Voicyそなえるらじお #621 地震がない国・当たり前の国に見る、地震対策の意識についててもオススメ
最終更新日:
執筆者:高荷智也

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、6月19日(月)、本日も備えて参りましょう!
自然災害か観光資源か
本日のテーマは「家庭の地震対策」のお話です。
- 先週末、6月16日から17日頃にかけて、フランス西部で地震が相次ぎ、多くの建物に被害が生じたとニュース報道されています。
- フランスは地震が少ない地域ということもあり、かなり珍しい災害に分類されるそうですが、今回はこの辺りのお話。
フランスで生じた地震被害
- 海外で生じた大地震と言えば、2月にトルコで発生した大地震がイメージされますが、今回フランスで生じた地震はニュース報道によるとマグニチュードは最大で5.8、その後余震も生じているということです。
- いわゆる大震災クラスの被害には発展していないということですが、震源近くの地域においては、数百軒以上の建物が破壊され、内部に人が入れない状態と判断されているということです。
- フランスは地震が少ない地域にあります。例えばおなじみのUSGS・米国地質調査所が提供している、全世界の地震を検索することができるデータベースを使用しまして、2023年6月18日までの直近100年間において、フランスおよびその周辺で発生した、M4.5以上の地震を表示させてみました。
- その結果は87回、この数字にはフランス国境境界で、国外のものも含んでいますので、国内で生じた地震となると数はもっと少なくなります。
- どうでしょうか、フランスでM4.5以上の地震が発生する頻度は、1年に1回以下ということになります。ましてM6以上のいわゆる大地震に分類される地震に到っては、この100年で数回しか発生したことがありません。
- ちなみに同じ直近100年間で、日本国内で震度1以上を観測した、M4.5以上の地震は合計19,262回、
- M6以上の大地震だけでも、100年で1,726回に登ります。日本ではざっくりフランスの200倍以上の地震が生じているということになります。
建物を頑丈に
- 海外で大きな地震が発生した際、日本の基準で考えるとずいぶん小さな地震でも甚大な被害が発生することがよくありますが、原因のひとつとして、建物に耐震性がそもそも存在しないことがあげられます。
- 地震がない地域の場合、耐震性という概念がそもそもありませんし、
- あるいは基準があってもそれを守らないというケースもあります。
- フランスの耐震事情は分からないのですが、今回発生した最大M5.8という地震、日本で発生した場合は恐らく被害はほとんど生じていないと思われます。M5以上の地震が毎月100回近く発生する日本において、この程度の地震に無傷で耐えるのは常識以前の当たり前でなければならないからです。
- しかしそんな日本においても、建物こそ頑丈に作られますが、その中に住んでいる人の地震に対する意識はバラバラです。私は恐らく大丈夫は通用しないということを、改めて認識していただきたいと思います。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「家庭の地震対策」のお話でございました。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!