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Voicyそなえるらじお #511 国内に「44万」箇所!ガケは突発的に崩れるものと認識する

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #511 国内に「44万」箇所!ガケは突発的に崩れるものと認識する

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、1月6日(金)、本日も備えて参りましょう!

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。

本日のテーマは「土砂災害」です。

  • 昨年末2022年12月31日、山形県鶴岡市で突発的な土砂崩れが発生し、およそ10棟の建物が倒壊し、この建物のひとつに住まわれていたと思われる、高齢の夫婦と見られる方、2名が死亡する事故が発生しました。
  • このがけ崩れは、大地震の揺れや、直前の大雨・大雪といった直接的な原因となる現象を伴わず、突破てきに発生したことが特徴です。
  • ニュース報道による専門家のコメントでは、12月全体の降水量が500ミリ以上と多く、これが間接的な原因ではないかと指摘がありますが、やはり土砂崩れの前に何かの前兆が観測されていた訳ではないため、発生を察知することは難しかっただろうと想定されます。

2020年2月5日…神奈川県逗子市で崖崩れ

  • 突発的な土砂崩れと言えば、2020年2月5日、逗子市内の斜面が前触れ無く突然崩落し、当時高校3年生だった女子生徒1名が、推定68トンもの土砂に押しつぶされ、死亡する事故が発生したことがありました。
  • この土砂災害も、直前に大雨が降っていたわけでもなく、地震などが発生したわけでもなく、突然発生した崖崩れでした。
  • 崩落現場は、5階建てのマンションの下に位置する、高さ約15メートル、幅約30メートルのがけで、地面から半分までの高さは擁壁で補強されていましたが、上半分の7メートルほどは土がむき出しの状態になっていました。
  • このがけは、土砂災害警戒区域に指定されており、大雨や大地震が発生した際には特に注意が必要な場所としてハザードマップなどにも記載されていましたが、そうしたきっかけがなく、ある日突然突然崩落するとは想定されておらず、命を落とした女子生徒の方や残されたご家族にとっても、まさに青天の霹靂という状態であったと想像されます。

土砂災害特別警戒区域

  • 今回山形県鶴岡市で発生した土砂崩れも、発生そのものについては突発的なものでありましたが、完全に想定外だったかと言えばそういう訳でもなく、崩れた山の斜面は「土砂災害特別警戒区域(急傾斜地の崩壊)」という地域に指定されていました。
  • 日本は山が多い国ですが、土砂災害の発生時に被害が想定される地域については、土砂災害警戒区域に指定され、ハザードマップなどに記載されています。
  • 2022年9月末時点の指定箇所は…
  • 崖崩れの恐れがある場所が全国で44万7千箇所、
  • 土石流の恐れがある箇所が全国で21万5千箇所、
  • 地すべりの恐れがある箇所が全国で1万6千箇所、
  • 合計すると67万8千箇所もの場所が、土砂災害警戒区域に指定されています。ちなみに2年前、2020年時点では63万3千箇所でしたので、この2年間で4万箇所ほど指定箇所が増えていることになります。
  • 身近な場所にも、崖崩れ、土石流、地すべりなどが生じる場所があるかもしれませんが、これらは自治体のハザードマップに載っていますので、ぜひ確認をしてみてください。
  • 今すぐチェックをしたい場合は、目の前にあるスマートフォンかパソコンで、「重ねるハザードマップ」と検索をします。
  • 重ねるハザードマップは、国土交通省が提供している、WEBのハザードマップ閲覧サービスで、日本中好きな場所の地図に、津波・高潮・洪水・土砂災害のハザードマップを重ねて表示できる地図です。登録不要、だれでも無料で利用できます。
  • この地図で、自宅・職場・学校、通勤・通学に使っている道が、土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域などに指定されている場合は、大雨や大地震の際はもちろん、日頃から突発的な土砂災害に注意する必要があるということになります。

日頃の意識を

  • がけは、前触れ無く、ある日突然崩れるかも知れない」という教訓が、改めて浮き彫りとなりました。国土交通省などが土地の所有者に対して、斜面の自主点検時のポイントを示していますが、これによりますと、
  • ①斜面に亀裂がある、②斜面に大きな石が浮き出ている、③落石がある
  • これらの現象が見られる場合は、斜面が不安定になっている可能性があるため注意が必要ということです。
  • このポイントは、土地の所有者だけで無く、日常生活でがけの近くを歩く場合にも有効なチェックポイントですので、ぜひ気にしてみてください。
  • また、長期的な長い話としましては、根本的には土砂災害警戒区域に建物を建てないことが重要になります。人口が減っていき、住宅が余る社会です、自分はもう引越ができる年齢ではないとしても、子ども、孫、親戚や知人、若い未来のある世代に対して、安全な場所へ家を構えることを、日本全体の取り組みとして進めて行く必要があろうかと思います。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「土砂災害」のお話でございました。

  • 告知がひとつ…Voicy生放送にゲスト出演させていただきます。今回お邪魔いたしますパーソナリティさまは、整理収納アドバイザー」のmisaさんで、『misaの暮らし片づけおやつのじかん』というチャンネルを運営されています。
  • 暮らしと備えの相談室や、防災アイデアの発信、家族みんなで心地よい暮らしを叶えるための小さな工夫をお話しされているチャンネルです。
  • こちらに、来週末1月13日(金)の夜21時半からゲストとしてお話をさせていただきます。よろしければぜひお聞きくださいませ。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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