。
  • これはYouTubeなどで拝見した動画からの引用ですが、FF式ストーブはポータブル電源でも問題無く動くようです。点火直後は消費電力が大きく、安定燃焼に移行すると消費電力が小さくなります。
  • ストーブのサイズとポータブル電源の容量にもよりますが、1000から2000Wh程度の大型タイプであれば、FF式ストーブを1日から2日程度動かすことができるようです。
  • 自宅のメイン暖房がFF式ストーブ、あるいは通常のファンヒーターである場合は、いちどポータブル電源で稼働するか、どのくらいの時間使えるか、を知っておくとよいでしょう。
  • 電気で動くタイプの木質ペレットストーブなどを使っている場合も、ポータブル電源で動くかどうかチェックしておくとよいと思います。

ポータブルストーブ

  • 電気を使わない暖房器具を準備する場合は、日頃使っているメイン暖房器具と同じ燃料を用いたポータブルタイプのストーブを使うのが、燃料備蓄が楽になるため便利です。
  • 石油タイプのFF式ストーブを使っているのであれば、電気を使わない反射式のストーブを用意する。
  • 電動対応の薪ストーブ・ペレットストーブを使っている場合、停電すると動かないのであれば、電気レスタイプのストーブも準備しておく。
  • 石油も薪も使っていない場合は、カセットガスストーブなどを準備し、予備のガスボンベも潤沢に用意することになります。ちなみにノーマルタイプのカセットガスボンベは、氷点下になると液化ガスが気化しなくなるため、使えなくなります。
  • 缶を温めると液体のガスが気化して使えるようになりますので、例えば使い捨てカイロなどを準備しておくとよいでしょう。もちろん加熱しすぎると缶が破裂しますし、メーカーからは缶の温めはNG行為と説明書などに書かれていますが、非常時にはやむを得ませんので、知識としては知っておいてください。
  • しかし、やはり熱量では石油ストーブや薪・ペレットストーブが圧倒的ですし、お鍋ややかんを上に置けるタイプであればそのまま煮炊きもできますので、できれ石油や薪を日頃から使う様な暖房器具を、平時から使うのが、寒さで死ぬ恐れのある地域においては必要なのではないかと思っています。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「冬の暖房対策」のお話でございました。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

新着のブログ記事

ブログカテゴリ

ブログアーカイブ

備える.jp 新着記事