Voicyそなえるらじお #609 毎年進化する「線状降水帯」の情報…2023年は?
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、6月2日(金)、本日も備えて参りましょう!
台風接近に伴う大雨に警戒
本日のテーマは「線状降水帯」のお話です。
- 台風2号の接近に伴う影響で、全国的に災害級の大雨の恐れがあります。危険な場所に住んでいる場合で、かつ避難指示が出た場合は速やかに避難を。
- また日中の気象情報に注意を。ということで今回は大雨に関する進化する情報「線状降水帯」のお話です。
まずは台風のお話
- まずは本日のお天気のお話ですが、
- 台風2号の接近により梅雨前線の活動が活発になり、西日本・東日本の広い範囲で本日は大雨の恐れがあります。条件によっては水害が発生する地域も想定されていますので、
- ①…自宅・学校・職場などが洪水ハザードマップを見た際に浸水するエリアにあり、
- ②…かつ自宅や職場のフロアが水没する深さである場合は…
- ③…自治体から警戒レベル4・避難指示が出たタイミングで安全な避難場所へ避難をする、という基本を改めてご確認ください。
- 逆に、水害が発生しても自宅に影響がなければ、避難指示が出ても屋外への避難は不要ですので、その場にとどまることになります。
- 今回は風よりも雨に対する警戒が呼びかけられておりますので、自宅のベランダなどの排水溝周りに物が置かれていないか、詰まっていないかのチェックを。ベランダが水没すると室内に水が溢れる恐れがあるためです。
- また、水害による停電などに備えておきたいということであれば、スマホ、モバイルバッテリー、ポータブル電源などの充電を確認、
- また朝のうちに、水を8割ほど入れたペットボトルなどを、冷凍庫の隙間にびっちり詰め込んでおきますと、停電しても冷気が維持されますので、今のうちに対応を。もちろん凍らせた水道水は溶ければ飲めます。
線状降水帯
- 今回の大雨では、線状降水帯が形成される恐れもあり、警戒が呼びかけられています。近年の大雨シーズンに良く聞く線状降水帯は、同じ場所で連続的に積乱雲が発生し続け、局所的な大雨をもたらす恐ろしい現象です。
- 積乱雲は単体でも、大雨・落雷・竜巻・雹などをもたらす恐ろしい存在ですが、これが連続して発生し続けるという状況は極めて危険です。これが近年では大雨による水害をよくもたらしています。
- 線状降水帯による大雨は正確な発生の予測が難しかったのですが、近年では技術が進化して、様々な情報が発表されるようになりました。
線状降水帯2021・2022
- まず、2021年6月17日から、線状降水帯の「発生」をしらせる「速報」である、「顕著な大雨に関する情報」という仕組みが気象庁で始まりました。ただこれは、速報であり予測ではありませんでした。
- そして昨年、2022年6月1日からは、荒い情報ですが線状降水帯の予測がスタートしました。昨年の時点ではまだ開始直後ということで、「九州北部」とか「関東甲信」といった範囲で発表される気象情報のなかで、「線状降水帯が発生する可能性がある」という文言が盛り込まれる程度での運営開始でした。
- NHKの報道によれば、2022年の結果としては、合計13回線状降水帯の発生予測が発表され、実際に線状降水帯が発生したのは3回。また気象庁からの発表がない状態で発生した線状降水帯が8回あったということで、初年度に関しては色々と課題を残す結果となっていました。
線状降水帯2023
- しかしその後も線状降水帯の予測は進化し、今年2023年の3月1日から、「線状降水帯予測スーパーコンピュータ」の稼働が開始し、さらなる予測精度の改善が始まっていましたが、こうした取り組みの成果もあり、
- 2023年5月25日から、よりパワーアップした線状降水帯の予測が開始されています。今回の進化では、最大30分先までに線状降水帯が発生する可能性が高まった場合にも、予測が発表されるということで、昨年よりも発表の回数は増えると言うことです。また過去のデータを用いたシミュレーションでは、84%の精度で30分先までの線状降水帯を予測できたといことで、本年度の予測精度向上が期待されます。
- 気象情報を活用して、水害を避けましょう。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「線状降水帯」のお話でございました。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!