Voicyそなえるらじお #707 輪中(わじゅう)に学ぶ水害対策②…沈む土地には沈まない場所を
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執筆者:高荷智也

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、10月24日(火)、本日も備えて参りましょう!
輪中に学ぶ水害対策
本日のテーマは「輪中に学ぶ水害対策2」のお話です。
- 前回に引き続き、今回は水害対策の昔と今のお話。
- 【360度動画】輪之内町「輪中」に学ぶ水害対策!1000年間の治水の歴史を巡る
輪之内町と水害対策について
YouTube撮影用に、事前にメモをしていた内容です。このメモを使って、上記動画の撮影をしてきました。
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④水屋
「水屋」は輪中地域特有の名称で、堤防によって防ぎきれない水害に備えてつくられた倉庫または避難施設、と言い換えることができます。 洪水時の避難場所として、また米や日用必需品を蓄えておく倉庫として、母屋とは別棟で石積みの高い土台の上に建設されています。 「水屋」は輪中地域の特色ある建物であり、輪中景観を代表するものです。
近年こうした石垣や水屋は撤去が進んでいるということですが、水害が増加する恐れのある現代、あらためて「浸水しても、沈まない場所」を建物で作る対策も必要なのではないでしょうか。
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⑤十連坊輪中堤
輪之内町の最北端にあるのが、江戸時代以前に築かれた堤防の後です。明治時代の木曽三川分流工事で、この堤防は役目を終えましたが、このような「割り切り」を設けることで交通の便を確保し、堤防は残されました。
実際、1976年(昭和51年)9月12日に岐阜県で発生した通称「9.12水害」では、この堤防の北側で大規模な河川の決壊が発生しましたが、この割り切りを住民総出で閉鎖することにより、十連坊堤によって福束輪中の地域が水害を免れています。水害増加時代、改めてこのような、小規模な水防施設の役割が増しているのかも知れませんね。
さらに、こうした堤防の上には、水防倉庫が設けられています。災害発生時に沈んではならない設備は、こうした倉庫に収め、緊急対応に使われます。皆様の自治体やマンションにある防災倉庫はどうでしょうか、沈んで困る物は沈まない場所に準備する、という対応が必要ですね。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「輪中に学ぶ水害対策2」のお話でございました。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!