Voicyそなえるらじお #565 千島海溝の超巨大地震による、北海道で想定される津波の高さ
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災!そなえるらじお」、3月29日(水)、本日も備えて参りましょう!
津波の高さは
本日のテーマは「北海道・千島海溝での超巨大地震と津波」のお話です。
- 昨日2023年3月28日の夕方、青森県東方沖でマグニチュード6.1、深さ20キロ、最大震度4を記録する大きな地震が発生しました。先月2月25日にも、北海道の釧路沖で、マグニチュード6、深さ63キロ、最大震度5弱の地震が発生しています。
- この、北海道から三陸沖までの地域は、近い将来の大地震の発生が想定されており、マグニチュード7以上の地震が発生した場合は、続いて発生する巨大地震への警戒を呼びかける、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」というものが発表されることにもなっています。
- ということで本日は、昨日に続いて津波に関するお話です。
日本海溝・千島海溝地震の確率
- 東北の三陸沖にある日本海溝、及び北海道沖にある千島海溝では、近い将来の大地震が想定されています。
- 特に、北海道沖、千島海溝の地震は切迫しておりまして、東日本大震災に近い、M8.8以上の超巨大地震が生じる可能性が、今後30年以内に7~40%、ひとまわり小さな、M7.8~8.5の巨大地震が生じる可能性は、今後30年で80%以上と想定されており、津波避難を含む厳重な対策が求められています。
- 千島海溝で超巨大地震が生じた場合、死者が最大で10万人を超えると想定されており、政府による被害想定なども発表されるようになりました。
- また、こうした状況も受けまして、2022年12月16日より、気象庁から新しい地震警戒に関する情報、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表されるようになっています。
- 北海道・三陸沖後発地震注意情報は、千島海溝及び日本海溝周辺で発生する「巨大地震」の可能性を事前に知らせるための仕組みです。発表条件は、この海域でM7以上の大地震が発生することで、
- 情報の発表から1週間の間、「普段よりも巨大地震が発生しやすい状態が続くため、揺れへの対策や津波避難の準備をしておきましょう」ということを呼びかけることになっています。
千島海溝地震による津波の高さ
- こうした巨大地震では、大きな津波の発生も想定されています。
- まず、千島海溝で超巨大地震が発生した場合に見込まれている、最悪の条件が重なった場合における津波の高さの想定ですが、太平洋に面している市町村での津波が特に高くなると見込まれています。まずは北海道のお話です。
- 北方領土を含めれば、最大の津波が想定されているのは択捉島で、高さは30mと想定されております。
- 北海道本土では、まず東端に位置する根室市で、最大22mの津波が想定されています。幸い、根室市街地は太平洋側ではなく、根室半島の内側に位置するため、津波ハザードマップによる市街地の被害はかなり限定的になっています。
- 少し南に下り、巨大な港のある釧路市でも最大22mの津波が想定されています。釧路は市街地と港が直接太平洋に面していますので、津波ハザードマップでも最大で20mの浸水、釧路市役所やJR釧路駅でも最大10mの浸水と、大きな被害が生じることが想定されており、大地震直後の避難が極めて重要な地域になっています。
- また釧路では、津波の第一波の到達が地震発生から最短16分、10mを超える大きな津波も最短28分で到達すると考えられており、大地震の揺れが収まった直後から避難を始める必要があります。
- さらに南に下り、北海道の南側にあるえりも岬、えりも町では最大28mの津波が想定されています。市街地やえりも港では最大20mの浸水が想定されていますので、釧路同様にすばやい避難が必要になります。えりも町は背後がすぐに山になっていますので、そこへ最短時間で駆けあげれるかが重要です。
- えりも岬から西側へ向かいますと、津波の高さは多少低くなりますが、それでも日高町で11m、苫小牧市で8m、室蘭市で4m、函館市で5mの津波が想定されています。海岸沿いは土地が低くなっているため、想定される津波の高さよりも標高が低い土地は、おおむね津波ハザードマップでの浸水想定区域になっており、避難が必要な地域になっています。
- この辺りへの津波の到達は、地震発生からおおむね1時間後と想定されていますが、大地震直後の1時間はあっという間ですし、余震などが生じている可能性もあるため、すばやく避難を開始することが重要です。
東北地方の被害は
- 千島海溝沿いでの超巨大地震は、北海道だけでなく東北地方でも大きな津波の発生が想定されています。
- 青森県では、太平洋側に面する八戸市で最大12mの津波が想定されています。実は今年の8月、八戸で防災講演会をさせていただく予定ですので、こうしたお話もしなければなと思っています。
- 岩手県では、八戸のすぐ南にある久慈市で最大16mの津波が、
- 宮城県では石巻市で最大11mの津波が、
- そして福島県では南相馬市で最大8mの津波が、千島海溝から到達すると想定されています。
- 関東でも、茨城県から千葉県の太平洋側で、5m近い津波が押し寄せる想定になっています。
- ということで本日は、千島海溝で超巨大地震が発生した場合の、津波の高さに関するお話でした。
本日も、ご安全に!
ということで本日は「北海道・千島海溝での超巨大地震と津波」に関するお話でした。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!