Voicyそなえるらじお #747 冬の線状降水帯…JPCZ「日本海寒帯気団収束帯」の大雪に備える
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、12月21日(木)、本日も備えて参りましょう!
JPCZ:日本海寒帯気団収束帯
本日のテーマは「大雪への備えとJPCZ」に関するお話です。
- 本日12/21(木)から23日(土)にかけまして、この冬で一番の強い寒気が日本列島に流れ込み、日本海側を中心に大雪となる地域が増えそうだ、ということで警戒が呼びかけられております。
- さらに所により、JPCZによる大雪の想定がありますが、このJPCZ、最近よく聞く言葉ですが何なのでしょうか。というお話です。
大雪への警戒
- まずは大雪に関するお話ですが、本日21日(木)から明後日23日(土)にかけまして、いわゆる冬型の気圧配置が強まり、今シーズンで一番強い寒気が大陸から南下してくるということです。
- ニュース報道などを見ておりますと、最強寒気とかやや煽り気味の言葉も使われていますが、あくまでも2023年冬シーズンで一番つよい寒気という意味であり、強さ的には例年並み程度だということです。
- 最も、だから警戒をしなくてよいのかといえばそういうことでは無く、地域によってはかなりの大雪や、短期間での強い雪が降る恐れがあるということで、天気予報をよく見て、周辺に積雪の予報が出ている場合は、雪への準備を行ってください。
- 特に、今回が今シーズンの初雪となる地域の場合は、外出時の靴や服装は適切か、滑ってひっくり返る格好になっていないか、また自動車に乗る場合は間違ってもノーマルタイヤになっていないかなどを確認ください。
- また、自分自身が準備万端でも、備えられていない人に巻きこまれると悲しい思いをします。特にクルマなどは、99%のクルマが準備万端でも、数台のノーマルタイヤが立ち往生すると、それで地域全体の身動きが取れなくなってしまうため、自動車立ち往生セットなども積んで置くとよいでしょう。
- また鉄道やバスなども遅延などが生じる恐れがありますので、普段より時間にゆとりを持って、木曜・金曜・土曜辺りはお出かけください。焦って走って転んで転倒して頭をぶつけて死ぬというのは、それほど珍しいものではありませんし、悲しい死因となります。
JPCZ:日本海寒帯気団収束帯
- 近年、大雪のニュースが報道される際に、しばしば「JPCZ」による大雪といった言葉を聞くことが増えています。
- JPCZ、正式には
Japan-sea「日本海」
Polar airmass「寒帯気団」
Convergence「収束」
Zone「帯」 - の頭文字を取ったもので、「日本海・寒帯気団・収束帯」と表現される気象現象です。最近では、雪の線状降水帯とか、線状降雪帯、などの表現が使われることもありますが、このJPCZが発生すると、同じ場所に大雪が降り続けることがあり、雪害をもたらすことのある現象です。
- 冬型の気圧配置とよく言われますが、西の大陸から日本海側に強い高気圧、東の太平洋側に発達した低気圧のある、西高東低の気圧配置です。
- この西高東低の気圧配置が強まりますと、大陸方面から冷たい風が日本海に流れ込んできます。この時、高い山がたくさんある北朝鮮辺りでこの冷たい風が南北に分断されますが、山を越えて日本海まで到達すると再び合流して、風がぶつかり合い大きな雲を作りやすい状態となり、雪雲が発達しやすくなります。
- この、冷たい風が収束して、雪雲を作りやすくなるエリアを、JPCZと呼ぶのですが、地域的には東北南部・北陸・山陰辺りで発生しやすくなり、この辺りにすさまじい大雪をもたらすことがあります。
大雪への警戒を
- 夏場の場合は、近年毎年の様に「線状降水帯」による大雨被害を受けやすくなっていますが、冬場の日本海においては、JPCZによるドカ雪への警戒が必要となります。
- 特に近年、日本海の海水温が高い状態が続き、ここに寒気がなだれ込むと大量の水蒸気が雪雲を作りやすくなり、大雪につながりやすくなります。JPCZが発生すると、日本海側だけでなく、特に関ヶ原を超えて雪雲がなだれ込む名古屋やその周辺でも大雪になることがあるため、警戒が必要です。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「大雪への備えとJPCZ」でございました。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!