Voicyそなえるらじお #741 「税」…今年の漢字に見る2023年の防災・災害世相について
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、12月14日(木)、本日も備えて参りましょう!
9年ぶり2度目の「税」
本日のテーマは「今年の漢字」に関するお話です。
- 先日、毎年恒例の「今年の漢字」が発表されました。
- 2023年の今年の漢字に選ばれたのは、税金の「税」です。
- 今回はこのお話…
2023年「今年の漢字」1位の解説
- 2023年の今年の漢字「税」、公式WEBサイトで3つのポイントが公開されていますが、以下の通りです。
- ①一年を通して増「税」議論が活発に行われた
- 防衛力強化に必要な財源を賄うため、法人「税」、所得「税」、たばこ「税」の 3 つの「税」目での増「税」に関する議論が行われた。賛否両論がある中、増「税」されるのではないかと多くの国民が不安に感じた。
- ②所得「税」・住民「税」の『4 万円の定額減「税」』が話題に
- 過去 2 年間の「税」収増の還元として、岸田首相から、所得「税」と住民「税」の定額減「税」が実施されることが示された。あわせて行われる低所得者世帯への支援や所得制限の有無など、国民が関心を寄せる検討・議論が多くなされた。
- ③インボイス制度やふるさと納「税」など、多岐に渡る「税」にまつわる話題が取り沙汰された
- インボイス制度や、ふるさと納「税」のルール厳格化、酒「税」改正、新NISAなど、今年は様々な「税」にまつわる改正や検討がなされ、一年を通じて「税」に関する様々な話題が続いた。
「税」は9年ぶり2回目
- 「税」という文字が今年の漢字に選ばれたのは、2014年以来2度目となります。2014年は17年ぶりに消費税の増税が行われた年で、5%から8%への増加となりました。生活にも大きな影響が生じて、選ばれた漢字は「税」だったということで、今年2023年と同じような背景となります。
- しかし、消費税が8%に増加してからわずか5年後、2019年に消費税が10%に引き上げられましたが、昨今の増税や社会保険料の増加、円安によるガソリンや輸入品の値上げなど、厳しすぎる状況が続いておりますね。イヤな意味で大変なっとく感のある今年の漢字だったと思います。
記録的な猛暑
- 今年の漢字、第1位は「税」でしたが、第2位は猛暑の「暑」、暑いという漢字でした。最近毎年の様に記録的な猛暑に襲われていますが、2023年は夏の平均気温が統計開始以来最高となるなど、いよいよ地球温暖化による気候変動を強く感じる影響もあり、なっとくの「暑」という選定です。
- 第3位は戦争の「戦」、戦うという漢字でした。戦うという漢字は、2022年の今年の漢字で1位に選ばれました。コロナウイルスとの戦いや、ロシアによるウクライナへの武力侵略などが強く影響しての選定でしたが、今年の第3位は主にスポーツにおけるポジティブな影響があったようです。
- ちなみに第4位はタイガー「虎」でしたが、おそらく虎を投票した方の90%は関西在住の方だったのではないでしょうか。
過去にも災害ネタは多い
- 今年の漢字は、ポジティブな年もあれば、ネガティブな年もあります。
- 特に、自然災害などが頻発した年には、ネガティブな漢字が選ばれることがよくあります。
- そもそも、今年の漢字が誕生したのは1995年ですが、95年と言えばなんと言っても阪神・淡路大震災から1年が始まり、3月にはオウム真理教による当時世界最悪の化学テロ事件となった地下鉄サリン事件が起こるなど、まさに世間が震えた年だったということで、初めての「今年の漢字」は、ネガティブセレクトな震える「震」という漢字でした。
- その後も、ダイオキシンや環境ホルモンが問題となり、和歌山カレー毒物事件などが発生した1998年は「毒」が。
- 9.11米国同時多発テロや、デフレ・失業・BSE狂牛病問題が本格化し、国家も生活も戦場に引きずり込まれた2001年は「戦」が。
- 新潟中越地震、浅間山噴火、記録的な台風の上陸、猛暑による農作物被害などが相次いだ2004年は「災」が。
- 3.11東日本大震災が発生した2011年は「絆」が。
- 島根西部地震、大阪府北部地震、北海道胆振東部地震、台風21号と24号などが相次いだ2018年は再び「災」が。
- 新型コロナウイルス感染症一色となった2020年は「密」が。
- そして戦争・ミサイル・暗殺・社会不安の要素が強くなった今年2022年は「戦」が。
- などなど、自然災害や社会を揺るがす事件が生じると、度々今年の漢字にも災害世相が現れることになります。
- 忘れた頃にやってくる天災を思い出すためのイベントとして、こうした今年の漢字という行事を使って見るのも、よいなと思います。
私個人の今年の漢字
- ちなみに、これも毎年恒例、私の個人的な今年の漢字はなんだったかなと振り返ってみますと…
- 2021年は、プライベートにおいては39歳となり人生前半の最後の1年を迎え、一方ビジネス面においてはコロナ禍で始めたYouTubeやVoicyなどがまだまだ道半ばということもあり、半分の「半」、半ばという漢字を選びました。
- 2022年は、プライベートにおいては長男が高校へ、三男が小学校へ進学しましたり、仕事の面では書籍の出版を初め防災ビジネスが進展するなどしました。とうことで、40歳となり人生の後半戦をうまく進めて行きたいという思いから、進行の「進」、進むという漢字を選びました。
- 2023年は、プライベートにおいては過去で一番家族との交流が行えなかった、仕事まみれの良くない1年でした。逆に仕事においては、コロナ禍が明けて現場の交わりが戻ってきましたり、また1月には初めてのタカニストオフ会が、その後も北海道と東京で交流会を開催できたことが印象的ですので、交流の「交」、交わるという言葉を選びたいと思います。
- 2024年はどのような文字を選ぶことができますでしょうか。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「今年の漢字」でございました。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!