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Voicyそなえるらじお #566 日本海溝沿いの超巨大地震による、最悪の津波の高さ想定についてどのくらい?

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #566 日本海溝沿いの超巨大地震による、最悪の津波の高さ想定についてどのくらい?

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災!そなえるらじお」、3月30日(木)、本日も備えて参りましょう!

津波の高さは②

本日のテーマは「日本海溝での超巨大地震と津波」のお話です。

  • 昨日は北海道・千島海溝における超巨大地震と、大津波に関する具体的な影響と被害の想定に関するお話をいたしましたが、本日は東北・日本海溝における超巨大地震と津波に関するお話です。
  • 今回もテーマとしてはかなり重たい内容になります。対象となる地域は東日本大震災の被災地と重なる、東北がメインです。お話を飛ばしたい場合は、コメント返しのチャプターへ飛んでくださいませ。

日本海溝沿いの巨大地震

  • 2011年の東日本大震災を引き起こした、東北地方太平洋沖地震は、東北地方を中心に甚大な津波被害をもたらしました。
  • この地震の震源は、宮城県の沖合を中心に、南北に400km・東西に200km・そしてすべり量・最大のズレの大きさは最大で50mと極めて広く、これが広範囲に強い揺れと津波をもたらすことになりました。
  • このM9クラスの超巨大地震は、過去3000年の間に5回ほど発生していると推定されていますが、前回の発生がまだ12年前ですので、近い将来に同じ場所で同じ規模の地震が生じることは想定されていません。
  • 一方、2011年の東北地方太平洋沖地震の震源より北側の地域、岩手・青森・北海道の沖合に位置する日本海溝沿いでも、大きな津波を生じさせる巨大地震が定期的に発生しており、最大クラスの地震が生じた場合は、東日本大震災に匹敵する被害が生じる可能性が指摘されています。
  • この岩手・青森・北海道の日本海溝沿いの巨大地震が生じる可能性ですが、東日本大震災規模となるM9クラスの超巨大地震は、可能性としてなくはないが、今後30年間の発生確率としてはほぼゼロ%、一方ひとまわり小さなM7.9程度の巨大地震については、今後30年間で8~30%の確率となっており、具体的な対策が必要な状況であると言えます。
  • また、発生の可能性は低いものの、最大規模の超巨大地震が岩手より北側の日本海溝沿いで発生した場合は、死者が最大で約20万人、建物の全壊は22万棟、避難者は約57万人という被害想定が発表されています。
  • 昨日の放送では、北海道沖、千島海溝沿いで超巨大地震が発生した場合の津波の高さに関するお話をしましたが、本日は日本海溝沿いで最大クラスの超巨大地震が発生した場合の津波の高さに関して、少し詳しくお話をいたします。

日本海溝地震による津波の高さ

  • 日本海溝で超巨大地震が発生した場合に見込まれている、最悪の条件が重なった場合における津波の高さの想定ですが、北側から見ますと、まず北海道でも大きな津波が到達することが想定されています。
  • 千島海溝沿いの超巨大地震で、最大22mの津波が想定されている釧路市では、日本海溝沿いの地震でも最大9mの津波が、おなじく千島海溝沿いの地震で最大28mの津波が想定されているえりも町では、日本海溝沿いの地震でも最大23mの津波が想定されています。
  • えりも町では、日本海溝沿いの地震が発生してから最短4分で第1波が、22分後には5m、45分後には10mを超える津波が到達すると想定されており、迅速な避難が必要となります。
  • えりも岬から西側の地域は、千島海溝よりも日本海溝沿いの地震の方が津波による大きな被害が想定されておりまして、日高町で18m、苫小牧市で10m、室蘭市で10m、函館市で10mの津波が想定されています。これらの地域に津波が到達するのは、地震発生からおおむね30分程度と想定されています。

東北地方の津波について

  • 続いて東北地方ですが、青森県内で最大の津波が想定されているのは、千島海溝沿いの地震と同じく八戸市です。千島海溝沿いの超巨大地震では最大12mの津波が想定されていますが、より震源が近くなる日本海溝沿いの地震では、地震発生から2~30分後に、最大27mの津波が到達すると想定されています。
  • 2011年の東日本大震災でも、八戸港では6m~8mの津波が襲来し、浸水の被害を受けていますが、これをはるかに上回る被害が想定されているため、特に迅速な避難計画が求められています。
  • 岩手県では、最も太平洋側に突き出している宮古市での被害が最大になると想定されており、地震発生から10~20分後に、最大30mの巨大な津波が到達する想定になっています。
  • 八戸市や宮古市では、ハザードマップでも最大20mを超える浸水が想定されており、大地震の揺れがおさまり次第避難を開始する計画が必要になります。
  • また、宮城県では気仙沼市で最大16mの津波が、福島県では南相馬市で19mの津波が、茨城県や千葉県でも最大7mの津波が想定されており、
  • 震源の場所は東日本大震災の際よりも北側になりますが、2011年の津波で大きな被害を受けた地域は、ほぼそのまま、次の巨大地震でも同等またはそれ以上の津波に襲われる想定での、各種対策が必要になっています。

自暴自棄にはならないで

  • ということで本日も昨日に続き、日本海溝沿いで超巨大地震が発生した場合の、津波の高さに関するお話でした。
  • 今日お話をした津波の高さは、「次の」大地震として発生する可能性はかなり低いと見込まれているものの、万が一発生した場合の最悪の想定によるものですので、もう何をしてもダメだと、自暴自棄にはならないでいただきたいと思います。
  • 最悪の想定に備えて対策を行い、実際に大地震が発生した場合は、被害が軽くなることを祈りながら逃げる、そうした心構えが必要となります。

本日も、ご安全に!

ということで本日は「日本海溝での超巨大地震と津波」に関するお話でした。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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