Voicyそなえるらじお #577 国が直接個人に危険を知らせる「Jアラート」をどう捉え活用するか
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執筆者:高荷智也

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、4月14日(金)、本日も備えて参りましょう!
北海道に現代の空襲警報…Jアラートが
本日のテーマは「Jアラートと弾道ミサイル」に関するお話です。
- 昨日4月13日の早朝、北海道を周辺を対象に、Jアラートによる弾道ミサイル情報が発表されました。
- これまでも弾道ミサイル情報が発表されたことはありますが、今回は初めて、「ミサイルが領土内に落下する」という文面付きで発表されたため、かなり驚いた方もいたのではないかと思います。
今回の内容
- 2022年10月4日にもJアラートによる弾道ミサイル情報が発表されましたが、この時の対象地域は北海道及び青森でしたが、「落下」という情報は入っていませんでした。
- この時の発表内容は、「国民保護情報が発表されました。北朝鮮からミサイルが発射されたものとみられます。建物の中、又は地下に避難してください」というものでしたが、昨日発表された文章では、
- 「直ちに建物の中、または地下へ避難してください。ミサイルが8時0分頃、北海道周辺に落下するものとみられます。直ちに避難してください。」と、かなり差し迫った情報が発表されました。
- 過去に発表されたJアラートによる弾道ミサイル情報は、全てが日本の上空をミサイルが通過するものとして発表されましたが、陸地への落下による避難を呼びかけたのは今回が初めてで、JRや札幌市営地下鉄、札幌の市電などは全線で運転見合わせ、高速道路も通行止めになるなどの対応が取られました。
- Jアラートの文面だけを見ると、北朝鮮からのミサイル攻撃が開始されたかのような内容で、相当にビックリしたのですが、北海道にお住まいのリスナーの皆様、状況等いかがでしたでしょうか。
- 幸いにして、今回は何事も無く、発表の約20分後に、落下の可能性は無くなったという内容の発表が出されましたが、このような内容のJアラートもあり得るのだ、ということを知る大変よい機会になったのではないかと思います。
Jアラートはすごいよ
- Jアラートによる弾道ミサイル情報が始めて発表されたのは2012年のことですが、現在のところ幸いにして実際に被害は生じていません。
- そのため、どうせ被害は生じないのだからJアラートは無意味、むしろ経済的な影響などを考えればやめた方がよい、そのように思われる方もいらっしゃるかもしれません。
- しかし実際に北朝鮮はミサイルを日本の方角へ発射し続けておりますし、そして、現在ウクライナに侵略をしている隣国のロシアは世界最大の核兵器保有国です。
- 戦争やテロへの備えの基本は、それを実行する国家なり、指導者なり、テロの実行者の意思について想像するのは意味がなく、戦争やテロを実行する能力に対して備えなければならないという点が重要です。
- 北朝鮮が本当に日本にミサイル攻撃をしてくるかどうか、総書記の意思は分かりません。ロシアが今後日本にも戦火を拡大させてくるかどうか、これまた大統領の意思は分かりません。それを想像することはできませんし、意味がありません。
- 防災という視点で重要なことは、北朝鮮が実際に核ミサイルを保有しており、日本に向けてこれを打ち込む能力を持っているということ。またロシアがアメリカを凌ぐ数の核兵器を保有しており、そして隣の国であるという事実です。
他の災害も同様で
- 自動車に乗る人が、好き好んで人をはねたがっているとは、誰も思いませんし、思いたくありません。しかし現実として交通事故は生じます。重さ1トンの鉄の塊が時速60キロで突っ込んで来るかもしれない、これを前提にして私たちは日頃から自分の身を守る行動をとらなければなりません。
- 自然災害においても、大地震や台風による水害がいつ起こるかは分かりませんが、いつの日か必ず被害が生じることは分かっていますので、防災対策を講じ続けています。
- これまで大丈夫だったから、これからもきっと大丈夫。災害や有事への備えとしてこれは危険な考えです。「可能性があるならば、生活を壊さない範囲で備える」、という意識が必要で、そのためにはJアラートの仕組みは必要なものであると考えます。
国民は信頼されていますよ
- Jアラートが対象とする国民保護情報は、弾道ミサイルだけではありません。航空攻撃、つまり空襲ですね。それから大規模なテロが発生した場合も、Jアラート経由で情報が発表されることになっています。
- さらに重要なことは、Jアラートという仕組みは、国が国民1人1人に直接情報を届けるシステムになっているという点です。弾道ミサイル攻撃や空襲は、察知から状況の発生までに余裕がありません。誰かを経由して避難を呼びかけるのは間に合いません。
- だからJアラートの場合は、国が直接、個々人の携帯電話やスマートフォン、また街頭に設置してあるスピーカーを強制的に起動して、恐ろしいサイレンをならしながら、直ちに避難と呼びかけるようになっています。これは結構すごいことです。
- だからこそ、このような情報を実際に受け取った際には、それが99%の確率で誤報になるかもしれないとしても、できれば地下へ、無理でも近くの建物に入る、窓が見えない場所へ移動する、そしてしゃがんで目と耳をふさいで口を開ける、つまり爆風や衝撃波に耐える姿勢を取る、ということを実施したいものだと思います。
- 自分と家族の命を守るためには、周りから何と言われようとも、率先避難者になること、そして身を守る姿勢を取ること、これをどこでも実行する強い意志、これが必要なのだと思います。
- こうしたことを実行するのが1%の人しかいなくても、100万人は助かります。それでよいのではないでしょうか。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「Jアラートと弾道ミサイル」のお話でございました。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!