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Voicyそなえるらじお #544 入浴時の地震対策、ドア・シャンプー・洗面器…の前に重要なこと

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #544 入浴時の地震対策、ドア・シャンプー・洗面器…の前に重要なこと

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、にゃんにゃんにゃん!2月22日(水)、本日も備えて参りましょう!

鉄板テーマですが事例が少ない

本日のテーマは入浴時の地震対策」のお話です。

  • 本日はコメント欄に頂いたご質問への回答をしたいと思います。
  • 「あやのの」さんからいただいたコメント…
  • はじめてコメントいたします。私はもちろんですが、小学1年生の息子が大変、大変、大変興味深く聞いています!親子で防災について考えるきっかけをありがとうございます。
  • お風呂に入りながら、防水スピーカーで聴くことがあり、ふと息子に質問されました。「お風呂に入っている途中で、地震や災害がきたらどうするの?」私なりにも回答しましたが、確かに入浴中の災害は困る事ばかり。まず、どんな行動を取るべきか?お風呂場に対策は必要か?など、教えていただけると嬉しいです!これからも、親子で楽しみにしています。

入浴時の地震対策

  • ということで、誰もが怖いなと感じる「入浴時に大地震が起きたら」どうするか問題。テレビやメディアでもよく取り上げられるテーマです。
  • まず前提ですが、私自身は、入浴時に大地震の直撃を受けたことはありません。また、2011年の東日本大震災や、1995年の阪神・淡路大震災など、被災者の多い災害が日中・早朝に発生しているため、入浴中に大地震に見舞われた方の体験談や被害の話も少数です。
  • ということで、ここからお話をする「入浴時の大地震対策」は、私なりに考えた机上の空論であることを最初にお断りしておきます。

お風呂対策も耐震性が重要

  • 入浴時の地震対策で最も重要なことはなんでしょうか。揺れた瞬間にドアを開ける、脱衣所に着替えやバスローブをおいておく、停電用のライトを設置する、どれも大切なことだと思いますが、最重要な対策は家を頑丈にすることです。
  • 入浴時に大地震が発生した際、最も避けられない死因は、建物の倒壊によりお風呂ごと押しつぶされることです。もちろんこれは入浴中に限ったはなしではなく、とにかく地震で建物がつぶれると、他にどのような対策を講じていたとしてもあまり意味はなく、即死する可能性が高くなります。
  • そのため、自宅が最低でも新耐震基準、できれば耐震等級3の頑丈な家であれば、それだけで「入浴時の大地震対策」の半分は終わりだと思います。建物が無事であれば、ドアがひしゃげて空かなくなる可能性も低くなりますし、揺れた際に落ち着いて安全行動を取ることができます。
  • ということで身も蓋もありませんが、まぁ厳密に言うとお風呂なので、全裸の身と浴槽の蓋程度はありそうですが、入浴時の地震対策で最も重要かつ効果的なことは、頑丈な建物に住むことです。
  • そして、旧耐震基準の家に住んでいる場合は、入浴時に大地震が生じると、建物倒壊で即死する可能性がありますので、多少の危険を冒してでも、全裸もしくはバスタオルなりバスローブだけを身につけて、走って屋外に逃げることが重要になります。しかし全裸で震度7の揺れの中を移動することは、極めて危険過ぎますので、やはり頑丈な家に住むことはとても重要だといえますね。

室内の対策

  • 建物が無事だとしたら、次にお風呂の中で人を殺しに来る要素は何でしょうか。室内における地震対策では、家具転倒や荷物の落下対策を講じますが、お風呂場の中には基本的に家具や落下してくる重たい荷物はないと思います。
  • 浴室の中で危険物になりそうなのは、カミソリなどが床に落ちたり、お風呂場の鏡や窓硝子が割れて散らばったり、ユニットバスでない場合はタイルなどが割れて床に落ちたりといったことが考えられます。そしてお風呂の中では基本的に裸ですので、通常よりも防御力が極端に低いことが問題です。
  • そのため、自宅がつぶれるという危険がない場合は、強い揺れに見舞われた際にはヘタに動かず、その場で身を低くして転倒を避け、手すりなり浴槽の縁なりをしっかり握って、床などにちらばった危険物の中にダイブしないようにすることが重要だと思います。

ドアをどうするか

  • 次に気になるのは、ドアの対策です。大地震が発生した際、室内のドアなどが歪んで開かなくなると、部屋の中に閉じ込められる恐れがあります。これはお風呂以外の部屋でも同じことが言えるのですが、基本的に全裸であるお風呂は、閉じ込められた際のダメージが大きいため、できれば対策を講じたいところです。
  • そこで、入浴中に、緊急震速報のアラームが鳴ったり、地震の小さなカタカタという揺れを感じた際には、身動きが取れる間にとりあえずドアだけパーンと開けることをクセにするのがよいと思います。ドアを開けて、数秒まって、大丈夫であればお風呂の続き、強い揺れが来た場合はその場で身を守るという形になります。
  • 一方、いきなりドカンと強い揺れが来た場合は、前述の通り、床などにちらばった危険物に飛び込むことを避けたいですので、無理にドアを開けようとせず、その場で揺れが収まるのを待ったほうが良いと思います。
  • 無理にでもドアを開けた方がよいのは、自宅が旧耐震基準の建物で倒壊の恐れがあったり、津波が数分で到達するエリアにあり、浴室からの脱出が遅れると手遅れになる恐れがある地域にお住まいの場合です。こうした状況に限っては、多少無理をしてでもドアを開けることを意識した方が良いでしょう。

揺れが収まった後

  • 揺れが収まった後の行動ですが、良く言われるシャンプーを洗い流すかどうか問題がまずあります。私個人の意見としては、揺れが収まった際、家が潰れそうとか津波がすぐに来るとか、1分1秒を争う状況でなければ、シャンプーなり石けんなりは、浴槽のお湯などを使って洗い流した方がよいと思います。
  • 大地震の後、次に全裸で水をあびられる機会がいつになるかは分かりません。全身のヌルヌルは落としておかないと、その後の生活がかなり厳しいことになるのではないでしょうか。
  • また、濡れたまま冬の屋外などに避難をするとそのまま凍死する危険もありますので、できれば身体を拭いて着替えてから避難をした方が良いでしょう。
  • その後は浴室の外へ出ることになりますが、自分は全裸、足下には危険物、という可能性がありますので、足下をよく確認しながら脱衣所なりに出て、手早く身体を拭いて、服を着て、安全な部屋へ移動するか、屋外への避難を始めるとなります。
  • そのため、脱衣所には、タオルと着替えとスリッパなどは常に確保するようにすべきですし、停電に備えて「停電時自動点灯ライト」などもぜひ設置しておきたいところです。
  • タオル一枚で、バスローブ一枚で、走って屋外に逃げるのは、旧耐震基準の家に住んでいる場合か、室内から出火した場合か、あるいは数分で津波が到達する場合です。そうでなければ、最低限の身支度を優先したほうがよいです。全裸・タオル1枚は想像以上に防御力が低く、そしてモノが手に入らなくなる大地震直後においては、それが致命傷になる可能性も高いと言えます。
  • なお、お風呂から出る際には、浴槽の水はためたままにしてください。断水した場合はそのお湯が貴重な生活用水になります。一方、給湯器のスイッチなどはオフにしておくとよいでしょう。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「入浴時の地震対策」のお話でございました。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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