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Voicyそなえるらじお #564 津波ハザードマップで想定している「津波のレベル」はどのくらい?

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #564 津波ハザードマップで想定している「津波のレベル」はどのくらい?

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災!そなえるらじお」、3月28日(火)、本日も備えて参りましょう!

本当に恐ろしい津波

本日のテーマは「津波とハザードマップ」のお話です。

  • 本日3月28日は、インドネシアのスマトラ島沖で大きな地震が発生した日です。ちょうど18年前の本日、2005年3月28日に、インドネシア・スマトラ島の沖合で大地震が発生しました。地震の大きさを示すマグニチュードは8.6、最大で3メートルほどの津波が発生し、2000名以上の方が命を落とされたと想定されています。
  • このお話を聞いて、あれ、スマトラ島の津波被害はこの程度だったかな?と思われた方は、防災情報に関心の高い方ですね。スマトラ島沖では大きな地震が繰り返し発生しておりまして、いわゆる「スマトラ島沖地震」と呼ぶ場合の大地震は、2004年の12月に発生したものです。
  • 2004年の大地震は、マグニチュード9.1の超巨大地震で、10メートルを超える津波が発生し、20万人以上の方が命を奪われています。この2004年に発生した超巨大地震の誘発地震と考えられているのが、4ヵ月後に発生した2005年の巨大地震です。
  • さて、このような巨大地震による津波は、日本においても全くもって人ごとではなく、むしろ世界最悪の津波被害が生じる地域のひとつということで、日頃からの津波警戒が極めて重要な訳ですが、
  • 本日はこの津波に関するご質問を、コメント欄にいただいておりますので回答をしたいと思います。

質問回答です

  • 先日の放送で、「たましろまい」さんから水害ハザードマップに関するご質問をいただいておりましたが、これに関連する形で、「TTM萬田らむね」さんから、津波ハザードマップに関するご質問を頂きました。本日は先にこちらについてお答えしたいと思います。ご質問の内容ですが…
  • 私の自宅は津波の影響はない地域となっているのですが、どのくらいの津波を想定しているのかが分からなくて判断できません。自宅は海から直線距離で6kmほど、海抜12mほどです南海トラフで巨大津波が発生した想定ではないような気がして、できたら津波10m・20m・30mの想定でマップを作って欲しいといつも思っています。現在あるハザードマップの津波ってどのくらいを想定してるのでしょうか?

津波ハザードマップで想定している高さとは

  • ハザードマップを作成する際には、その影響をもたらす原因の想定を最初に行います。河川の洪水であればどの河が、どの場所で、どの程度の水量を持って決壊をしたか。津波であれば高さ何メートルの津波がやってくるのか、という具合です。
  • この災害の規模の想定は、大雨の規模や大地震の大きさなどにより複数作成され、そこそこ現実的に生じそうな規模の災害から、発生確率は低いと思われるが想定される最大規模の災害まで、各種作成されます。
  • そして、ハザードマップに反映されるのは、基本的に想定最大のもの、発生するかどうかは分からないが、もし生じたとしたら最悪の場合このくらいの影響が出ますよ、というものが多くのハザードマップに掲載されます。
  • 個別具体的な情報については、実際の資料を見ていただき、そのハザードマップがどのような災害を根拠に作られているのか、記載内容を見ていただきたいと思います。ちなみに国土交通省の重ねるハザードマップの場合、
  • 津波については原則として、想定最大、生じるかどうかは分からないが、発生したとしてこのくらいの規模、というものが掲載されていますので、いわゆる最悪の想定が地図に反映されていると言うことになります。
  • ただ、この想定最悪というものが、いつの時代に作られた情報なのかは地域によりことなり、例えば南海トラフ地震のエリアについては、2011年の東日本大震災による被害を受けて、大幅に被害想定が見直され、3.11以前と以降では、ハザードマップで沈むエリアの広さや深さもずいぶん大きくなりました。
  • ということで、津波ハザードマップに載っている被害の大きさについては、その地域における想定最悪の津波が来た場合の被害ということになっています、というのがご質問への回答になります。
  • ただ、これはあくまでも想定ですので、次に発生する津波が想定よりも小さなもになる可能性も、より大きな津波が生じる可能性も、どちらもありますので、あくまでも参考情報と言うことにはなります。

私見ですが

  • ここからは、科学的な根拠に基づかない、私の個人的な見解です。
  • 津波ハザードマップを見る場合、浸水の色が付いているエリアについては、基本的に大地震直後に津波被害を受けるものと考えて避難行動を取るべきですが、色が付いていないエリアについては、どの程度まで「念のため」の行動をするべきでしょうか。
  • 私であればという言い方になりますが、津波ハザードマップで浸水すると想定されている最寄りの地域の中で、最も標高の高い場所の、1.5倍から2倍程度の標高までは津波に警戒する。例えばハザードマップを見た際に、標高3メートル地点まで津波が到達すると色が付いている場合は、6メートル以下の地点に関しては念のために注意をする。
  • もしくは、最寄りの海岸に設けられている津波防潮堤の高さの、1.5倍から2倍程度の標高までは津波に警戒する。もよりの防潮堤の高さが5メートルであれば、街の中で標高10メートル以下の地点に関しては念のために注意をする。という具合でしょうか。
  • これは根拠のある話ではないので、私なりの考え方です。ちなみに任意の地点の標高については、重ねるハザードマップを使えば高さが分かりますし、街全体の地形や標高を見たい場合は、国土地理院の自分で作る標高地図を使うのが簡単です。 

本日も、ご安全に!

ということで本日は「津波とハザードマップ」に関するお話でした。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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