Voicyそなえるらじお #532 緊急地震速報で「長周期地震動」が発表される条件とすべきことは?
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、2月6日(月)、本日も備えて参りましょう!
相性のよい組み合わせです
本日のテーマは「長周期地震動と緊急地震速報」のお話です。
これまでの緊急地震速報
- 今回のお話は、前々回・#530回目の放送でご紹介をした、長周期地震動と緊急地震速報に関するお話の後編となります。長周期地震動ってなんだっけ、という場合にはぜひ#530回目の放送とあわせてお聞きください。
- 2023年2月1日から、大きな地震が発生した際に、長周期地震動による被害の可能性がある場合に、緊急地震速報が発表されるようになりました。
- 緊急地震速報には、テレビやスマートフォンなどで受信する一般向けの、緊急地震速報(警報)と、特殊なアプリやシステムなどをつかって受信する高度利用者向けの、緊急地震速報(予報)の2種類があります。
- これまでは、地震が発生した際に、最大震度が5弱以上と想定される場合に、緊急地震速報(警報)が、そしてマグニチュード3.5以上または最大震度が3以上と予測される場合に、緊急地震速報(予報)が発表されていました。
- しかし、地震によっては、地上の震度はそれほどではなくとも、高層ビルやタワマンだけを強く揺らす、長周期地震動が発生することがあり、これは従来の緊急地震速報では注意喚起ができないという問題がありました。
これから緊急地震速報
- そこで今回、緊急地震速報の仕組みが見直されまして…
- まず、最大震度が5弱以上、あるいは最大長周期地震動階級が3以上と予測された場合に、緊急地震速報(警報)が発表、
- また、マグニチュード3.5以上または最大震度が3以上か、長周期地震動階級1以上が予測された場合、緊急地震速報(予報)が発表されるようになりました。
- これにより、地上付近の建物と、高層ビルやタワマンのいずれかにおいて、被害が想定されるような地震が発生した場合は、緊急地震速報が発表されるようになった訳です。
3.11の当時にこれがあれば?
- 2011年の東日本大震災を生じさせた東北地方太平洋沖地震の際にも緊急地震速報が発表されました。この地震でも広い地域で長周期地震動が観測されていますが、例えば神奈川、静岡、山梨、長野周辺では、緊急地震速報(警報)は発表されませんでした。
- しかし、長周期地震動の階級3以上が観測されていたことが後からの調査で分かっていますので、今回改正された新しい仕組みが当時存在していれば、こうした地域においても、長周期地震動による被害に備える意味で、緊急地震速報(警報)が発表されることになります。
- ちなみに、東日本大震災の際には、名古屋や大阪でも長周期地震動が観測されていますが、階級に直すと2程度と想定されていますので、今回見直された緊急地震速報の仕組みにおいても、(予報)は発表されますが、一般向けの(警報)は発表されなかっただろう、ということになります。
どう行動すべきか
- では、長周期地震動を含む緊急地震速報を、自分のスマホや周囲のテレビでキャッチした際は、どういう行動を取れば良いのでしょうか。
- 基本的な行動はいまと変わりません。緊急地震速報の怖い音が鳴った際には、地上にいた場合も、高層ビルやタワマンの上層階にいた場合も、身の安全を守る行動を取るだけとなります。
- ただ、長周期地震動の影響を受けやすい建物の上層階においては、建物倒壊の可能性は低いものの、大きな揺れに見舞われる恐れがあります。特に固定されていない家具や家電、とりわけキャスターや車輪がついているものは、私こそが世界の中心であると言わんばかりにゴロゴロゴロゴロと転がり回ることになりますので、こうした危険物から身を守れる場所で身を伏せるなどの行動が必要になります。
- 日頃、高層ビルで仕事をしていたり、タワマンにお住まいの場合は、こうした大地震の揺れで動きやすいものを固定する、場所を把握する、今揺れたらどうするかのイメージトレーニングをする、などの対応が必要です。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「長周期地震動と緊急地震速報」のお話でございました。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!