Voicyそなえるらじお #542 分かりやすいだけの防災アドバイザーがAIに変わられる日
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、2月20日(月)、本日も備えて参りましょう!
#気になる最新テクノロジー
本日のテーマは「防災とAI技術のお話」です。
- 今回はVoicyの週次トークテーマから「#気になる最新テクノロジー」という話題を取り上げてお話をいたします。
AIは必需品になっている
- 最近、AI技術の進化に関する記事や報道をよく目にします。
- AIに仕事を奪われるとか、そういう文脈の場合はちょっと悲観的なお話も目に付きますが、一方で私たちの生活の中には、すでにAI技術が多く、そして自然に入り込んでいます。
- 例えば電車に乗るときに欠かせない「乗り換え案内」アプリや、
- カーナビやスマホの地図で閲覧する「ナビゲーションシステム」などは、
- 人間ではなくAI技術で最適なルート検索が行われており、私達は毎日のように乗り換え案内や地図のルート検索を、自然に、特に意識せずに使っています。一昔前は、時刻表と路線図を見ながら乗り継ぎをチェックしたり、紙の地図でドライブの計画を立てていましたが、いまそのようなことはしませんね。
- もし、「鉄道乗り換えアドバイザー」や、「ドライブルート作成スペシャリスト」なる仕事があったとしたら、こうした職業はAIに奪われて絶滅したと言えるかもしれません。あるいは、鉄道の駅員さんが乗り換えに関するアドバイスをしていたとしたら、そうした仕事をしなくて良くなったという意味では、AIの活用と言えるでしょうか。
- その他にも、ゲームの世界はAI技術がみっちりですし、クラウドの経理サービスではAIが自動的に仕訳をしてくれますし、カメラで写真を撮ればその内容を自動的に読み取ってくれたりもしますが、これらは全てAI技術の固まりです。
- かつては人が行っていた作業が、徐々にコンピュータの画面に置き換わりつつあり、そしてこれは今後も加速するだろうと思われます。
クリエイティブや対人領域も安心できない
- 防災の領域においても、例えば気象予報士が行っている天気予報などは、スーパーコンピューターのシミュレーションに置き換わりつつありますし、建築士が行っている建物の構造計算にもAI技術が多く使われるようになっています。
- では、AIが浸食してこない領域というのはあるのでしょうか。
- 例えば接客業や、コミュニケーションが必要な仕事などは人間に向いていそうですが、正直怪しい所があります。レストランでは猫型の配膳ロボットがすでに料理を運んでいますし、受付でもペッパー君が対応してくれていますし、電話の問合せなども音声ガイダンスで全て片付いてしまいますし、また最近駅や電車内のアナウンスの音声も、人ではなく合成音声にどんどん置き換わっています。
- さらに、AIには不可能と思われていたクリエイティブ領域に関しましても、AIイラスト、AI音楽、AI小説などがものすごい勢いで進歩しており、部分的にはすでに人間以上の作品を生み始めています。
- では、人間の生身の個性やキャラクター性を打ち出すことができれば、AIには負けないのかといえば、これも怪しい所があります。
- 最近は生身のYouTubeだけでなく、アバターによるVtuberの人気も高いですし、また音楽の世界ではだいぶ前から、生身の歌手だけでなくボーカロイドによる歌やミュージックビデオが当たり前の様に浸透しています。
- こうしたVtuberやボカロキャラクターの中身が、AIによる音声、チャットgptのようなAIによるやり取りに置き換わったとしても、気づけなくなる日はかなり近いのではないかと思っています。
- ということで色々まくし立てましたが、「防災アドバイザー」という職業についても、人間でなくてはできない仕事である期間は、それほど長くないかもしれないなと最近感じているのです。
影響力とファンとのコミュニケーション
- 防災アドバイザーの仕事の中でも、例えば執筆業や監修業は、AIの方が安く早く精度が高くなる可能性はあります。すでに、あまりレベルの高く無いライターさんが書いた防災記事よりも、チャットGPTで出力された記事の方が、分かりやすい記事が作れるようになりつつあり、これを監修するようになる日も近いのではと感じています
- また企業向けのBCP策定コンサルティングなどは、ある程度体系化された流れと、テンプレートなどを用いて行う作業ですので、クラウドサービスなどによる対応に向いています。こうしたコンサル業務の多くも、難易度の低いモノについてはAIによる自動対応に置き換わるのだと思いますし、その方が安く気軽にかつようできてむしろ自動化に向いているのではと感じます。
- 一方で、研究開発や新しい理論などを開発する分野に関しても、シンギュラリティに到達して、AIが自分自身を改良し始める状況に到達するまでは、まだ人間が活躍するだろうと思いますし、常に未知の発見については、一定部分が人間の役割として残るのではないでしょうか。
- では人間が前面に出ているお仕事、例えば講演会やテレビなどでお話をする業務については、例えばニュースのアナウンサーというポジションは、部分的にAIに置き換わる可能性は高いと思いますが、専門家的な人の解説については、人間であることが求められるはずですので、一定の枠は人の仕事として残るのではと思っています。
- そして、こうした「人間でなくてはならない」仕事に就くためには、一定の影響力なり、人間としての魅力なり、あるいは固定のファン層や集客力を持っているといった要素が必要だろうと思います。
- 既存の知識をただ分かりやすく解説できる、これは早晩AIなりアバターと人口音声に持って行かれると思っています。私が昨今、YouTubeやVoicyを行っていましたり、またVoicyで「人間の部分を見せる」プレミアム放送などを計画しているのも、「この人から話を聞きたい」という強みを作る活動の一環なのかなと感じ始めています。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「防災雑談」のお話でございました。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!