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Voicyそなえるらじお #584 列車事故で身を守るには何両目がよい?福知山線事故から18年目

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #584 列車事故で身を守るには何両目がよい?福知山線事故から18年目

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、4月25日(火)、本日も備えて参りましょう!

電車乗るの楽しいですよね

本日のテーマは「列車の脱線事故」に関するお話です。

※今日は事故の話が多いですので、苦手な方はチャプター4までジャンプして下さい。

  •  本日4月25日は、JR福知山線脱線事故が発生した日です。
  • 18年前の本日、2005年(平成17年)の4月25日、朝9時18分頃、JR福知山線の塚口駅と尼崎駅の間で、列車の脱線事故が発生しました。乗客・運転士あわせて107名が死亡、562名が重軽傷を負う、記録に残る大事故となってしまった脱線事故です。
  • 事故の原因はシンプルで、スピードの出し過ぎでカーブを曲がりきれずに脱線し、カーブの先にあったマンションへ突っ込み列車が大破するという最悪の事故でした。事故を直接引き起こした運転士の方は死亡されていますが、事故を引き起こす様々な要因として、JR西日本の体質・安全管理における様々な問題があり、防げるはずの事故を防ぐための対策などが、事後の課題として残っています。

まず危ないのは先頭

  • 列車の脱線事故などに巻きこまれた際に、どこに乗車していれば助かるのか、これは日頃の習慣として知っておきたい知識ですが、基本的には先頭車両と最後尾車両から離れた場所、中間車両が推奨されます。
  • 例えば2005年のJR福知山線事故では、犠牲となられた方々の多くは先頭車両及び2両目に乗車されていた方々となります。脱線した列車が先頭からマンションに突っ込んだ訳ですから、先頭に近づくほど危険そうだということが直感的にも分かります。

中間車両が危険になった場合も

  • 一方、中間車両に多くの被害が生じた事故もあります。例えば2000年3月8日に生じた、地下鉄日比谷線脱線事故では、当時の営団地下鉄・現在の東京メトロ日比谷線、中目黒駅構内での脱線衝突事故が発生し、死者5名・負傷者64名の被害が発生しました。この事故で命を落とされた5名の死者は全員6両目の車両に乗車していました。
  • また、戦後最悪の死者が生じた脱線事故としては、1963年(昭和38年)に発生した鶴見事故があります。当時の国鉄・現在のJR東日本の東海道本線鶴見駅と新子安駅の間で生じた、列車脱線・多重衝突事故でしたが、この事故では死者161名・負傷者120名の被害が生じています。
  • この事故では、最初に脱線を起こした貨車に、後続の列車が突っ込んでさらに脱線し、この脱線した車両が隣に停車していた別の列車に突っ込むという形で発生しました。この時、脱線した車両は先頭が大破していますが、この車両が停車していた列車の4両目と5両目に突っ込む形になったため、中間車両で多くの犠牲者が発生したということになります。

避難者が巻きこまれるケースも

  • また、別の意味で最悪なケースが生じた事故もあります。
  • 鶴見事故の前年、1962年(昭和37年)の5月3日に発生した三河島事故です。この事故は、当時の国鉄・現在のJR東日本の常磐線・三河島駅構内で発生した、列車脱線・多重衝突事故でした。
  • まず発端となったのは鶴見事故と同じ、貨物列車の脱線で、脱線した貨物列車に通勤列車が突っ込んで衝突しました。この事故では先頭・前2両が脱線して被害を受けましたが、まだ死者は発生しておらず、軽傷者のみで、安全のために電車から乗客を降ろし、歩いて避難を開始していました。
  • そしてその数分後、事故発生が伝わっていなかった逆方向からの通勤電車が事故現場に突っ込み、歩いて避難をしてた乗客を次々と跳ね、さらに脱線していた列車の先頭車両に突っ込みました。この突っ込んだ車両の先頭が大破、2両目から4両目は、高架線路から地上に落下して大破しています。列車の外を避難中だった方が巻きこまれるという、最悪な事故になりました。

できる範囲で選ぶ

  • ということで、列車の脱線事故を回避するためには、基本的には突っ込む先頭車両と、突っ込まれる最後尾の車両を避けるのが基本ではありますが、事故のあり方によっては中間車両だけが被害を受けることもあるため、この場所なら絶対安全という車両は存在しないこといになります。
  • また、そもそも鉄道事故の発生確率は低く、こういう言い方は不適切かもしれませんが、死傷者の生じる鉄道事故に巻きこまれる可能性は、宝くじの1等をあてるのよりも低い確率であると言えます。
  • そのため、選択肢として用意に選べるならば、先頭や最後尾以外に乗る、しかし先頭や最後尾に乗ってもそれで悲しい気持ちになる必要はない、という気持ちの持ち方が必要ではないかと思います。ただ、できれば座席に座るか、つり革か手すりを掴むようにした方がよいのは間違いありません。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「列車の脱線事故」のお話でございました。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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