Voicyそなえるらじお #716 災害を怖がる人、訓練を怖がる子ども、どんな言葉と対応をする?
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執筆者:高荷智也

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、11月7日(火)、本日も備えて参りましょう!
おばけなんてないさ、おばけなんてうそさ
本日のテーマは「子どもと防災教育・防災訓練」のお話です。
- 本日はコメント欄にいただいたご質問への回答です。
ご質問
- 質問を下さいましたのは、「めるちゃん」さん
- 『この度、防災士の試験に合格したので、来年から活動をしていこうと思っています。先日、子供から防災訓練の時に怖くて泣いているお友達(幼稚園、小学校)がいると聞きました。訓練でそのようなら、いざというときには本人やその家族はちゃんと避難出来るのだろうか?と思います。怖くて動けない人達に、少しでも安心して落ち着いて動いてもらうにはどう関わっていけばよいと思いますか?皆様の御意見を頂戴したいです。』
言葉とだっこ
- 防災訓練を怖がる子どもに、どのような言葉をかけたり行動を促すか。
- 2つの方向性でお話をします。
- まずはその場での声のかけ方…ですが、私はカウンセリングや児童心理の専門家ではないので、怖がる子どものなだめ方、というのはよく知りません。
- そして、地震や津波などの自然災害は確かに怖い物ですし、建物火災も恐ろしい物です。子どもだけでは無く大人でも恐ろしい物です。実際怖いものを対象として訓練をする際に、大丈夫、怖くないよ、ということを言ってもダメだろうなと思っています。だって怖い物はこわいから、しょうがないですよね。
- この場合は、怖くないから大丈夫ではなく、私が一緒にいるから大丈夫という方向性での声かけが有効なのかなと思っています。さらに物理的に可能ならば、絶対に手を離さないで、あるいは○○ちゃんと手をつないで絶対に離さないで、というような、身体の接触などで安心感を与えるという方法でしょうか。
- 基本的に怖がる子どもに対しては、言葉による安心感だけでなく、抱っこして上げる、手をつないで上げる、という接触による安心感を与えることが大切なのでは無いかなと思います。災害を怖がるペットなども同様ですね。
- ということで、訓練あるいは本番で災害を怖がる方がいる場合は、理屈抜きで「一緒にいるから大丈夫だよ、だっこしてあげるから大丈夫だよ」作戦かなと思います。
ロジックと訓練
- 災害を怖がる子ども、人への対応、もうひとつの方向性は教育と訓練です。
- 災害にせよ、おばけにせよ、日本の未来にせよ、なんとなく恐怖を覚えるのは、その実態がよく分からないからです。
- 子どもの頃に怖かったものが、大人になると怖くなくなるのは、実態をりかいできるからですね。子どもにとって、真夜中に電気を点けずにトイレに行く、というのは怖すぎる行為ですが、大人になれば平気になります。電気を点けなくても怖い現象など起こらない、ということを知るからです。
- 災害についても同様です。災害が怖いのは、実態がよく分からないからです。子どもだけで無く大人も同じです。
- これをなんとかするには、防災のことを学ぶ、訓練をする、そして対処方法を身につけることが重要です。地震や火災の実態をしり、防災訓練や防災体験施設で実際の揺れや煙を体験し、そして事前対策や避難をすれば大丈夫、ということをしれば、災害の恐怖は薄れます。
- 子どもが災害を怖がるのは当たり前で、怖くないと言っても怖い物は怖い、ではどうすればよいか、事前教育、訓練、これをきちんとすることで、逃げれば大丈夫なんだ、逃げるための訓練がこの避難なのだ、ということを伝えるのが重要だと思います。
- 初めての防災訓練で怖がるお友達がいるならば、次までに怖かったポイントを教えてあげることで、大丈夫にしていくことができます、これが訓練の目的であり意義でもありますね。
- そしてこのような防災教育・啓蒙活動をがんばれるのが、防災士の役割です。ぜひできる活動から参加をしてみてください。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「子どもと防災教育・防災訓練」のお話でございました。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!