Voicyそなえるらじお #746 中国・甘粛省での大地震…巨大地震の多い地域の進まない地震対策
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、12月22日(金)、本日も備えて参りましょう!
12月に多い南海トラフ地震
本日のテーマは「南海トラフ地震」に関するお話です。
- 先日、戦争による情報統制で隠された大震災となった、昭和の東南海地震のお話をいたしましたが、その2年後に発生した昭和の南海地震が発生したのが、昨日12月21日でした。
- 実は直近で発生した南海トラフ地震、過去3回が全て12月の発生となっています。本日はこの辺りのお話。
なぜか12月に発生する最近の南海トラフ地震
- 前回の昭和南海トラフ地震は、1944年の東南海地震が12月7日、1946年の南海地震が12月21日に発生しています。
- さらに、前々回の江戸・安政の南海トラフ地震は、12月23日に安政東海地震が、翌日12月24日に安政南海地震が発生しています。
- 前前々回の江戸・宝永の南海トラフ地震は、10月28日の発生でしたが、その49日後、12月16日に富士山の宝永噴火が発生しています。
- また、平安時代に発生した南海トラフ地震も日付が12月11日の発生だったものがあります。
- 過去4回の南海トラフ地震、およびそれに伴う巨大噴火が12月に集中しているため、なんとなく次の南海トラフ地震も12月に起こるのか…と不安になりますが、これは偶然です。
- 南海トラフ地震の記録は1000年以上ありますが、たまたま直近3回が12月に関連する日付だっただけで、他の地震は他の月に発生しています。安心して良いわけではありませんが、常に備えるということが重要だというお話になります。
過去の南海トラフ地震
- 日本の歴史上、最大規模の大地震が江戸・宝永の南海トラフ地震だったのですが、その前は1605年の2月3日、江戸時代の最初期に発生した慶長地震です。慶長地震は地震の揺れの被害はほとんど無く、突然津波が発生した「津波地震」でしたが、南海トラフ地震ではない別の地震だったかもしれない、といった評価もある地震です。
- 慶長地震の前は、1498年9月11日、室町時代末期に発生した明応地震です。四国周辺で生じる南海地震は未発生で、静岡から紀伊半島にかけての東海地震だけだったという説もある地震です。ちなみにこの地震で、浜松市にある当時は普通の湖だった浜名湖が、海とつながり汽水湖となりました。
- 明応地震の前は、1361年7月26日、南北朝時代に発生した正平地震です。正平地震はかなり大きな地震だった可能性があり、津波の被害の記録も多く残されています。
- 正平地震の前は、1096年12月11日、平安時代後期に発生した永長地震です。この地震は、南海トラフの東側が揺れる東海地震だったと想定されていますが、この3年後、1099年2月16日に、康和地震(こうわじしん)と呼ばれる南海地震が発生し、昭和の南海トラフ地震と同じような2年ズレの連動型地震だった可能性があります。
- 永長・康和地震の前は、887年8月22日、平安時代の前期に発生した仁和地震(にんなじしん)です。地震の揺れや津波による被害が、文章で残されています。ちなみにこの仁和地震の23年前、864年7月2日には、富士山で貞観噴火と呼ばれる大規模な噴火が発生しています。貞観噴火は詳しい調査がされている過去5400年で最大規模の噴火だったと想定されています。
- 仁和地震の前は、684年11月26日、飛鳥時代の後期に発生した、白鳳地震(はくほうじしん)です。揺れによる建物倒壊、地盤沈下、液状化、津波などの被害が、最古の歴史書のひとつ、日本書紀に記述が残されており、文章で残されている南海トラフ地震の記録としては一番古いものになります。
- 白鳳地震の前にも、文章による記録はありませんが、5世紀前半頃や、弥生時代にも南海トラフ地震の痕跡とみられるものが残されています。
- ということで、分かっているかぎり全ての南海トラフ地震の日付を振り返ってきましたが、12月に発生している地震が多いもの、偶然であると考えられる程度の数ですので、引き続き常に備えて参りましょう。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「中国における地震被害」でございました。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!