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Voicyそなえるらじお #561 超!非常時の通信機器、MCA無線・衛星携帯電話・スターリンク…

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #561 超!非常時の通信機器、MCA無線・衛星携帯電話・スターリンク…

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災!そなえるらじお」、3月22日(水)、本日も備えて参りましょう!

基本的にはスマホが最強

本日のテーマは「非常時の通信手段」のお話です。

  • 今回はコメント欄にいただいたご質問への回答です。コメントをくださいましたのは「SAI-ON」さんです、ありがとうございます。
  • 『災害時に携帯回線や固定回線といった通信網がダメージを受けて、離れ離れになった家族と連絡が取れなくなった場合の代替手段は何かありますか?特定小電力トランシーバー等は免許不要で安価ですが、通信距離が短いので、実用性はどうなのか分からないなと思い買うのを悩んでいますが…』

まずはスマホを活用する

  • 非常時における通信の確保は重要ですね。個人の場合においても、家族の安否を確認することは非常時の行動を定める上で、大変重要になります。
  • 特に仕事や学校などで外出をしている際に被災した場合は、無理に帰宅しようとせず、安全が確保できるまでその場にとどまることが重要ですが、家族の安否が不明な場合は、無理にでも帰宅をしたくなりますので、安否確認が重要になります。
  • 非常時における通信手段としては、電話・e-mail・スマホによるインターネットの3つが基本となります。
  • まず電話ですが、安否確認が必要な規模の災害時には、基本的に固定電話・携帯電話とも、被災地内の通話には通信規制が入りますので、使えないことを前提にすべきです。
  • またスマホやパソコンからのe-mailに関しましても、非常時には短時間に大量のメールが送受信されるため、大規模な遅延などが生じる可能性があります。
  • 基本的に非常時において有効な通信手段は、スマホやガラケーを用いたインターネットです。大地震などが発生して停電が生じた場合も、携帯電波を飛ばす基地局やアンテナはバッテリーで動作するようになっているため、物理的に基地局が崩壊していたり、津波にのみ込まれたり、火災で燃えてしまわない限りは、インターネットを使用することができます。
  • そのため、家族との安否確認ツールとしては、まずスマホのLINEや、その他インターネットで通信ができるSNSなどを用いるのが最良です。最も普及率が高いのはラインだと思いますが、日頃から家族グループなどを作成しておき、すぐに安否登録できるようにしておくとよいでしょう。
  • スマホを使えない家族がいる場合は、災害伝言ダイヤル171を使って、安否の録音と再生ができるようにして置くのがよいです。災害伝言ダイヤルは電話番号に対して録音・再生を行う仕組みですので、自宅の固定電話があればその番号に。固定電話がない場合は、だれの携帯電話番号をキーにするかを決めておくことが重要です。

スマホ以外の手段はあるか

  • では、頂いたご質問のような状況、携帯電波も使えない状況において、家族と安否確認をする方法や機材はあるのでしょうか。
  • 近距離であればトランシーバーなども有効と思いますが、トランシーバーが有効な距離であれば、恐らくは徒歩で自宅に帰れると思いますので、もう少し遠方を想定したいと思います。
  • 企業の防災・BCPなどで、スマホのバックアップとして用いられる通信機材としては、MCA無線、衛星携帯電話、スターリンクなどがあげられます。
  • MCA無線は免許が不要な無線サービスで、スマホと同じ大きさの端末をつかい、全国に基地局のあるMCA無線網を使って、通話やデータの送受信が行えるサービスです。月額費用も少し高いスマホ並と比較的安いため、企業の防災において、店舗や拠点間の通信を確保するための手段として導入されています。
  • 衛星携帯電話もMCA無線と同じく、スマホと同じ大きさの端末を使うことで電話やデータ通信ができるサービスです。基本的に地球が爆発しない限りはどこでも通信ができるため、これも企業の拠点間をつなぐ最後の手段として導入されています。ソフトバンクなどが衛星電話サービスを展開しており、費用的にも少し高いスマホの月額費用並で、がんばれば個人でも導入可能です。
  • ただし、MCA無線も衛星携帯電話も、建物の中ではほとんど使えないため、見晴らしの良い屋外や窓際を確保する必要があります。MCA無線の方が比較的電波が強く、衛星携帯は衛星のある側の空が見えない場所ではほとんど使えないため、立地がポイントとなります。
  • 非常時における通信手段としては、従来MCA無線と衛星携帯電話が選択肢でしたが、近年新しく追加されたのが、アメリカの企業スペースX社が提供をはじめた、人工衛星・高速インターネットサービスのスターリンクです。
  • どこでも気軽に高速インターネットが使えるサービスということで、ポータブル電源などと組み合わせることで、非常時においてもスマホを使った連絡や情報収集が可能となります。ただ、MCA無線や衛星携帯電話と異なり、持ち歩ける大きさではないため、自宅や拠点などに設置する据え置きようになります。
  • ただ、スターリンクがあれば、普段使っているスマホを使って何でもできるようになりますので、非常時における通信手段の選択肢として、今後間違いなく普及するサービスだと思いますし、私も1台欲しいなと思っています。

デュアルSIMもよさそう

  • ということで、本気で備えるならMCA無線か衛星携帯電話、
  • 建物などに準備するならスターリンク、
  • ただ、これらしかつながらない災害というのは相当な規模、かなり頻度は低いとおもわれますので、基本はスマホのLINEなどを使った安否確認の準備をするのがよいと思いますし、スマホ2台持ちや、simカードを2枚入れられるデュアルsim端末などをつかうのも良いと思います。

本日も、ご安全に!

ということで本日は「非常時の通信手段」に関するお話でした。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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